【シネマモード】“脱皮”する男の物語をベン・スティラーが熱演…『LIFE!』

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『LIFE!』-(C) 2013 Twentieth Century Fox Film Corporation All Rights Reserved.
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  • ベン・スティラー&クリステン・ウィグ/『LIFE!』 -(C)2013 Twentieth Century Fox Film Corporation All Rights Reserved.
  • 3月に来日を果たす、ベン・スティラー/『LIFE!』 -(C)2013 Twentieth Century Fox Film Corporation All Rights Reserved.
  • 世界に先駆け日本初公開『LIFE!』劇場用ポスター -(C)2013 Twentieth Century Fox Film Corporation All Rights Reserved.
待ってました! 現代ハリウッドを代表する才人のひとり、ベン・スティラーが帰ってきました。俳優としての彼はもちろん、『ズーランダー』『トロピック・サンダー/史上最低の作戦』など、監督、脚本家としての彼も大好きな私は、『LIFE!』の日本到着を心待ちにしていたのです。しかも、すっかり成熟しちゃって。おバカなコント風コメディばかり撮っていたのに…。

最新作『LIFE!』で、ベンが演じるのは、弱気で、空想癖のある主人公、ウォルター・ミティー。不器用で地味で冴えないうえに、風変わりな空想癖アリの男です。服装には清潔感があり、きちんとした印象を与えるウォルターは、悪い印象こそ持たれないかもしれませんが、女性に恋心を抱かせるようなインパクトがあるわけでもない男。つまり、マジメで硬そう。いわば、それが彼の持ち味でした。

ところが、「LIFE」誌のデジタル化に伴い、雑誌最終号の表紙に使う写真のネガを探したところ、担当者である自らの手元にそれがないことが判明。これまで真面目に仕事を全うしてきたにも関わらず、紛失の汚名を着せられたウォルター。憧れの同僚シェリルの後押しもあって、ネガを探しに破天荒な名物カメラマンの後を追って、北極圏のグリーンランドへと向かうのです。

それは、今後の人生をかけてというよりも、これまでの人生を肯定するための旅。そして、自分の殻を破る旅でもあるのです。ここで彼は、空想の世界以外で、初めて彼らしくない服を纏い始めます。いわばこれは“脱皮”のメタファー。毎日、同じようにきちんと身なりを整えることは、彼のルーティンワークであり、それまでの彼の人となりを象徴するいわば“型”であったもの。整いすぎた仕事着は、面白味も冒険心もない彼の人生を代表するものでもありました。

旅先では、海に飛び込んだ彼に船乗りから赤いフィッシャーマンズセーターを贈られ、それに着替えます。これまでのアイロンがかけられたシャツ、しっかり結ばれたネクタイ、折り目正しいパンツ、アルミニウムのゼロハリバートンなどピシッとした直線的なアイテムから、凹凸、曲線の多いふっくらとしたアイテムへと変わっていくのです。彼の変化を示す最初のアイテム、赤いセーターは右肩から、ぴろりんとほつれた毛糸が飛び出したようなくたびれた代物。それでも、冒険に突き進む彼には、もはやしっくりくるのです。

この後も、数々の脱皮を繰り返しながら、心も外見もどんどんワイルドになっていくウォルター。その変化は、彼が経験するうそのような挑戦の数々に勝るとも劣らずエキサイティング。ワイルドすぎる写真家役を演じたショーン・ペンと並んだときにも、ひけをとらない見事な男っぷりを見せてくれるのです。

自分も、心ひとつでこんな風に脱皮できるのかもしれないと思わせてくれるのが、この作品に素晴らしいところ。もうすっかり春。そろそろ私たちも、脱皮してもよさそうですよ。
《text:June Makiguchi》

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