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『江ノ島プリズム』野村周平インタビュー 福士蒼汰&本田翼と駆け抜けた青春

初めて野村周平を見たのは映画『探偵はBARにいる』の撮影現場だった。怪しい右翼道場を訪れた大泉洋&松田龍平のコンビが命からがら脱出する際、彼らの乗るスノーモービルの前に現れ、一緒に連れて行ってくれと懇願する少年。

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野村周平『江ノ島プリズム』/Photo:Naoki Kurozu
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  • 『江ノ島プリズム』 -(C) 2013「江ノ島プリズム」製作委員会
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初めて野村周平を見たのは映画『探偵はBARにいる』の撮影現場だった。怪しい右翼道場を訪れた大泉洋&松田龍平のコンビが命からがら脱出する際、彼らの乗るスノーモービルの前に現れ、一緒に連れて行ってくれと懇願する少年。日暮れ(=撮影のタイムリミット)が迫る中、一面真っ白の雪原のど真ん中でTシャツ1枚で雪の中に何度も何度も身を投げ出す姿が印象的だった。

「もちろん忘れません。ムチャクチャ寒かったですね。横を見たら付き添いのマネージャーは完全防寒仕様で…(笑)」。当時と比べるとすっかり青年の顔になったが、ふと笑った瞬間にあどけなさが覗く。この2年ほどの間で「梅ちゃん先生」、「35歳の高校生」など数々のドラマへのレギュラー出演のほか、映画に舞台にと確実に活動の幅を広げてきた。先日公開され、ヒットを飛ばしている映画『江ノ島プリズム』では、「かなり憧れます!」という甘酸っぱい幼なじみの青春物語の中に身を置いている。

主人公の修太役に福士蒼汰、ヒロイン・ミチル役に本田翼という旬のキャストを迎えた本作で、野村さんが演じたのは、彼らの幼なじみだが心臓を患い死んでしまった朔(さく)。その三回忌に朔の部屋を訪れた修太はタイムトラベルを可能にするという時計を発見する。修太はその時計を使って3年前に飛び、彼らと会ってその死を回避しようとするのだが…。

多くのタイムスリップを扱った作品で描かれてきたことだが、過去を変えてしまうことで未来に何が起こるのか? そこに幼なじみの3人の恋が絡み合っていくが、野村さんは「脚本を読んだら面白くて引き込まれました。切なくもなりつつ、ジンと心が温まる物語ですよね。朔は病弱だけど、クールでちょっと小生意気なヤツで(笑)、意外と自分と似てるのかなって思いました」と語る。

修太、ミチルとは幼い頃から高校までいつも一緒という筋金入りの幼なじみという間柄。「3人の関係性、空気感を大切にした」と語るが、普段から初対面の人間との距離を縮めるのは決して得意ではないという。年齢的にも高校生の役を演じることが多く、先の「35歳の高校生」でもおちゃらけた、クラスのムードメーカー的な少年を演じたが「普段はなかなか自分から近づいていけないんですよ。だから、みんなでワイワイというのが嫌いというわけではないんですが、一人でいることも多いですね。今回、福士くんは初共演だったけど同い年で男同士だから、仲良くなるのはそんなに難しくなかったんです。本田さんとも『頑張ってお互いに話しかけて仲良しの雰囲気出そうね!』って2人で話し合いました(笑)」。

ドラマや映画で見せる明るいキャラクターからは意外とも言える素顔だが、そんな自分について「分かりづらいヤツだなって思います」と“自覚症状”は持っている。決して10代特有の、自分を“ちょっと難しいヤツ”に見せようといった感じでもない。現に目の前の彼は文字通り“天真爛漫”といった感じで、プライベートのことや自らの失敗談もあけすけに語ってくれる。

