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【ディズニーの楽しい映画の作り方 第4回】“物語”を探して世界一周? 徹底的なリサーチに注目

『美女と野獣』や『ピーター・パン』などのスピンオフ作品を製作し、良作なアニメーションを生み出し続けるディズニーの新たな顔となる――ディズニー・トゥーン・スタジオ。アメリカ・ロサンゼルスにある…

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ジェフリー・M・ハワード(脚本)/『プレーンズ』 in ディズニー・トゥーン・スタジオ(L.A.)
ジェフリー・M・ハワード(脚本)/『プレーンズ』 in ディズニー・トゥーン・スタジオ(L.A.)
  • ジェフリー・M・ハワード(脚本)/『プレーンズ』 in ディズニー・トゥーン・スタジオ(L.A.)
  • ジェフリー・M・ハワード(脚本)/『プレーンズ』 in ディズニー・トゥーン・スタジオ(L.A.)
  • 『プレーンズ』- (c) 2013 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.
  • ジェフリー・M・ハワード(脚本)/『プレーンズ』 in ディズニー・トゥーン・スタジオ(L.A.)
  • 特別資料/『プレーンズ』 in ディズニー・トゥーン・スタジオ(L.A.)
  • ジェフリー・M・ハワード(脚本)/『プレーンズ』 in ディズニー・トゥーン・スタジオ(L.A.)
  • ジェフリー・M・ハワード(脚本)/『プレーンズ』 in ディズニー・トゥーン・スタジオ(L.A.)
  • エル・チュパカブラ(通称エル・チュー)/『プレーンズ』 -(C) 2013 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.
『美女と野獣』や『ピーター・パン』などのスピンオフ作品を製作し、良作なアニメーションを生み出し続けるディズニーの新たな顔となる――ディズニー・トゥーン・スタジオ。アメリカ・ロサンゼルスにある、誰も足を踏み入れたことのないこのスタジオに、シネマカフェが初潜入! まもなく公開される映画『プレーンズ』の制作スタッフたちに取材を敢行。「ディズニーの楽しい映画の作り方」と題して、制作の裏側をスタッフたちの特別インタビューを通してご紹介!

第4弾は、『プレーンズ』の“脚本”を務めたジェフリー・M・ハワード。実写版の映画などで俳優に「何が出演の決め手だった?」と聞くと、ほとんどが「脚本です」と答えることからも、映画やTVや舞台など物語を語るエンターテインメントにおいて、最重要にして作品の良し悪しを決めてしまう。監督の描ことうとしたメッセージを、“ストーリーに置き換える”という、神業のような能力が求められるポジションなのだ。今回の『プレーンズ』で、ジェフリーはどのようにして脚本を作っていったのだろうか?


ジェフリー:最初の1日目は、(『プレーンズ』の)監督のクレイ・ホールさんやジョン・ラセターさん(ピクサーの代表)、それにディレクターたちと丸1日かけて話合ったよ。2009年の1月のだったか、2月だったか…“世界一周レース”だったり“(主人公・ダスティが)あまりヒーローらしくない、ヒーローである”といったことだったり、“航空母艦を登場させる”といった『プレーンズ』の基本的なアイディアは、初日で細やかな部分まで全部思いついたんだ。特にラセターさんは、ホントに色々面白いことを思いつくんだよ(笑)。


――『モンスターズ・インク』『トイ・ストーリー』シリーズなど、ディズニー/ピクサー作品を常に大ヒットへと導いているのが、まさにジョン・ラセターその人だが、今回の『プレーンズ』では何かアドバイスをもらったのだろうか?

ジェフリー:その話合いの後、僕らは細かいストーリーを詰めたり、キャラクターのビジュアルや性格をさらに詰めていったんだ。その時に、彼がいつも言っている言葉なんだけど、改めて「リサーチが大事なんだ」というアドバイスを貰ったよ。

『プレーンズ』は飛行機を描くストーリーだからね、「とにかくいろんな航空関係の人たちに話を聞いてごらん」と言われたよ。それは、飛行機に関するテクニカルな話を聞くためじゃないんだ。色んな人の体験談、つまりは物語を聞くことで、それを作品のストーリーに活かすことができるんだ。

本当に世界中の色んな所にリサーチに行ったよ。実際にブラジル・リオで開かれたレースを観戦しに行ったし、ミネソタの田舎町の飛行場にも足を運んで、面白いエピソードをたくさん集めて回ったんだ。


――その時のロケーションハンティングの様子は、写真となって部屋中に飾られており、その中には“もしや、このキャラクターのモデルはこれなのでは…?”と思わせるものも。もちろん気になるのは、そうやって集め回ったエピソードや資料が劇中でどんな形で登場するのかだ。ジェフリーは楽しそうに、その思い出たちを語り始める。

ジェフリー:例えば、(ダスティの師匠となる)元戦闘機・スキッパーのモデルを探していたときに出会ったのは、まだ飛行可能な状態の三菱の零戦(※『風立ちぬ』にも登場する機体)。トウモロコシ畑の真横が滑走路になってて、まだ飛べるものも、鉄クズの状態で飛べなくなったものも混ざっていて、飛行機たちの墓場の雰囲気もあったよ。そこでチャグのモデルになったオンボロのトラックも見つけたんだ。

ほかにも、航空関係が昔から多い南カルフォルニアでは、スキッパーのキャラクター造形に活かされてるよ。まだまだある。世界一周レースに登場するヒマラヤでのエピソードは、あるパイロットの実際の体験談から採用したものだし、リオに行ったときにレーサーたちから聞いた話で、農薬散布機に乗ってた人が多かったなんてことも知ることができた。
航空母艦のロケハンでは、実際に航空母艦に行ってきたんだ。彼らは特別な軍事用語を使って日々の作業を行っているから、その解読も兼ねてね。タイムリミットもかまわず、質問しまくったよ(笑)。


――とめどなくロケハンの思い出が語るジェフリー。これだけでもラセター氏のアドバイスであった“徹底したリサーチ”を行っていたことが分かる…が、どんなエピソードを話すときも、ジェフリーは少年のような笑顔を見せる。これぞ“ディズニーの楽しい映画の作り方”なのだ。どんな時も妥協なくプロフェッショナルでありながら、その胸の内はいつもワクワク・ドキドキにあふれている。

話合いをして、みんなでリサーチツアーに行って、脚本にしたり絵に起こしたりして、またリサーチに出かける…僕が良いストーリーが書けたら、それを見たアート・ディレクターが絵をグレードアップさせていく。そうやってお互いに共同作業のように作っていけば、それがブラッシュアップになっていくというのは本当に気持ちいい環境だと思ったよ。そうやって、4年半かけて『プレーンズ』は完成したんだ。


――作っては積み上げて、それを改築しながら新たなものへと変化させていく。恐れることなく、飽くなき探求心を燃料にして、ただ“良い”と感じたものへと全力で走り続ける。“ただそれだけ”であるが、それこそが“究極のエンターテインメント”なのだろうと感じさせてくれた。純粋に貫くことの難しさよ!
《シネマカフェ編集部》

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