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【MOVIE BLOG】東京国際映画祭 Day7

23日、水曜日。曇り。昨夜は気付かないうちに疲労がピークに達したらしく、かなり体が重くなってしまったのだけど、5時間熟睡したらすっかり回復。ヤマは越えた!…

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c2013 TIFF レッドファミリー
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23日、水曜日。曇り。昨夜は気付かないうちに疲労がピークに達したらしく、かなり体が重くなってしまったのだけど、5時間熟睡したらすっかり回復。ヤマは越えた! が、これを書いている今は既に2時半。なので、今日のブログは手抜きで失礼!

11時から、『捨てがたき人々』の2度目の上映前舞台挨拶司会。

12時15分から、『ハッピー・イヤーズ』のルケッティ監督の記者会見。いやあ、やっぱりルケッティ監督は素敵だ。とてもカッコいい。受け答えに淀みがなく、クリア。僕はイタリア語の響きが大好きなので、ああイタリア語が話せたらどんなにか気持ちいいだろうと思いながら会見の司会をする。さすが会見というべきか、いい質問がたくさん出て、充実。

13時15分から、『捨てがたき人々』の2度目のQ&A。前回に引き続き、榊英雄監督と、脚本の秋山命さんがご登壇。性描写をいかに正面から描くか、そして役者でもある監督の演出に対する考え方などについて話してもらった後に、客席からも積極的に手が挙がる。外国人のお客さんから相次いで意見や質問が出て、これはとても国際映画祭らしくていいなあ。セックスを強要する描写や、死に対する考え方について、かなり突っ込んだ議論になる。ただ、しんどいテーマを(客席もゲスト側も)語っているのに、極めて会場の雰囲気は前向きという不思議さ。もちろん、これは双方に映画愛があるからなのだ。榊監督にも客席の反応が刺激になったみたいで、むむー、と隣で楽しそうに唸っている。これは大成功のQ&Aになった!

14時から、フランスの「Cahier du Cinema(カイエ・デュ・シネマ)」の取材。カイエから取材を受けるなんて、緊張するばかりであまり気が進まないのだけれど、お相手が話しやすい普通の青年だったので、なんだかスラスラ話してしまった。余計なことを言ってしまったかもしれない…。まあいいか。

そういえば、昨日某映画館の人に会ったら、「ヤタベさんの司会はファン目線だからいいのですよね。ファン目線だから、爆弾発言しても許されるんですよ」とのこと。んー、そうなのか…。そうなのかなあ。ファン目線かどうかは分からないけれど(自分を映画祭の観客に想定していることはある)、爆弾発言なんてしてないはずだけどな。

閑話休題。14時45分に取材終了。映画祭に併設されているマーケットの「TIFFCOM」がお台場で開催されているので、その様子を見に行くべく、急いでタクシーに乗る。15分足らずで到着し、会場内をざざーっとひと回り。かなり人で賑わっていて、これはなかなかの盛況。素晴らしい。

お台場での滞在時間は正味20分で、またタクシーで六本木ヒルズへ戻る。TIFFCOMを全く見ないまま終わるわけにはいかないので、少しでも時間が出来てよかった。タクシーの中で少し眠れたのもよかった。

16時半から、おそらく今年のコンペの中でも最も評価が割れるであろう『歌う女たち』のQ&Aへ。容易な作品ではないので、雰囲気が厳しいかなと思いきや、全然そんなことないし、Q&Aまで多くの人が残っている。確かに戸惑っている人は多いのだけど、むしろ好奇心が蔓延している感じ。前方の席には学ランを着た高校生もいて、いいぞいいぞ、今のうちにこういう映画に触れておけ! と壇上で密かに盛り上がる。

客席からの質問がどれも良い。女性はどうして歌うのか、というストレートなものから始まり、馬の存在について、そして男性の存在について。今日はとても不思議な日で、僕が「次にこういう質問が出るといいなあ」と思っていると、実際に僕が指したお客さんがその質問をしてくれることが(一日のうちに)3度もあって、ちょっと怖くなるほど。手元のメモを今見返すと「ナイス!」とか書いている。難解な映画に、雰囲気の良いQ&A。これは映画祭の醍醐味だなあ。

