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『フランケンウィニー』木村カエラインタビュー「白黒の中にこそ、色が見える」

『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』や『アリス・イン・ワンダーランド』を始め、ファンタジックな独自の世界観で多くの映画ファンを魅了し続けるティム・バートン監督の最新作…

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『フランケンウィニー』木村カエラさんインタビュー
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『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』や『アリス・イン・ワンダーランド』を始め、ファンタジックな独自の世界観で多くの映画ファンを魅了し続けるティム・バートン監督の最新作『フランケンウィニー』。そんな本作にインスパイア・ソング「WONDER Volt」を捧げたのが人気アーティスト、木村カエラだ。「元々ティム・バートン監督の映画を観ていて感じていた、クラッシクなイメージを音に反映させた」というカエラさんに、バートン監督作品と楽曲創作の繋がり、楽曲に込めた思いについてたっぷりと語ってもらった。

ディズニー作品史上初となる全編“白黒3D”で描かれる本作。孤独な少年・ヴィクターと“禁断の実験”によって甦った愛犬・スパーキーとのピュアな友情が、思わぬことから街中に大事件を巻き起こしていく姿が、不気味ながらも可愛く温かみのある映像で描かれる本作。先日お披露目された「WONDER Volt」のミュージック・ビデオでは、カエラさんがヴィクターを彷彿とさせる科学者に扮しているが、そもそもこの楽曲はカエラさんが「映画の中ですごく好きなシーン」から発想を得たのだとか。

「少年・ヴィクターが“スパーキーを雷の力で甦らせれるんじゃないか?”って気づいた瞬間に、彼がブワーッとすごいスピードで準備をして、屋根裏で実験を行うときですね。あの場面がすごく好きなんです。あのときにいろんな音が鳴ってるんですよ。フラスコのボコボコっていう実験っぽい音とか、自転車の音とか、雷の音とか…。そういうモノの音でリズムとか曲を作れないかなと思って相談しながら作ってもらったんです」。

音楽もデジタル化が進む昨今、プログラミングなどで音を入れることも簡単にできるが、「WONDER Volt」で奏でられるそんな細かな音にもカエラさんなりのこだわりがあったよう。
「実際にやったものもあれば、元々システムの中に入っていた音とかもあります。それはその楽曲に合った音をいくつかある中からチョイスしながらリズムを作っていったんです。元々入っている犬の音だとあまりリアルに聴こえなかったりするので、そういうバランスに気をつけながら音作りをしていきました」。

聞けば聞くほど発見のある楽曲…まるで次から次へと自らの引出しを開け、常にリスナーに刺激を与え続けるカエラさん自身のようでもある。そんな彼女が、バートン監督の大ファンということもあって、今回のコラボレーションにはかなり強い想い入れがあったよう。その想いのあまり、念願のバートン監督との対面も「会話はいろいろしたんだけど、緊張してあんまり覚えてないっていう…(笑)」と、はにかみながらそう語るカエラさんだが、実際に監督に会って確信をもったことがあるとも明かす。

「今回監督にお会いして、“絆”っていう言葉が大切な部分なんだなって改めて感じたんです。孤独の中に希望があるっていうのが、映画を観て感じ取った部分であって、やっぱり不安になったり、悲しい気持ちを抱えることって、幸せになりたかったりとか喜びたかったりとか、誰かを求めてたりするからこそ生まれるものなんだなって。だからこの曲を聞いて、悲しい気持ちになったときに諦めたりしないで、幸せになりたいって思いがあるからこそ出てくる気持ちなんだっていうことに気づいてもらえたら嬉しいなって思っています。なんだか少年・ヴィクターが歌っているような感覚で言葉を作っていったっていうのはありましたね」。

自身をヴィクターに投影しながら歌詞を考えていったというカエラさん。幼い頃にかわいがっていたペットの死を経験したことから、本作で親友のスパーキーを失ったヴィクターにすぐに共感できたとも。

「小学生のときにハムスターを飼ったことがあるんですけど、最初メスとオスで2匹飼ったら、最終的に30匹くらいになっちゃって小さな檻が山積みになったんです(笑)。次々に生まれてくる命が、本当に愛おしくて可愛いくって、毎日家で一緒に遊んだりしていました。一番最初に飼った子たちが2年くらい生きて亡くなっちゃったときに、『このたくさんの子たちが亡くなるの…?』って子供ながらに思って。死んじゃったときの感覚って、忘れられないですよね。やっぱり離れたくないし、土の中に埋めたくないっていう状態になりました。ヴィクターみたいに甦らせるというよりは、“起きるんじゃないかな?”と信じてずっと手で温め直したりしてたけど、やっぱり無理なんですよね…。だから、『埋めなさい』って言われて渋々埋めてあげました」。

主人公にそっと寄り添いながら、音や歌詞を作り上げていったカエラさん。「私は奇妙なものや、色の毒々しさみたいなもの、ポップ過ぎないダークなものがもともと好きで。ティム・バートン監督の作品をずっと観て育ってきてるから、きっとそれが強く根づいてきていまがあると思うんです」と自身の創作活動について語るが、バートン監督の特徴でもある“色使い”を一切排除した今回の白黒3Dの世界はどうだったのだろうか。
「白黒で、色がないっていう感覚が観た後に全くなかったんですよ。それをね、観に行ってくれた人は感じ取ってくれるんじゃないかなって思うんですけど、すごく映画自体に色が見えて、白黒だからこそ想像力が沸くんです。その中で表情が目立ってきたり、体の動きや目の動きが目立ってきたりして。だから白黒ってある意味、挑戦的であるけれど、すごく広がりがあるんだなって思いました」。

12月19日(水)には「WONDER Volt」、「マミレル」、「Sun shower」を収録したニューアルバム「Sync」をリリースし、来年1月27日(日)から全国17都市19公演のホールツアーを行うカエラさん。今後、“表現者”木村カエラはどんな“色”を私たちに見せてくれるのだろうか。

映画『フランケンウィニー』は12月15日(土)より3D/2D全国公開。
《シネマカフェ編集部》

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