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オスカー請負会社? 若手の登竜門? 良作・話題作を作り続ける「FOXサーチライト」

「20世紀FOX」の中の映画ブランド「FOXサーチライト・ピクチャーズ」が2014年で創立20周年。新プロジェクトの一環として投票で選ばれた『(500)日のサマー』の上映が11月30日(土)に行なわれ、映画ライターのよしひろまさみち氏に…

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よしひろまさみち氏/「FOXサーチライト・ピクチャーズ」トーク・イベント
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「20世紀FOX」の中の映画ブランド「FOXサーチライト・ピクチャーズ」が2014年で創立20周年。新プロジェクトの一環として投票で選ばれた『(500)日のサマー』の上映が11月30日(土)に行なわれ、映画ライターのよしひろまさみち氏によるトークイベントが行われた。

『サイドウェイ』、『リトル・ミス・サンシャイン』、『JUNO/ジュノ』など大作ではないが良作を数多く輩出してきた「FOXサーチライト」。19年間でアカデミー賞受賞は20に及び、「作品賞」には過去9年で9作品がノミネートされるなど質の高さが際立っている。

来年創立20周年を迎えるのを機に、この日の会場である「新宿シネマカリテ」と提携し、同館を常設館として同社作品を連続上映するプロジェクトがスタート。12月6日(金)の第1弾作品『セッションズ』公開を前にこの日は、過去作品の中から、最も多くのリクエストを集めた『(500)日のサマー』が上映された。

普段、観客が映画会社で鑑賞する作品を選ぶということはあまりないが、過去のラインナップを見ると、改めてFOXサーチライトの作品の充実ぶりが実感できる。以前から同社の映画に着目してきたというよしひろさんは、女性誌での連載や情報番組「スッキリ!!」での月イチの映画紹介コーナーなどで、同社の作品を取り上げてきた。

例えば、『リトル・ミス・サンシャイン』のジョナサン・デイトン&ヴァレリー・ファリス監督の作品で昨年12月に公開された『ルビー・スパークス』は当初、都内の上映館は1館のみだったが、よしひろさんは「大作はみんな観に行くから、脚光を浴びない良い作品を紹介したい」と「スッキリ!!」にて正月大作と一緒に紹介。その後、同作は口コミなどで広がりを見せ、上映館を増やしていった。

よしひろさんはFOXサーチライトが、才能あふれる“若手監督の登竜門”となっていると指摘。先述の『(500)日のサマー』のマーク・ウェブ監督は同作が絶賛されたのをきっかけに、アメコミの大作『アメイジング・スパイダーマン』の監督に抜擢され、来年公開される続編の監督にも続投するなど大出世を遂げた。

『JUNO/ジュノ』のジェイソン・ライトマン監督も同作のひとつ前の『サンキュー・スモーキング』で注目を集め、『JUNO』後もオスカー候補作の『マイレージ、マイライフ』を世に送り出し、いまやハリウッドでも有数の人気監督に。

監督のみならず俳優陣でも、同ブランドの作品をきっかけにブレイクを果たした者は多い。よしひろさんが、最初に挙げたのはジョゼフ・ゴードン=レヴィット。『(500)日のサマー』で中2病気味の主人公を演じた後、『インセプション』『ダークナイト・ライジング』などのクリストファー・ノーラン監督の大作に立て続けに出演しスター街道を邁進。いまや日本でも高い人気を誇る。

アビゲイル・ブレスリンも『リトル・ミス・サンシャイン』でぽっちゃり気味の主人公の少女を演じ、子役ながらも大絶賛を受け「ここから羽ばたいていった」女優。「ここでの成功が映画界での成功に繋がる」と才能の萌芽を発見できる作品が並んでいると説明。

かと思えば、今年公開されたジュディ・デンチ、ビル・ナイなどのベテラン俳優の好演が光る『マリーゴールド・ホテルで会いましょう』にも言及し、「枯れた俳優の魅力も見せてくれる」と作品の幅の広さを称賛。先に挙げたアカデミー賞受賞歴、ノミネート数の多さがクオリティの高さを裏付けているが、よしひろさんは「もはや“オスカー請負スタジオ”という側面を確実に持ってる」と強調する。

この日は『(500)日のサマー』以外の、リクエスト投票上位作品が発表されたが、2位には『リトル・ミス・サンシャイン』、3位には『フル・モンティ』、4位には製作当時、劇場公開されなかったにもかかわらず『ナポレオン・ダイナマイト』(※当初の邦題は『バス男』)がランクインし、5位にはSFホラーの『28日後...』が入った。

よしひろさんは、失業にあえぐ男たちがストリップショーに出演する姿を描いた『フル・モンティ』を過去のFOXサーチライト作品の中で最も印象的な作品として挙げる。「イギリスの不景気もの(『ブラス!』『リトルダンサー』など)の中で、飛びぬけて明るい! ダレ得? という見た目の良くないおじさんのストリップで(笑)、最初は思い入れが湧かないのに、最後はやんややんやとなっていく」と絶賛。「脚本の段階ではあり得ないのに、物語になるとノッていけるのは作品力と脚本力の強さ」と同作を始めとする同社作品の特徴を語った。

今後、同館では、生まれつき首から下が麻痺している男性が、肉体的に女性と繋がることを求め奮闘する姿をユーモアを交えて描き、オスカーおよび、ゴールデングローブ賞など多くの賞にノミネートされた『セッションズ』が12月6日(金)より公開。

第2弾として、環境汚染を続ける大企業を攻撃する環境テロリスト集団に潜入する女性を主人公に、現代アメリカ社会の矛盾を鋭く突いたサスペンス『ザ・イースト』が1月31日(金)より公開となる。
《シネマカフェ編集部》

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