『オズ』ジェームズ・フランコ インタビュー 「人に教えることがいまの喜び」

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『オズ はじまりの戦い』ジェームズ・フランコ / photo:Utamaru
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下がり気味の目尻とキュッと上がった口角がセクシー。にっこりするだけで全てを万事解決してしまう威力が、ジェームズ・フランコの微笑みにはある。そんな彼がファンタジー大作『オズ はじまりの戦い』で演じた若きマジシャン、オスカーも魅惑的な微笑みの持ち主だ。マジックの腕は三流だが、ちゃっかりした性格とチャーミングな外見で女性たちを魅了し、ピンチをするするとすり抜けながら生きてきたオスカー。ひょんなことから“魔法の国”に迷い込んだ彼は、一世一代の“戦い”に身を投じることになる。

「これは身勝手な男が偉大な人物へと成長していく物語なんだ。僕自身にも共通するところはあるかもしれないね」と率直に認めながらも、やはりスマイル一つで「彼に限ってそんなことはないのでは?」と思わせてしまうジェームズに、本作について、俳優業について、さらには多忙な毎日について語ってもらった。

ジェームズが演じた主人公・オズは、後に不朽の名作「オズの魔法使い」に登場するキャラクター。魔法の国・オズに君臨することになる彼が、“偉大なオズの魔法使いになるまで”が描かれる。
「この映画に登場するオスカーは、『オズの魔法使い』で語られるオズのキャラクターとは全くの別物と言えるだろうね。オスカーは幻想的なオズの国で冒険を繰り広げ、身勝手な男から偉大な人物へと成長していく。脚本にはかなり間抜けで笑えるキャラクターとして描かれていたから、コミカルに演じることにしたんだ。僕なりの解釈で、ユーモアたっぷりに演じたつもりだよ」。

ユーモラスなお調子者のオズには、若さゆえの野心と無謀な側面も。ジェームズ・フランコ自身は現在34歳。トップを走るハリウッドスターの中では若手の部類に入るが、「僕も若い頃は…」と語り出す。
「若い頃は俳優としてもいまより野心的だったし、もしかしたらオスカーのようにサクセスに対して貪欲すぎる自分がいたかもしれない。いまはむしろ自分自身が成功を掴むというよりも人に教えることだったり、人が企画を形にできるようチャンスを与えたり、サポートすることに喜びを感じているね。それは若い頃の自分にはできなかった考え方。オスカーもそれによく似た変化を遂げると思う。最初は自分勝手な生き方をしているけれど、だんだんと自分より他人を大切にするようになるんだ」。

「人に教えることが喜び」と言うジェームズは、現在、ニューヨーク大学の映画学科講師として教鞭をとっている最中。ほかにも映画監督、小説家として活躍しているが、あふれるエネルギーの源は何なのだろうか?
「結局は、好きなことをやっているということだよね。幸運なことに、僕は仕事をすることに情熱を感じている。それって情熱を注ぐことができるものを仕事にすることができたとも言えるよね。大好きなことをやっているのだから、エネルギーが足りなくなってちょっと休憩を…なんて必要はないんだ」。

その中で最も自分自身を表現できるのは「たぶん…ものを書くとき」なんだとか。
「フィクションであれ、ノンフィクションであれ、執筆というものは自分のアイディアをゼロから形にしていく作業。例えば絵画なら求められるテーマに応じなくてはならなかったりもするし、俳優の場合は役をオファーされるのであって、あらかじめ立ち上げられている企画に参加することが多い。監督する場合も脚本や原作が存在するしね。そういう意味では、真の白紙状態からスタートする執筆過程が、自分自身を最も出せる時間だと言えるんじゃないかな」。

自分自身を表現する場を持っているからこそ、自分以外のキャラクターになりきることにも迷いや恐れがないのかもしれない。片腕を失った登山家アーロン・ラルストンを演じた『127時間』ではアカデミー賞主演男優賞にノミネート。同性愛者の政治家ハーヴェイ・ミルクの恋人に扮し、インディペンデント・スピリット賞にて助演男優賞に輝いた『ミルク』も印象深い。俳優業以外にも多忙だからこそ、出演作選びには慎重になるのではないか。こう尋ねると、「いや、出演料次第かな(笑)」と茶化す。

「…なんて冗談だけどね。作品に惹かれる理由はそれぞれだけど、『オズ はじまりの戦い』の場合は何と言ってもサム・ライミ監督の存在が大きかった。『スパイダーマン』に起用してもらった頃から僕はサムのことが大好きだし、尊敬している。彼との仕事はいつだって最高に楽しいんだ。彼はいい人だというだけじゃなく、役者のアイディアを積極的に取り入れてくれる。演じる側としてもやり甲斐があるんだよね。それに、ライマン・フランク・ボームの原作本シリーズは子どもの頃から大好きで、読み尽していたほどだったんだ」。

発刊から100年以上経った今も愛され続ける「オズの魔法使い」シリーズは、子ども時代のジェームズが学校以外の場所で初めて自ら手に取った本だとか。
「そうだよ。それ以来、読書が好きになったね。あとはスケボーで遊ぶことも多かったかな。子どもの頃は、親にスポーツをたくさんやらされたんだ。でも、いまになって思い返してみると、スポーツはあまり好きじゃなかった気がする…。それよりも、演技のレッスンに通わせてくれていればよかったのになと思うよ」。

屈指の演技派と謳われながら、「演技のレッスンに通わせてくれていれば」とは学業に熱心なジェームズらしい発言だ。かつて俳優の道に進んで退学を選んだUCLAに復学して卒業後、コロンビア大学やニューヨーク大学の芸術学部で修士号を取得。「イェール大学の博士課程がもうすぐ終わるところなんだ。今後も学び続けていきたいと思っているよ」とその意欲は尽きることがないようだ。もちろん、出演作も続々と控えているわけで、ジェームズ・フランコの多忙な日々はまだまだ続くのだが、「俳優になって、いい人生を歩めていると思う」と笑顔を覗かせる。

「俳優になってよかったのは、ヒーローと呼べる人たちと仕事ができていること。それに、自分自身で誇らしく思える企画に参加できていること。それって、すごくいい人生だよね」。

『オズ はじまりの戦い』の原題は“OZ THE GREAT AND POWERFUL”。原題にちなみ、あなたにとってグレイト&パワフルな人は? と最後に訊いてみた。
「バラク・オバマかな。いまふと思いついただけなんだけど、彼はグレイトでパワフルだよね」。
《photo:Utamaru/text:Hikaru Watanabe》

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