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【MOVIE BLOG】東京国際映画祭 Day3

19日、土曜日。4時就寝で8時半起床。眠いは眠いけど、体調に全く不安が無いのがありがたい。週末突入で、お客さんの動きはどうだろう? と考えながら事務局へ…

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19日、土曜日。4時就寝で8時半起床。眠いは眠いけど、体調に全く不安が無いのがありがたい。週末突入で、お客さんの動きはどうだろう? と考えながら事務局へ。

9時半から今日の動きの再確認。細かく時間を確認しないととんでもないことになるので、入念にスケジュールを確認して、まずは11時から「日本映画スプラッシュ」部門の『友だちと歩こう』の上映前舞台挨拶の司会へ。緒方明監督以下、上田耕一さんと高橋長英さん(おふたりとも僕から上の世代にとってはヒーローだ!)、斉藤陽一郎さん(の本作での存在感は素晴らしい)、松尾諭さん(高橋さんとの丁々発止は必見)、水澤紳悟さん(僕も御多分に漏れずサイタマノラッパー以来のファンなので、ご挨拶できて嬉しい)、山田キヌヲさん(自重できず、ファンですと白状してしまった)、林摩耶さん(カフェの店員の絶品の「間」がいい)、総勢8名の賑やかな舞台挨拶!

続いて、1件ミーティング。

12時15分から、『ドリンキング・バディーズ』の(大きい)スクリーン7での上映後Q&A司会。お客さんいっぱいで素晴らしい! そして、僕が昨日聞きたかった質問を最初のお客さんがしてくれたのも嬉しい。それは、あのあまりにも秀逸なラストシーン(の秘密)について。これからまた日本上映があることを願うので、そのラストは書かないけど、まあともかくジョー・スワンバーグという人は大したセンスの持ち主だ。次はさらに大きな予算で撮るらしいので、絶対に目を離さないで追いかけよう(という気分は本日のお客さん全員が共有したのではないかな?)。

13時に終わって、事務局に戻ってお弁当を呑みこんで、13時30分からコンペティションの『ほとりの朔子』の上映前舞台挨拶。早くもオーラを発する二階堂ふみさんの魅力に会場が包まれつつ、深田晃司監督の実直さ、鶴田真由さんの落ち着き、大賀さんのフレッシュさ、小篠恵奈さんの舞台映えする美しさ(小篠さんは小林啓一監督の『ももいろそらを』の3人の女子高生の1人を演じた方で、彼女ももはや東京国際映画祭常連!)、そしていまや前人未踏の道をゆかんとする杉野希妃さんの魔力(といったらご本人は怒るかな?)が揃い、そこに絶妙な存在感で笑いをもたらす古舘寛治さんが抜群。ワールドプレミアの緊張感と祝祭感が混じり合い、素敵な空間になった!

14時過ぎに事務局に戻り、確認用のDVDを小一時間ほど見る。そして、本日はここからがとんでもない展開なので、めちゃくちゃ気合い入れて、劇場へ。

まず16時15分から、『ほとりの朔子』の上映後Q&Aの司会。深田監督が本作に込めた思いや、劇中で語られる「日本人の国際感覚」などといった真面目な内容から、宴会のシーンの即興を巡る演出の話など。また、二階堂ふみさんは主役でもあり、一歩下がった狂言回し的存在でもあるが、その狙いは? という質問が若い人から出て、ちゃんといいところを指摘してくれるなあと嬉しくなる。またまた時間が足りなくなってしまったけれど、充実のワールドプレミア!

ご挨拶もそこそこに移動し、森タワーの49階にあるタワーホールへ。18時から、アメリカ大使館と東京国際映画祭との共催企画で「日米フィルムアカデミー」というシンポジウムがあり、僕はそのモデレーターを拝命し、今年のちょっとした緊張物件なのだ。ゲストスピーカーがコンペティションの審査員として来日されているクリス・ワイツ監督と、アメリカでも鮮やかな成果を上げている清水崇監督。清水監督は「アジアの未来」に出品されている『リゴル・モルティス/死後硬直』のプロデューサーでもいらっしゃるので、とてもタイムリーな組み合わせの実現が嬉しい。

同世代のおふたりが映画監督になるまでの歩みを語ってもらい、そしてキャリアを振り返りながら「アメリカン・フィルム・メイキング」とは何かを探り、ひいてはアメリカという国に興味を持ってもらうというのが究極の目標。とはいえ、そんな大上段に構えることもないので、基本的には日米での映画作りの苦楽について語ろう、というセミ・カジュアルなトーク。

が、僕はなかなか苦戦した! まずは、同時通訳のトークの進行に慣れるのに時間がかかったことと、ふたりに均等に話題を振り分ける難しさ、そして合間にツイッターで寄せられた質問をiPadで拾ってトークに挿入すべし、というチャレンジが重なり、どこに集中力を持って行くかが難しかった! 結果、予定の時間をオーバーしてしまったのだけど、出来はどうだったのだろうか? ふたりの監督がせっかく素敵な発言をなさっているのに、うまく発展させられなかったのではないかとの後悔も少し残る…。でも滅多に出来る経験ではないので、貴重な勉強になった!

