【MOVIEブログ】つれづれ日記

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なんとなく、つれづれ日記。

【3月29日(土)】
朝は軽くランニング。桜が咲いてきた!

午後14時から、信濃町に行き、「デジタルシネマ時代における小規模映画の上映形式の研究」とタイトルのついた勉強会に参加してみる。主にDCPの現状に関する勉強会で、DCPとは何かというのをここで書き始めると大変なので割愛するけれど、もはや低予算自主映画でもDCPを作った方がよさそうですよ、ということを啓蒙しなくちゃいけないですね、という認識を共有するのがこの勉強会の目的と言っていいかな。

根岸吉太郎監督が東北芸術大学学長のお立場からご挨拶なさったり、深田晃司監督が『ほとりの朔子』でいかにして初めてDCPを作ったかの体験談を披露したり、東京芸術大学対学院の馬場先生が実際にその場でフリーソフトを使ってDCPを作ってしまう実技を見せてくれたりして、なかなか有意義な午後でありました。

夜は新宿のK’s シネマで『東京戯曲』を観る。平波亘監督の、これが初の劇場公開長編であるらしい。ここ数年来、日本のインディペンデント映画で面白いのがあると必ず平波さんが助監督にクレジットされていて、いったいこの人は何者だろうと思っていたら、Moosic Labなどで監督作品を目にするようになり、やはりぐいぐい頭角を現してきた。

Enbuゼミナールといった学校や、Moosic Labみたいな製作&上映イベントを通じて監督たちがお互いの作品に協力しあって、うねりのようなものを作っていくのは、ヌーヴェル・ヴァーグ的でわくわくするのだけれど、現在そのうねりの中心にいるのが、この平波監督なのでしょう。

監督の自伝的要素がちりばめられた内容とのことで、虚と実が入り混じる巧みな展開。脚本家が書いている内容が現実に現れるというのは、ウディ・アレン的というか、とても映画的で嬉しくなりますね。役者の動かし方も上手いし、ラストの疾走感もとてもいい。モーツァルトやバッハをふんだんに用いた音楽も効いている。とにかく、平波監督の動向には今後も注目しなければいかんです。

【3月30日(日)】
「東京国際映画祭 アジア映画傑作選」実施日。スタッフ集合時間の9時にシネマート六本木に行ってみると、既にお客さんが並んでいる! とても恐縮してしまうけど、とても嬉しい。適度に雨模様だったのが幸いしたのか、お花見に行かずに映画を選んでくれた方が多かったのかも。3本の上映、いずれも盛況で、杉野希妃さんとのトークも楽しく盛り上がり、上映会としては大成功と言っていいのではないかな。

初めての試みのアンコール上映だったけれど、お客さんからもとても好感触が伝わってきたので、来年も(というか今年か)是非続けていきたいですね。劇場配給が決まればいいけど、中には良い作品であっても映画祭本番で上映して終り、という作品がどうしても出てきてしまうので、そのような作品を上映する機会を何としてでも確保していきたい!

いやあ、それにしても、やっぱり自分たちで主催する上映会というのは、本当に堪らなく楽しいですね。ああ、映画祭っていいなあ、と久しぶり(?)に思ったりして。近所の中華屋さんでスタッフと軽く打ち上げして、0時頃帰宅。

【3月31日(月)】
職場の送別会。たくさんの人が去っていく…。中には、まともに会話をするのがこの送別会が初めて、という人もいて、そしてその人がめちゃくちゃ面白いことに気付いたりして、ああ、全てはあとの祭り。日頃から積極的に交流しなければいかん! と大反省。それにしても、年度の終りって、寂しいですね。

【4月2日(水)】
またまた職場の方の送別会。とてもお世話になったTさん、いろいろとしんどい思いをされながら、映画祭に大きな貢献をして下さった方でした。残念。職場近くの美味しい鳥料理のお店で、日本酒を頂く。

【4月3日(木)】
渋谷のシネパレスに行き、モーニングショーで『家路』を鑑賞。ベルリンの「フォーラム」部門で話題になっていた本作を見逃して焦っていたのだけれど、ようやく見られた。フクシマを背景にした、家族の物語。目がスクリーンに釘づけになるように惹き込まれ、胸をかきむしられるような思いに駆り立てられながら、深く感動した…。

どこかで、感動している場合ではない、という思いがあって、それは感動してしまっては物語を客観的に見ていることになり、つまりはのんきな第三者である証明になってしまうという思いがあるわけで、でも映画としては感動してしまうのだから、思いは複雑になる。とにかく、これは福島の物語でなく、まさに「我々の物語」なのだ。今の日本人の物語だ。

隙の無い脚本に、完璧なキャスト。今の日本でしか作れない物語であり、そしてどの世界の観客に見せても通用する感情を描いている。単純化を恐れず言えば、独自性と普遍性。海外の映画祭で評価されるのはこういう作品だ。心の深い深いところまで届く。これは素晴らしい。今年のベスト邦画の1本に入ってくるのは間違いない。

映画は、実に静かに、そして激しく胸を震わすエンディングを迎える。近年味わったことのない種類の感動に胸が締め付けられ、こみあげてくるものを感じながら、エンドクレジットに入っていく。

だがしかし。しみじみと感動を噛みしめようとしたら、全く場違いのエンディングソングなるものが流れ、暴力的に映画の余韻を粉砕していった。ここまで素晴らしい作品を作る製作スタッフが、このような曲を選択するとも思えず、一体何が起きたのだろうと、残念な気持ちになるよりもわけがわからず呆然としてしまった。映画もかわいそうだけど、恨まれてしまう曲もかわいそうだ。

まったくなんということだ…、と感動と呆然とが混じった気持ちを抱えて、職場へ。長めのミーティングを2件こなした後、人生初の「衣装合わせ」なるものを経験。その理由は、また後日。

夜は、20年くらい前のサラリーマン時代の職場の先輩や上司のみなさんとの、本当に懐かしい同窓会的飲み。20年時間が経ったとは信じられないほど、みなさんお変わりない。学生時代の友人たちとの同窓会とはまた違った雰囲気で、こういうのもとてもいい。思えば、社会人としてのイロハを教えてくれた方々だ。サラリーマンとしてはご期待に沿えなかったけれど…。ハハハ。それはそれ。現在の道でがんばって、恩を返さなくちゃ。
《矢田部吉彦》

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