【雅子BLOG】明日から公開! 『スタンリーのお弁当箱』!

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『スタンリーのお弁当箱』 -(C) 2012 FOX STAR STUDIOS INDIA PRIVATE LIMITED. ALL RIGHTS RESERVED
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映画大国インド。3時間もの長い尺、スターの勧善懲悪アクション、歌って踊って賑やかなボリウッド映画はじめ、日本でもじわじわと人気を集め、何かと話題のインド映画です。

そんな派手派手インド映画の常識を覆すような本当にステキな映画が日本にやってきました。『スタンリーのお弁当箱』、明日の29日(土)から公開。是非、多くの人に観てもらいたい作品です。そして、先日来日中のアモール・グプテ監督とスタンリーを演じたパルソーくん(監督の息子)にインタビューをしました。合わせてどうぞ。

ホーリー・ファミリー校に通うスタンリーはいつも友達たちを笑わせる人気者。けれども昼食の時間になると空腹を紛らわすために教室を出るスタンリー。見兼ねた友人たちは自分たちのお弁当を少しずつ分けてあげようと提案するも、食い意地の張った国語のヴァルマー先生は「弁当を持って来れない生徒は学校に来る資格がない」と叱り、スタンリーは学校に来なくなってしまった…。

児童映画や劇場の仕事に携わっていたグプテ監督。短い日本滞在を心から楽しんでいる様子でした。食い意地の張ったヴァルマー先生(監督が演じている)さながら食いしん坊のグプテ監督は日本食もお気に入りだったようです。自らシネフィルと言い、日本の映画(小津安二郎、北野武作品等)も大好きだとか。一方、パルソーくんは撮影時は9歳、現在は11歳。ハッキリと自分の意見を言い、いたずらっぽい笑顔は映画の中のスタンリーそのものです。本作は、インドの貧困や児童労働問題などダークな側面を持ちつつ、インドカレーの魅力、そして子供たちの自然な笑顔が印象的でした。さぁ、ここからはインタビューです。

雅子(以下M):前作では脚本を担当、本作が事実上の長編デビュー作となりますが、この映画の経緯を教えてください。

グプテ監督(以下G):『Taare Zameen Par(地上の星たち)』('07)後、クレジットに関する諸問題が生じ、制約がかかってしまった。その間、ならば、もう1作作らないといけないと思ったんだ。だから映画を撮っていると分からないようにワークショップという手法で撮り始めた。映画が完成したら誰も止められないからね。その後、インド国内で高い評価をいただき、そこから映画に火が付いた。結果的に作戦成功というわけ。

M:子供が主人公の映画を撮るはなぜ?

G:なぜなら、僕の世界は子供を中心に回っているから。子供権利のために戦ってきた背景がある。たとえば、「シアター・シネマ・ワークショップ」として、肉体的、精神的、金銭的障害を持った子供たちを集めてワークショップをやっている。インドでは障害を持った子供たちを見せない(隠している)ようにしているので、それは存在をないものにしてしまっているという悲しい現実だ。彼らは何か意味を持って生まれていると思うんだ。子供たちに触れて幸せになれるということ、人生を楽しむことを教えてあげたいと思っている。また、本作は児童労働問題に特化していると言える。児童労働として映画を撮ってはいけない。学校を休ませたりして、子供の世界を奪ってはいけないんだ。学校のない土曜日に来たい子がシアター・シネマ・クラブのようなかんじで集まってワークショップをやったけれど、子供たちは基本的に楽しかったと思うよ。

M:(パルソーくんに)ワークショップはどうだった?

パルソー(以下P):僕の身近にはワークショップがあって、面白そうだから参加したんだよ。とても楽しかったよ。

M:そのワークショップという撮影方法を教えてください。

G:台本はなく、シチュエーションを話すだけ。教師役のプロの俳優たちは台本はないの? と戸惑っていたよ。先生役には脚本ではなく教科書を渡した。今日の授業はこういうテーマをやるからと。教師としての準備をしてもらうことにした。毎週土曜日に新しく演じる先生役が次々学校に来るという具合に撮影は進行し、リハーサルも照明もナシ、カメラは先生を追いかける形で撮る。結婚式のビデオを撮っているようなものだね。状況を説明し、その瞬間をとらえるから興味深いんだ。生徒役の子供たちはスタンリー以外はホーリー・ファミリー学校に通う子供たち。ワークショップは10年やっているし、僕はこの手法じゃないと退屈してしまう。今後もこうやって映画を撮って行くつもりだよ。

M:イランのアッバス・キアロスタミ『友だちのうちはどこ?』('87)のような半ドキュメンタリー、半フィクションのような撮り方で、自然な子供たちの姿が印象的でした。

G:キアロスタミは大好きな監督だし、作品も素晴らしい。けれども僕のやり方は完全なフィクションでドキュメンタリーではない。仕掛けをして、演じてもらっているからね。

M:もうひとつの主役である「お弁当箱」について。

G:お弁当箱には楽しさ、嬉しさ、喜び、悲しみなど、いわば人生が詰まっている。子供の歴史が詰まっていると思う。このことを映画にしたかった。それにインド人の食べものにかける情熱というのはスゴイんだ。常に食べものの話をしていると言ってもいい。僕は料理をするのも好きだし、食べることは大好きだからね。

M:スタンリーの話す作り話(ウソ)は微笑ましく、でもインドの影の部分も見たような気がします。

G:本作はある意味おとぎ話で、モンスターをみんなでやっつけるという。そうだね、子供たちは作り話をしながら大人に、たくましくなって行く。そんな成長を見るのが楽しいんだ。

(と、パルソーくんが)
P:ウソは1度付いたら、付き続けなくていけない。時には幸せにしたり、自分を守ったり、誰かを勇気づけることもある。けれども本当に中毒にならないようにしないといけないんだ。それと、貧困があるところには悲しみがあるから。インドはすべては腐敗しているんだ。
《text:Masako》

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