【雅子BLOG】文化庁映画週間シンポジウム

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会期中の東京国際映画祭の共催・提携企画として、22日は文化庁映画週間の【シンポジウムーMOVIE CAMPUSー】がありました。実はこういうシンポジウムに参加するのは初めてで、私の出番は第二部ですが、少し早めに行って第一部を打ち合わせのギリギリまで拝聴したのでした。

平日の昼間にも関わらず、老若男女、沢山の人が来ていました。なんと、中には是枝監督の姿も! なんでも普通に一般で応募されたんだとか。何という勉強熱心な人なんだろう…。この謙虚で前向きな姿勢が今後の是枝作品に活かされるに違いありません。ま、登壇ゲストの一人に衣装デザイナーの黒澤和子さん(もちろん黒澤明監督の長女)のお名前もあったので、彼女のお声掛けだと思いますが(『そして父になる』は黒澤さんが衣装で参加)。

というわけで、第一部では「時代劇へようこそ~先ず、粋にいきましょう」と題して、黒澤さんはじめ、小泉堯史さん(映画監督)、澤登翠さん(活動写真弁士)、高橋剣さん(プロデューサー)、能村庸一さん(プロデューサー)と、時代劇に関わる錚錚たるメンバーが揃っていたわけです。時代劇の面白さを、若い世代にどう伝えるか?」がテーマ。本題に入る前に、無声映画の『斬人斬馬剣』(伊藤大輔監督)が澤登さんの活弁付きで上映されました。

日頃、私はそんなに時代劇を観ることはあまりないものの、決して嫌いではないと思います。時代劇にしかない楽しみ方があると思うのですね。時代考証、コスチュームプレイさならがの衣装の素晴らしさ、その時代にワープする楽しみがあります。NHKの大河をはじめ、若い人も興味があるという話をよく耳にします。

けれども、小泉監督が「時代劇が難しくなっている理由に、時代劇特有の所作、座り方…例えば膝を浅くして座る、だとか、立ち振る舞い、身のこなし等は演出以外のもので、これを体現できる俳優が少なくなっている」とおっしゃっていたのが印象的でした。

そして、第二部は「わが家を名画座に~いい映画の見つけ方教えます」。CS放送、DVDレンタル、ネット配信など多様な視聴環境を踏まえ、「観たい映画を、どこで、どう観るのか?」 ということをテーマに、未来の動向について考えるというもの。登壇ゲストは6人。渡邉健さん(カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社 執行役員 兼 株式会社T-MEDIAホールディングスCSO)、勝江正隆さん(カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社TSUTAYA発堀良品ディレクター)、岡本圭三(株式会社角川書店)、柾谷大地(株式会社紀伊國屋書店 映像科 係長)、河井真也さん(日本映画衛生放送株式会社/映画プロデューサー)と、こちらも映画業界のプロの皆様。河井さんとは『リング』でご一緒し、久しぶりの再会でした。

まずは、それぞれの立場からどんな風に映画に携わっているのか、ということを話し(若干、会社プレゼンみたいでしたが…)、それだけでも何時間あっても足りないくらいの充実ぶり。日頃、お世話になっているTSUTAYAや、大好きな紀伊國屋レーベルDVD、一世を風靡した角川映画のことなどなど、それぞれの映画への関わり方を皆さん雄弁にお話していました。「映画を観る」から、借りて観るを経て、「どんな手段を使って観るか」と様々に変化しています。そんな話を軸に、それぞれの興味深い話が繰り広げられました。本当に時間が足りずシンポジウムはあっという間に時間は過ぎてしまったので、後に私が思ったこと、日頃感じていることを少しだけ補足します。

名画座の最後の世代である(と思う)私は、同時に単館系世代でもあります。街に行けば名画座があり、クラシック映画を観ることができた。そしてこだわりのある単館系映画館でこだわりのフランス映画に触れることができた、というちょっとワガママな世代。なので、基本的には映画は映画館で観たい、さらに言えば、映画に行く(=観る)なわけです。けれども、自由選択できる今の時代には簡単に自宅で、外で、配信された映画を観ることもできる。映画的な美しい(?)こだわりは簡単に覆されてしまったのです。

時代の変化とともに、映画は、観る人のライフスタイルが大きく反映されるんじゃないかと思うのです。自宅でリラックスしてメールでもしながら観たいか、時間がないけど映画は観たいという人、PCやDVDプレイヤーで集中したい、大画面の映画館で観たいか、シネコンでデートして観たいか、ひとりで観て余韻をとことん楽しみたいか…等々。その選択肢が多様化した、違う意味でワガママな映画時代なんじゃないかと思います。

けれど、私が思うには、本当に映画好きは映画館で観る、ような気がしています(もちろんそうじじゃなくても映画好きは多数います!)。映画を観ている時間は現実逃避できる特別なひととき。その空間に身を置くことで、より映画に寄り添うことができるんじゃないかと。日常に映画生活はあるけれど、やはり映画は特別な存在なんです。映画によるコミュニケーション、旅、発見、驚き、感動…。すべて知的好奇心です。
《text:Masako》

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