【舞台に恋して】ジュード・ロウ主演舞台「ヘンリー五世」鑑賞記 in ロンドン

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ジュード・ロウ/舞台「ヘンリー五世」 -(C) Getty Images
  • ジュード・ロウ/舞台「ヘンリー五世」 -(C) Getty Images
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『リプリー』で金髪プレイボーイを演じて脚光を浴び、『ホリデー』で女子の心を掴んだジュード・ロウ。しかしその美貌が災いしてか、最近ではすっかり髪の毛が寂しくなった姿に、「あぁ…昔はカッコよかったのに」なんて声も多く聞こえてくる。

しかしご存じの通り、彼は“顔”だけの俳優ではない。主演のイーサン・ホークも霞んでしまう映画『ガタカ』を始め、『ロード・トゥ・パーディション』、『ハッカビーズ』、『こわれゆく世界の中で』『アンナ・カレーニナ』『サイド・エフェクト』など観れば、演技派なことが分かるはずだ。

ジュードは12歳から演技を始め、17歳で演技の道に進むために高校を中退。多くの舞台に立ち、1994年には「ローレンス・オリヴィエ賞」に、翌年の1995年には「トニー賞」にノミネートされている。そう、イギリス人俳優に舞台経験者が多いことに違わず、彼は舞台俳優としても立派なキャリアを築いてる。

近年ではハリウッドでの映画出演が増え、舞台から遠ざかっていたが、2009年に久しぶりにウエストエンドに戻った。演目は「ハムレット」。必要最低限のシンプルな舞台セットと、現代のラフな服装という斬新な演出で、760席程度の小さな小屋で上演。しかもチケットが日本では考えられないほど安い! 一番安い席は10ポンド。つまり当時の換算だと1,500円程度だ。批評家たちからも絶賛され、ついにはブロードウェイにも進出した。

2011年には「アンナ・クリスティ」で再び舞台に立ち、船乗りを演じるために肉体改造を敢行。“こ…これがジュード?”と思ってしまうほど、ムキムキ…というかモリモリの筋肉男子に変身し、アイリッシュ訛りで、時にコミカルに、時にシリアスに、舞台の上を縦横無尽に走り回った。

そして2013年。またもやシェイクスピア作品にカムバック。映画ではローレンス・オリヴィエ、ケネス・ブラナーとイギリスを代表するシェイクスピア俳優が演じた「ヘンリー五世」だ。

前置きが長くなったが、筆者は6年前(上演の1年前)に発売された「ハムレット」のチケットをゲット。それ以来すっかりクセになり、「アンナ・クリスティ」の時も渡英。となれば、この「ヘンリー五世」も行かないわけにはいかない! とまったく間違った責任感を感じて、12月の暗く・寒いロンドンに飛んだ。

今回のシアターは、レスタースクエアにあるノエル・コワード・シアター(座席数872)。5列目のセンター席で鑑賞。やや見上げる形にはなるが、役者の細かい表情まで見え、また舞台全体も見渡せる良席だ。やはり簡易なセットで、空間を広く使う模様。上演開始のブザーの音と共に、高鳴る胸、そして数分後、王の椅子に座ったジュード。

「ヘンリー五世」の舞台となるのは、フランスとの領土問題をきっかけに始まった100年戦争が続くイングランド。若くてやんちゃなハリー王子が、いまや英国王となり、不利な状況下で“アジンコートの戦い”に兵を率いてフランスに挑む。

ヘンリー五世はカリスマ性たっぷりに「勝利を手にして伝説になろう」と演説して兵を鼓舞。少人数のイングランド勢を勝利に導いた。まさしくジュード演じるヘンリー五世も、自信と魅力にあふれ、リーダーとしての風格を持ち、“この人となら命を賭けて戦いたい!”と思ってしまう荒々しく大胆な王だった。

そして一転、フランス王の娘・キャサリンに求婚するシーンでは、非常にコミカルで愛嬌たっぷり。このシリアスとチャーミングのギャップに“萌え”ない女子はいないだろう。言葉の通じない彼女を、身振り手振りを使って懸命に口説く。それまで激しい戦いを繰り広げていた王が、突然可愛らしく見えるのは、まさにジュードの魅力だ。

上演時間は休憩を入れて3時間超えたが、役者たちの素晴らしい演技に一気に引き込まれあっという間に終了。ジュードは集まったファンにサインをする際も“流れ”ではなく、一人一人の目を見て「Hello」「Thank you」と声をかける丁寧さ。

“生ジュード”の魅力、ここに極まれり! 一度見れば、「次の舞台にも来なければ」と思わされるはずだ。
《Hitomi Ezaki》

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