「本当に日によってガラッと変わるんですよ。テンション高いときはよく話すし、多分、ドラマの共演者も『何かこいつ、今日はよく喋るな』とか思われてそう(笑)。でもそうじゃない日は一人でボーっとしてて、家でもジーッと窓の外を見ていたり…。役となると何の疑いもなくスッと入れるんですが、そうじゃないときは自分でもどういうテンションでいればいいのかって感じで…」。

恋愛の話題となると「積極的な方です! 好きな子がいればガンガン行きます」と即答するも、もしも親友と同じ女の子を好きになってしまったら? と尋ねると「そこはすぐに身を引きますね。気まずくなるのイヤですもん」とこれまた即答。さらに映画の中のような“幼なじみ”や“青春”に話が及ぶと俄然ヒートアップ!

「あのシチューエーションは憧れますよ。誰もが憧れますよ。幼なじみで恋してってこんな映画みたいな話どこにあるんだよ! って(笑)。日本でもひと握りでしょ。しかも、こんなカワイイ女の子とってひと握りの中のさらにひと握りでしょ。“あの”シーンは、演じながらホントに切なくて胸が痛くなりましたもん。本田さんに恋してるわけじゃないし、むしろその頃もまだなかなか話ができなくてっていう感じだったけど(笑)、幼なじみに恋するってこういう感じかぁって」。

関西で育ち、仕事のために高校で上京。決して青春を棒に振ったわけではない。というか、いまもまだ十分に青春時代のはずだが…。
「向こう(=関西)にいた頃は彼女がいたこともあったし、学校帰りに友達と公園のベンチに座って語り合ったり。そういうことはちゃんとしてましたね。あの頃が懐かしいです。19歳で『あの頃が…』って言うのもなんですが(苦笑)。でも東京に来て高校に通い始めてからは、仕事もしていたし何もなかったんです…。いまでも渋谷を制服でデートしてる高校生カップル見ると『いいなぁ』って羨ましくなりますよ。そういうの憧れでした。制服でディズニーランドのアフター6に行きたかったですね。せめて男同士でもいいから! もしも高校時代にタイムスリップできるなら、それやります」。

幼なじみとの恋にも巡り会えず、青春を満喫できなかったから、というわけではないだろうが、恋愛では「僕を受け止めてくれる大人の女性がいい」と“年上の女性”が理想だとこれまた即答する。
「いや、僕はホントにコドモなんで…(笑)、『しょうがないな』と受け止めてくれるような女性がいいですね。(このインタビュー企画は)“年下のカレ”? ぜひよろしくお願いします(笑)!」。

そもそも高校時代に恋愛するヒマがなかったのは、すでに芸能界で仕事をしていたから。そして昨年、高校を卒業したことで俳優一本で歩み始めたことで、少しずつ「覚悟が固まってきた」とキリリと顔を引き締める。

「やっぱりデビュー当初と比べると意識が変わりましたね。『しっかりしなきゃ』って自分に対して言い聞かせることが多いです。『大学には進学しない』ということを自分で決めたってのはすごく大きかったなと思います。これまでは仕事がない日でも、『じゃあ授業に行ける』って感じだったけど、いまは仕事がない日は休みですから。1か月休んだら病んじゃいます(笑)。いまは、もっともっと仕事がしたいっていう気持ちが強いです。やりたい役があるというよりも、与えられた仕事をしっかりとやるというのが目標…いや目標というよりも当たり前のことですね」。

そして、この秋には節目の二十歳を迎える…と振ると途端にさっきまでの“大人”の精悍な顔つきはどこへやら、「それはもうちょっと待ってほしいなって思います。いろいろ責任が問われる立場になるのは…(苦笑)」と急に弱気な笑みを浮かべトーンダウン。

やはり、前向きなのか後ろ向きなのか…「分かりづらいでしょ?」と今度はイタズラっぽい笑み。このコントロール不能の変幻ぶりをカメラの前で存分に発揮し、さらなる飛躍を見せてほしい。
《photo / text:Naoki Kurozu》

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