【シネマモード】キャメロンもおめでた!?『恋愛だけじゃダメかしら?』に見るプレママ

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『恋愛だけじゃダメかしら?』 -(C)  2012 Lions Gate Films Inc. and Alcon Entertainment, LLC. All rights reserved.
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不思議なことに、私の周囲にはあまり“プレママ”(=妊婦、またはママ直前の女性)がいたことがありません。すでに子供が大きくなってから知り合ったママたちはいますが、妊娠時に知り合いだった知人や、出産経験がある親友は数えるほど。しかも、彼女たちのほとんどは、出産したのがそろって十数年前という具合。ですから、今、世の中のプレママ事情はどうなっているかなど知りもせず。そんな私が、現代のプレママたちの喜びや期待、不安や苦労、そして仲間へのライバル意識など、本音の本音を垣間見たのが映画『恋愛だけじゃダメかしら?』でした。

この作品は邦題どおり、恋愛の次にやってくる家族づくりの物語を描いています。コメディながら、真剣に描くべきは真剣に描いているので、これからママになりたい人、今、妊娠中の人にはもっていこい。そればかりか、すべての女性に関係する、女ゆえの人生の選択についても描かれているので、「子供には興味がないから…」という方にもお勧めしたい作品に仕上がっています。

原作は、全世界で3,500万部び売り上げを記録したという妊婦のバイブル「What to expect When you are expecting」。これは映画の原題と同じ。つまり、“赤ちゃんを迎えることになったらどんな変化が待っているのか”を赤裸々に綴った、ある女性の体験記なのです。日本でも、「すべてがわかる妊娠と出産の本」(アスペクト刊)のタイトルで発売されているとか。妊娠経験のある方なら、すでにご存知かもしれませんね。妊娠したら起きる変化とひと口に言っても、身体の変化はもちろん、キャリアやライフスタイルの変化、カップル間の意識の変化などなど実に様々。そんな変化に振り回されながらも、自分たちの複雑な気持ちや親になる準備と向き合ってくのは、5組のプレママ&プレパパたち。妊娠した経緯、人生における大ニュースの受け止め方、パートナーとの関係性など、5組10人の男女の様子は本当にバラエティに富んでいて、多くの人が経験したであろう各種エピソードが見事に盛り込まれていました。

実生活ではまだシングルのキャメロン・ディアス、実際には双子のママであるジェニファー・ロペスの共演も話題です。キャメロンの役柄は、ダイエット番組の人気トレーナー、ジュールズ。ある日、リアリティ番組で競演したダンサーとの間に子供ができてしまいます。「ジュールズは図らずも子供ができたの。そして、パートナーとして2人の間に何かが芽生えていくのよ」とキャメロン。予定外の展開にとまどいながら、パートナーとの関係やキャリアの積み重ね方をもう一度見直すジュールズの姿に、共感する人は世界規模で多いことでしょう。一方のジェニファーは、子供ができず養子縁組を決意するカメラマンのホリー。仕事が順調でないという悩みも抱えています。「ホリーはやるべきことが何もできていないことに罪悪感をもっているの。その一つに、子供ができないということがある」とジェニファー。「女性なら当然できるはずのこと。だけど彼女はどうやら子供が産めないらしいの。それで、彼女は完璧な人生にしようと常に努力しているのよ。“家を買って、子供を迎えて、それからあれもこれも”という風に。これらがどれほど彼女に重くのしかかっているか、分かるでしょ」。

