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【MOVIEブログ】ベルリン・ロッテルダム極小総括

17日の日曜日に無事に帰国しました。帰ってきてしまうと、長期の出張もあっという間だったという気がするのが不思議です。

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17日の日曜日に無事に帰国しました。帰ってきてしまうと、長期の出張もあっという間だったという気がするのが不思議です。

午前中に家に着いたので、とにかく夜までに寝てしまわないようにしないといけない。洗濯して、掃除機かけて、久しぶりに10キロランニングして、銭湯行って旅の垢を落としてから、アート映画の千本ノックが続いてハリウッド映画に飢えていたので、新宿に出て『ダイ・ハード/ラスト・デイ』

夜は、湯豆腐と日本酒の熱燗とで、至福のニッポン。ただ、途中から意識が完全にモウロウとしてきて、家に戻って即ダウンでした。

ところで、前回のブログで書いたベルリンのコンペの受賞予想、完璧に的中した! ロッテルダムは大外しをしたものの、ベルリンでは大当たり。僕に利害関係は全くないけれども、予想が当たると、やっぱりなんだか嬉しいものですね。

で、18日、月曜日。映画祭事務局に出勤して、今年の出張の総括をしようと思ってパソコンに向かってみたものの、んー、難しい。ロッテルダムもベルリンも、とにかく規模が大きい(上映作品が多い)ので、僕が見た作品は、本当に映画祭全体の氷山の一角にしか過ぎず、全体の総括は難しいです。

一般に映画祭のメインとなるのがコンペ部門であって、何かとコンペ作品の充実度がその年の映画祭の評価を左右しがちですけれど、僕はそれは一面的な見方にしか過ぎないと思っています。

もちろん、ロッテルダムのコンペはいずれも野心に溢れた意欲作揃いで充実していたし、ベルリンのコンペは少し弱い作品が目立ったものの、中堅どころの監督が良い仕事をしていたり、グランプリのルーマニア映画はさすがと思わせたり、やはり全体としては充実していました。というように、コンペの話をいくらでもすることは出来ます。

が、ロッテルダムは若手の作品を徹底的に集める一方で有名監督の新作も紹介し、そして「有名監督が撮ったテレビドラマ特集」やドイツのドミニク・グラフ監督特集、ロシアのキラ・ムラートワ監督特集、イラン映画特集などが組まれていて、ベルリンも「パノラマ」「フォーラム」「ジェネレーション」などの部門で200本近い新作を上映し、そして今年はクロード・ランズマン監督特集を組むなど、コンペティション部門は映画祭のほんの1部に過ぎません。

特にベルリンの新作を部門横断的に追っていくと、時代の潮流がカバーされている気がします。例えば、西欧世界とイスラムの衝突を物語の軸に持つ作品は依然として多いし、さらに今年は経済危機を背景に出てきたギリシャ映画が目立ちました。映画祭全体の傾向というものは、僕は普段からあまりないと思っているのですが、(震災以後の日本映画を観るまでもなく)各国のクリエイターが身近な政治経済状況に影響を受けることは自然のことなので、映画祭が一種の世界の縮図たりえることは言えると思います。

そういう意味で、ロッテルダムとベルリン、いずれも今年は大充実でありました、というつまらない総括になってしまいましたが、それが実感なのだからしょうがない!
《text:Yoshihiko Yatabe》

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