【シネマVOYAGE】ほんの“ちょっと”の出会いを求めて、ローマへふらり旅

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『ブルーノのしあわせガイド』-(C) 2011 I.B.C. Movie
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あの景色が見てみたい! あの料理を食べてみたい! あの店で買い物をしたい! 久々に友人に会いたい! など旅に出る理由はさまざまですが、ときには、具体的に目的のない旅もいいなぁと思います。

例えば、イタリアのローマが舞台の映画『ブルーノのしあわせガイド』。主人公はゴーストライターと家庭教師の仕事をしながらマイペースに暮らす独身中年男のブルーノ。彼の暮らしはなんとも穏やかでのんびり。本業である小説の執筆はなかなか進まず真っ白だけど、ローマの街でお気楽に暮らす彼の姿を見ていると、「ああ、ローマに行って、毎日オープンテラスでカプチーノを飲んで、景色を眺めて、読書をして、ただ過ごすというのもありだなぁ」って思うんです。コロッセオやトレビの泉といった超有名な観光名所は映っていなくとも、石畳の路地、歴史を感じる街並、川べり、公園、バール…そこで生活をしてみたくなるお洒落で心地よさそうな日常が広がっているんです。

そんなふうに「いいなぁ」と思わせてくれるのは、ブルーノを演じるファブリッツィオ・ベンティヴォリオが、いい味を出しているからなのかもしれません。それもそのはず、彼は『永遠と一日』、『リメンバー・ミー』といった名作に出演している名優。今回は、ちょっぴりいい加減なところもあるけれど何故か許してしまう愛嬌と色気を合わせ持ったブルーノを何ともキュートに演じています。

大きな事件は起きないけれど、ブルーノのもとにある日、家庭教師をしている高校生・ルカの母親が訪ねてきたことで彼の人生はちょっぴり変化します。それは「ルカはあなたの子。だから、私が仕事で半年間ローマを離れる間、息子を預かって!」という告白。ブルーノにしてみたら事件は事件ですが、「まあ、仕方ないか…」と状況をあっさり受け入れてしまうのがブルーノらしさ。

ブルーノとルカのちょっと奇妙な共同生活が始まり、ちょっとずつ変化が訪れます。そのブルーノとルカの互いの変化=成長も「いいなぁ」と思うんです。ルカと暮らすことで父親であることを実感し、あれこれルカの世話をやくようになるブルーノ。最初は反発しつつも元教師のブルーノに学ぶ楽しさを教えてもらい、やんちゃばかりしていたルカが自分と向き合い、自分の人生を考えるようになる。それは、ほんの“ちょっと”の変化であるけれど、そのほんの“ちょっと”の出来事が、人を変えていくんですよね。

そして、思いました。旅先にもほんの“ちょっと”の出会いが溢れているんじゃないかって。いつ出会うのか、誰と出会うのか、どこで出会うのかは自分次第、旅次第。だから、たまにはほんの“ちょっと”の出会いを求めて、ふらりと旅に出てみるのもいいんじゃないかって。もちろん、『ブルーノのしあわせガイド』を観たら、ローマに行きたくなります!
《text:Rie Shintani》

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