最後にちょっと…。本作の原題は『Une Estonienne a Paris(パリのエストニア人)』。邦題の『クロワッサンで朝食を』はちょっとオシャレ過ぎるかんじ。いかにも日本人が好きそうなタイトルだ。もっとも「エストニア」じゃ人は呼べないのかもしれない。確かに日本人はエストニアが何処なのかもよく分からない(だろうと思う)し、そもそもバルト三国をちゃんと言えない(だろうと思う)。あ、エストニアと言えばバルトがいるじゃないか。あ、バルトも相撲ファンじゃないと知らないか…。ともあれ、せめて件の「クロワッサン」は副題とかにして、シンプル且つ孤独感漂う原題のニュアンスを優先して欲しかったという個人的な言い分はあるにせよ、もちろん「クロワッサン」も「朝食」も、この映画の大切な骨子なんだけどね。そのワケは、どうぞ映画をご覧になってください。オトナの、いい映画でした。
《text:Masako》