自然と共生する十和田奥入瀬芸術祭開催中 今週末には奈良美智音楽祭

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奈良美智、ポール・モリソン壁画が施された十和田市現代美術館
  • 奈良美智、ポール・モリソン壁画が施された十和田市現代美術館
  • 奥入瀬渓流
  • 志村信裕による「Pierce」
  • 志村信裕による「Pierce」
  • 星野リゾート奥入瀬渓流ホテルの岡本太郎「森の神話」
  • 遊覧船から見た十和田湖の風景
全国あちこちで芸術祭やライブフェスが乱立する近年、自然環境のなかでわざわざ開催する意義がいまひとつ腑に落ちないイベントも多い。そんな中、太古の昔から既にそこにあった自然と、そこに悠々と流れる「時」こそが主役、という全うな成り立ちでつくられた芸術祭が「十和田奥入瀬芸術祭」だ。

十和田湖から流れる奥入瀬渓流は、深いブナの原生林と起伏に富んだせせらぎを抱き、そこに複雑な生態系が手つかずで息づく原始の森。そして雄大な十和田湖もまた、透明度の深い碧の水と数々の伝説で人々を魅了してきた。1年の内最もあでやかな美しさを誇る紅葉の季節を、この森と湖で過ごすことが、何よりも滋味深い体験なのだ。

展示作品はすべて十和田奥入瀬の自然や歴史にインスパイアされてつくられた。
太古の物語をささやく大銀杏の木漏れ日を待ち針のスクリーンに映し出す、志村信裕の映像インスタレーション。十和田湖を遊覧する小さな旅を音で綴る、mamoruのサウンドワーク。温泉の水の釉薬を施した焼きものが時おりささやく微かな貫入の音に耳を澄ます、宮永愛子の作品。旧水産保養所の朽ちかけた廃墟には、梅田哲也+コンタクトゴンゾ+志賀理江子という、ツワモノ達が思う存分暴れ回った「夢の跡」が残されている。

更に珍しい試みとして、よくある公式カタログの代わりに、単行本サイズの「ものがたり集」が編纂された。詩人・管啓次郎が全編を監修し、小林エリカ、石田千、小野正嗣、高山明、宮永愛子が十和田奥入瀬を歩いて書き下ろした小説やエッセイ、写真家・畠山直哉が撮影した写真が収められている。旅の余韻を少しずつ味わう珠玉の「栞」は、訪れた人をきっとこの土地に引き戻すはずだ。

今週末10月12日から14日には、青森出身の美術作家・奈良美智のディレクションによる「青い森の小さな音楽会」が開催される。おおはた雄一、タテタカコ、照井利幸(元BLANKEY JET CITY)等の他、今や日本一有名なバンマス・大友良英が登場。会場は岡本太郎作の大きな暖炉でも知られる、星野リゾート奥入瀬渓流ホテルなど。いきものたちに育まれた森の奥でひっそりと行われる、「人間のスケール」の音楽フェスになるだろう。


【イベント情報】
十和田奥入瀬芸術祭
第1会場:十和田市現代美術館他
第2開場:水産保養所(旧湯治の宿おいらせ)、星野リゾート奥入瀬渓流ホテル、奥入瀬渓流館、十和田湖遊覧船他
会期:11月24日まで
観覧料:セット券2,000円(予定)、会場別のチケットも販売予定、高校生以下無料

自然と共生する十和田奥入瀬芸術祭開催中。今週末には奈良美智音楽祭

《住吉智恵》

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