また、エリザベス・バンクスが演じている店舗経営者・ウェンディも不妊に悩んでいる一人。ただ、2年間の治療を経てめでたく妊娠したものの、妊婦であることが幸福なばかりでないという現実に愕然とする様子は、これまた多くの女性が共感するのかもしれません。カーク・ジョーンズ監督はこう話しています。「妊娠に関して、“あまり素敵じゃないこと”は、お腹の張り、にきび、便秘、足のむくみ、疲れ、不安といったことだ。これらがウェンディの身の上に起こる。エリザベス・バンクスは天才的コメディアンだよ。全てを見事に演じてくれた」と大喜びですが、妊婦さんの中にも、よくぞ現実を描いてくれましたと大喜びする人がいるのかもしれませんね。他人から見れば、10か月の妊娠期間中は“あっという間”で、出産も“ポコッと生まれた”という印象でも、当人にとっては怒涛の日々だった可能性もあります。みんな、表面的には綺麗ごとばかり語るけれど、苦痛もいっぱい。おめでたいとこであるだけに、愚痴れないという苦労もきっとあるのでしょう。「妊娠、出産が幸せの絶頂だなんて、誰が決めたの?」と叫びだしそうなキャラクターたちは、綺麗ごとなど嘲笑うかのように、終始リアルに徹しているのです。

そんな中で、綺麗にまとまっている女性が一人。ウェンディの義母・スカイラーです。ウェンディと夫のゲイリーが、おめでたを報告しにでかけると、ゲイリーの父で元レーサーのラムジーと年の離れた若妻・スカイラーも実はおめでたなのだと告げるのです。ウェンディたちが苦労して妊娠したにもかかわらず、スカイラーたちにはいとも簡単に子供ができ、さらに後日、双子であることが分かるのです。“一番”が大好きなラムジーは「うちは双子だぞ!」と自慢げに言い、競争心をむき出しに。一方、妻のスカイラーは全く悪気はないものの、妊娠生活が楽しくて仕方がないため、ウェンディの辛さなど一切理解できず。「これからピラティスに行ってくるわ」などといって、常にうきうき楽しそう。彼らの満ち足りた様子が、ウェンディたちをより悶々とさせるのは言うまでもありません。しかも、スカイラーの妊婦姿といったら、まるでセレブそのもの。ベアトップのミニドレスは、ピンクベージュの生地に花模様のレースがあしらわれたキュートなデザイン。プレママでも、そのドレスにはしっかりヒールを合わせて、歩くのも辛いといった風情のウェンディをうんざりさせるのです。別のシーンでは、チェーンベルトで、はちきれんばかりのお腹(実際にはお腹の上部)をウエストマーク(?)したロイヤルブルーのノースリーブドレスを着たりして、プレママファッションを大いに満喫している様子。ビーチサイドで見せたお腹丸出しファッションでは、おへそのまわりにぐるりと環状に入ったタトゥーも、彼女の陽気さを強調し、お気楽妊婦の代表として強い印象を残していました。
 
あんなプレママあり、こんなプレママあり。さまざまなプレママの様子はとても勉強になりますが、もしかしたら、この映画を観て、一番学べるのはプレパパたちかもしれません。劇中、クリス・ロックを中心メンバーとしたイクメン団も登場。女性と違い、子供が誕生して初めて親であることを実感すると言われる父親たちが、どのように我が子と馴染んでいくのか、ママ友達同様、パパにだってイクメン友達がいかに必要なのかを、ちょっとマッチョに表現しています。クリス曰く「父親になることは、僕が経験した中で最高の仕事だ。事前に全てを準備できる人なんて一人もいない。お金がいくらあるかとか、何の仕事をしているかなんて気にしなくていい。子供たちは素敵だ。彼らは何があろうと、パパのことが大好きなんだよ」とのこと。出産はもうすぐだけれど、不安でいっぱいというプレパパに勇気を与える言葉であるはず。男性にも、ぜひ本作を観てもらいたいものです。

プレママ、プレパパたちには不安も苦労もあるかもしれませんが、本作を観ることで、少しでも気を楽にしてくれたらというのが、関係者たちの願いのよう。ここに登場する男女10人の中には、きっと自分に似た誰かがいるはず。彼らを参考にしてみれば、大事な時期を少しでも楽しく過ごせるかもしれません。もちろん、子供のいない人でも、素直に楽しめるラブ・コメディに仕上がっています。そして、出産経験のある人や、「いつかは…」と考えている人には、過去の自分、将来の自分が見えてくるかもしれませんよ。

《text:June Makiguchi》

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