【MOVIEブログ】映画とバレエと本の週末

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3月だ!どうやら今年の3月はとてもバタバタしそうなので、ここは気合いを入れ直して臨む!

というわけで、3月1日の金曜日には、『テッド』を見て気合い入れ!なるほど、こういう作品でしたか。新宿バルト9の会場はびっしり満席。これはよく日本で当たったなあ!全編アメリカンな笑い満載だし、なかなか日本でヒットさせるのは難しいと思うのだけど、これは宣伝の勝利だ。素晴らしい。あ、あとは、シモネタはみんな好き、ってことかな。ヘヘヘ。

明けて、2日の土曜日。去年の東京国際映画祭でも上映した『空を拓く~建築家・郭茂林という男』のトークショーに招かれていたので、10時に渋谷のユーロスペースへ。作品を久しぶりに再見し、上映後には酒井充子監督とのトークショーで登壇。15分しか時間がなく、あっという間に終わってしまったけれども、お客さんから「短い時間に聞きたいことを全部聞けたので、素晴らしいインタビュアーでしたよ」と声をかけられて、ちょっとにんまり。

『空を拓く』は、本当に真っ当で、奇をてらわない、ストレートでスタンダードな品格を持つ作品であるなあ、と再見して改めて思いました。郭茂林(かくもりん)という台湾出身の建築家が、いかに生きて、日本国籍を選び、そして戦後の超高層ビル建築の第一人者として偉大な実績を残していったかを紹介していくドキュメンタリーで、彼の残したシンプルで力強い建物と、一般の人には知られざる人物の魅力をしっかりと伝える堅固さと安定感を持つ本作とが、まるでシンクロしているように僕には見えています。まだ公開は続いているので、未見の方は是非!

ユーロを離れて場所を上野に移し、東京文化会館で「モーリス・ベジャール・バレエ団」の公演へ。去年チケットを取っていたことを数日前に思い出して慌ててしまったのだけれど、何と席が前から3列目でびっくり。群舞を俯瞰で見るということこそ出来ないものの、汗が飛んでくるのではないかというくらい、表情や筋肉の動きまで見える距離でものすごい迫力でありました。「ディオニケス組曲」、「シンコペ」、そして何度も見ても素晴らしい「ボレロ」を堪能。

続いて新宿に向かい、バルト9で『フライト』。デンゼル・ワシントンは僕の最も好きな俳優のひとりなので、当然ダニエル・デイ・“リンカーン”・ルイスよりも、デンゼルがアカデミー賞にふさわしいと思ってしまうのだけれど、まあそれはしょうがないですね。「英雄か犯罪者か」という映画の問いかけもなかなか面白いけれど、僕としては、飛行機の「右翼」が「教会を破壊」するところに本作の隠れたテーマがあったりして、と深読みの愉悦に浸っていたりします。

明けて日曜日。予定が無い休日というのは正月以来なので、たまにはゆっくりすることにして、10キロのランニング以外は、読書デイ。むさぼるように読んでいるのは、「謎の独立国家ソマリランド」(高野秀行著/本の雑誌社)。

高野氏の本を僕は愛読しているのだけれど、今作は彼の渾身の1作で、代表作になりそうな素晴らしい内容。出版元の「本の雑誌」社のHPによる、本作の紹介文は以下の通り:

<未知を愛するノンフィクション作家・高野秀行が見つけた新たな未知は、「リアル北斗の拳」と呼ばれるソマリアのなかにある謎の独立国家「ソマリランド」だった。 そこは崩壊国家の一角で独自に内戦を終結し、複数政党制による民主化へ移行した平和な国だという。本当なのだろうか? 情報はほとんどなく、確かめるには自分の目で見てみるしかない。高野秀行の渾身の辺境旅が始まった。>

人が行かない場所に行き、人が探さないものを探し、自らの命の危険をも軽妙なユーモアでさらりと描写し、驚愕的な体験をとても身近な文体で伝えてくれる稀有な存在である高野氏が、今回はソマリランドに「潜入」し、一般的に「ソマリア」として知られている地域の実態を分かりやすく(という作業がいかに困難であるかが伺えるだけに高野氏の文章力に舌を巻く)報告してくれる本書は、血沸き肉躍るエンターテイメントであり、同時に未知の世界を教えてくれる教養の書でもあります。

ページをめくる手が止まらない。でも、ああ、もったいなくて読み終わりたくない!
《text:Yoshihiko Yatabe》

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