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【MOVIEブログ】Moosic Lab (上)

4月中旬、夜の上映活動が極めて活発で、予定を立てるのが大変なことになっています。「観ずに死ねるか!傑作ドキュメンタリー88」の出版記念特集上映会がポレポレ東中野で連日開催中、テアトル新宿ではPFFのイベントで「群青いろ」作品が連日上映されている…。

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4月中旬、夜の上映活動が極めて活発で、予定を立てるのが大変なことになっています。「観ずに死ねるか!傑作ドキュメンタリー88」の出版記念特集上映会がポレポレ東中野で連日開催中、テアトル新宿ではPFFのイベントで「群青いろ」作品が連日上映されている…。

そして、今年もMoosic Labの季節がやってきた! 「音楽とコラボレーションする」というお約束のもと、注目の若手監督たちが作品を寄せる上映イベントである「Moosic Lab」は、いまや僕が1年で最も楽しみしている上映企画のひとつです。4月6日(土)~26日(金)の会期で絶賛開催中です。

とにかく、現在の日本のインディペンデント映画シーンはかなり刺激的なことになっていて、面白い才能がひしめいています。トップランナーである入江悠(1979年生)や松江哲明(1977年生)を追いかけるように、80年代生まれの世代が台頭し始め、中には早熟な才能を発揮する90年代生まれの才能も出現しているのが現在です。

現在のシーンの面白さは一過性のものではないという印象を抱いていますが、その理由としては、仕掛け人として若い敏腕プロデューサーが存在していることと、スターが誕生する気配があること、の2つがあげられます。

Moosic Labは、配給業務とプロデューサー業を手掛ける直井卓俊さんが、イチから立ち上げたもので、直井氏が面白そうと思った監督に声をかけ、15本の短編中編を数ヵ月で作らせ(その全てのプロデュースを直井氏が手がけ)、それらをまとめて「Moosic Lab」というイベントで世に送り出すという形で毎年(今年で3回目)行われているわけですが、とにかく直井さんの監督を選ぶ目とセンスが素晴らしい。

既に短編をいくつか撮っている監督に限らず、舞台で注目した演出家に映画を撮ってみないかとMoosic Labにスカウトしたりもするし、コラボするミュージシャンも、それぞれの作風に合いそうな人を直井さんが監督に推薦することも多い(らしい)。映画村に留まらず、音楽系や演劇系まで幅広く自由に越境していく直井プロデューサーの存在が、現在のインディーシーンの活性化の最大の要因のひとつであることは間違いないでしょう。

おそらく、現在映像系の勉強をしている学生たちの中で「Moosic Lab」の存在は極めて大きくなっているはずで、PFFやゆうばりなどと並んで、若手の登竜門的な存在になりつつある気がします。直井さんのことを「日本インディーのロジャー・コーマン」と呼ぶむきもあるようで、なるほど「直井実験室」から巣立つ才能がこれから日本の映画界を席巻するであろうことを考えると、ロジャー・コーマンを例えに出すのは大げさではないかもしれません。

とまあ、なんだか褒め殺しにみたいになってしまいましたが、映画の未来のために有力プロデューサーの育成が叫ばれて久しい中、メジャーで東宝の川村元気氏(79年生)、インディーで直井卓俊氏(76年生)の両氏が大活躍している状況に、日本の映画の未来を見る思いです。

プロデューサーの紹介だけで終わらせるつもりはなかったけれど、でも直井さんの動きは本当に超人的なので(ゆうばり映画祭で相部屋になった時も、文字通り寝る寸前まで、そして目が覚めた瞬間から仕事していた)ちゃんと紹介しなければと思った次第。

締め切りのある短中編を15本同時にプロデュースしつつ、配給業務をし、長編も手掛け、そして雑誌も発刊し、どうやったらそんなことが出来るのか僕には想像もつかないのだけれど、彼を見ていれば日本映画の一番熱いところが分かる、という意味で僕の中でのパワーランキング暫定No1な存在が直井さんです。

ということで、「Moosic Lab」、気に入った作品の紹介は次回へ!
《text:Yoshihiko Yatabe》

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