事務局に戻り、弁当を呑みこんで、劇場へトンボ返り。日本映画監督協会新人賞を受賞した島田隆一監督の『ドコニモイケナイ』の上映後のトークシンポジウムの司会進行へ。島田監督と、イランの『流れ犬パアト』のアミル・トゥールデルスタ監督を対談させようという試み。アミル監督と島田監督はほぼ同年齢で、アミル監督は過去にドキュメンタリーも撮っていたことから、図らずも(いや、図ったけど)かなりベストの組み合わせ。

アミル監督の積極的な発言のおかげで、トークがとても活発に進行し、予定の40分があっという間に終了してしまった。こんなにスムーズに進行するなら、1時間やってもよかったな。『ドコニモイケナイ』は世界共通の孤独とコミュニケーションの不調について語っているので、SNS論なども交えた興味深い議論が期待できる。ということは、映画が良かったということもあり、この展開は予想しようと思えばできたのかもしれない。映画の良さをきちんと理解した上で(理解しているつもりだったけれど)、トークの時間を決めればよかった。というわけで、何かが上手くいっても、反省のネタは尽きない…。

19時半にトークショーが終わり、ダッシュでスクリーンを移動し、19時50分からコンペティションの『ウィ・アー・ザ・ベスト!』のQ&A!ルーカス・ムーディソン監督の登場だ! またまた興奮。

そして、会場の雰囲気は最高。映画の気持ちの良さが、そのまま会場に広がっている。みんな、幸せな顔をしている! ルーカスの奥さんのココさんがとても美しくてびっくりしてしまうほどなのだけど、彼女が原作者でともに登壇。質問も良くて、和やかでハッピーなQ&A。いやあ、最高。

続いてダッシュで監督協会とのパーティー会場へ。1時間ほど、日本の監督たちに海外ゲストの紹介しながら会場をぐるぐる。またまた1滴も飲まず。

22時に会場を出て、ダッシュで劇場へ。今日はたくさん走る。22時10分から、「日本映画スプラッシュ」部門の『FORMA』の2度目のQ&A司会。坂本あゆみ監督、松岡恵望子さん、梅野渚さん、ノゾエ征爾さんに加え、今回は光石研さんが登場!

前回、僕が聞きたくて聞けなかった質問を、今回ズバリお客さんが聞いてくれて(公園のシーンの意味について)、やはり今日は怖い。時間が無くなってきたので、「最後に光石さんから監督にエールを送ってもらえますか?」と聞いてみると、光石さんは気を付けをして監督に正対し、本気で応援のメッセージを送るパフォーマンスで場内喝采。このQ&Aもまたまた大成功の大盛況!

そして、本日最後のダッシュでスクリーンを移り、23時からコンペティションの『レッド・ファミリー』のワールドプレミア上映! ゲストは新人のイ・ジュンヒョン監督、猛烈にかわいいパク・ソヨンさん、美しいキム・ユミさん、飄々とした佇まいがナイスなチョン・ウさん、そして、キム・ギドク登場!

さすがに会場は大盛り上がり。それはそうだよなあ。僕はキム・ギドクさんにお会いするのは初めてなので、かなり緊張していたのだけど、舞台上では極めて普通が振る舞いで(アリランとか歌い出したらどうしようと思っていたのだ)ひと安心しつつ、それでもキム・ギドクの隣に座る幸せを噛みしめる。

登壇者が多いので、質問がたくさん受けられない。全員が挨拶コメントした後、会場からの1問目が、ギドクさんに対して脚本執筆の理由。そして、どのくらい時間がかかったかを監督がコメント。そして、2問目が、「ギドクさんはどうして今回自分で監督しなかったのか? そして、役者さんが役作りに苦労した点は?」だったのだけど、僕はこのお客さんに今年のMVPをあげたい! 完璧なタイミングで完璧な質問。これでギドクさんのコメントと、役者さんたちとのコメントとのバランスが取れる。素晴らしい質問に、心の中でガッツポーズ。いやあ、今日は本当に、なんだかQ&Aの神様が降りてきたような一日だ…。

Q&A終了後、急きょ会場内でサイン会を行い、0時に終了し、事務局に戻って、溜まった作業。で、2時過ぎにブログを書き始めたら、中断を含んで、結局4時半になるまで書いてしまった。勢いで、このまま推敲せずにアップします。変な記述があったらごめんなさい!もうダウン!
《矢田部吉彦》

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