みっちりトークに1時間集中したあと、おふたりへの挨拶もそこそこに、ダッシュで劇場に戻る。19時35分から、コンペティションの中国映画、『オルドス警察日記』のワールドプレミアQ&A! が、スクリーン7に到着してみると、監督たちの姿がない…。ん? 迷ってしまったかな?

会場は感動の満席。ほとんどのお客さんがQ&Aに残っている。僕が舞台脇で「ゲストのみなさま、もう少しで到着のようです…」と困った声でアナウンスすると、客席がクスクスと笑ってくれたので、本当に救われた…。みなさんの暖かさに本当に支えられている…!

ほどなく、無事にニン・イン監督はじめゲストのみなさんが到着。実話の映画化のいきさつや、主演のワン・ジンチュンさんのキャスティングの経緯などを語ってもらい、やはりとても興味深い。すると、客席から「劇中の事件の被害者が女性であったり、主人公の刑事の妻も夫の不在に耐えたりするなど、主に女性が一種の犠牲者として描かれていますが、それは意図されたことでしょうか」との質問。ニン・イン監督は、映画が描いた実在の亡き警察官の妻に取材をしようとしたときのことを思い出したのと、本作の映画化の苦労、そしておそらくは自らの映画人として歩んできた苦闘の道のりが想起されたのか、涙を流して絶句してしまった。

この場面を「感動的」という言葉でまとめてしまうのは、あまりにも思慮が足りないだろう。厳粛な気持ちにならずにいられない。この後を継ぐ質問はもう必要ないだろうと(勝手ながら)判断し、Q&Aを終了。今年最も記憶に残るQ&Aのひとつになるに違いない。

しかし、監督と登壇後にお話しする時間がなく(いったい僕は何をやっているのだ?)、ダッシュでスクリーンを移動して、20時20分からの『ドリンキング・バディーズ』の記者会見の司会へ。本当にプロデューサーのアリシアさんに来日してもらってよかった! ジョー・スワンバーグの魅力をここでも余すことなく語ってくれて、記者のみなさんもとても満足していた様子。マスコミにもウケがいいぞ! 少し長引いて22時に終了。

続いてさらにダッシュでスクリーンを移動し、22時10分から「日本映画スプラッシュ」の『サッドティー』の上映後Q&A!

まあもう文句なしに面白いと思っている『サッドティー』。今泉力哉監督を東京国際映画祭に招待することをずっと楽しみにしていた僕としては、我々選定スタッフ満場一致でご招待決定というレベルの作品を作ってくれた今泉監督の力量に敬服するとともに、「東京国際映画祭を目標に作った」ということを聞いて、本当に感謝の言葉もないくらい。

僕はお聞きしたいことがヤマのようにあるし、今泉監督もコメントが全て興味深いので、もうQ&Aがめちゃくちゃ楽しい。司会がこんなに楽しんではいけないのだけど、楽しいのだからしょうがない。監督の恋愛観、俳優ワークショップの関わり方、肝となるシーンの長廻し、外国映画からのシーン引用の試み、喫茶店で耳にしたカップルの会話の再現…。話は尽きない。

「ラブコメでない恋愛コメディー」描く今泉監督の、ひとつの集大成的な内容になった感もある『サッドティー』。まだまだ聞きたいことはあるのだけど、予定時間をオーバーし、残念ながら終了したのが22時。司会が楽しんでしまってごめんなさい、と作品関係者に謝りつつ(そんなことないですよと、許してくれた!)、お客さんの反応もよかったし、とても幸せな気分で事務局へ。

ふうー。16時から22時のノンストップ司会はなかなかしびれる! 僕の前半のハイライト日だったということになるのかな。今日もなんとも濃い1日だったけど、ぐったりしながらもとても楽しくて、この気分は一体なんなのだ?

お弁当を2個連続で食べて、メール書いてブログ書いて、本日は2時半に終了(予定)。

(写真は『オルドス警察日記』のQ&A後の記念ショット)
《矢田部吉彦》

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