※本サイトはアフィリエイト広告を利用しています

【MOVIEブログ】人生が変わりました

気がつけば1か月たってました…

最新ニュース スクープ
注目記事
『神様のカルテ2』の大ヒットイベント。観客満足度98.4%の数字が眩しいです。
『神様のカルテ2』の大ヒットイベント。観客満足度98.4%の数字が眩しいです。
  • 『神様のカルテ2』の大ヒットイベント。観客満足度98.4%の数字が眩しいです。
  • 今までもらった名刺のタワー。これで3分の1くらいです。
  • 息子が生まれた日の空。桜満開。
  • 生まれたばかりの息子と妻。僕の大切な家族。
  • 頭を抱えながら寝ている息子。どんな夢を見ているんだか。。
  • 育児奮闘中につい寝てしまった新米パパ。
気がつけば1か月たってました。

この1か月で人生が激変しました。

僕の40歳はスゴイです。

以下、矢田部さん風に日記っぽく書き連ねます。

3/24
初日に大ヒットの勢いでスタートを切った『神様のカルテ2』
でも、金土日があけた数字は思ってたほどは伸びず、
初日の勢いが本当によかっただけにやや消沈。
ただ、初日に取った観客満足度が「98.4%」(!)という驚異の高満足度を記録。
観てくれた人には深く響いたのだと思い、溜飲が下がる。
ちなみに、この98.4%というのが東宝のここ4~5年のベストの数値だったことを知り、
さらに感動。

3/25
異動の内示を受ける。
異動先は国際部。
実はここ数年ずっと東京国際映画祭への異動を希望していたのだが
(矢田部さん、ご一緒したかったです…)
若干方向は変わったものの、新たなフィールドでの挑戦に胸が高鳴る。
今度は世界が相手だ!
最初に報告したのはもちろん嫁。
嫁はやや驚きつつも「裕介がよければ私は大丈夫」と言ってくれた。
イイ嫁さんをもらった。
でも、その後会社で『神様のカルテ2』の仕事をしてたら、
この仕事から離れる寂しさが襲ってくる。
宣伝の仕事は自分でも天職だと思っていたし、やっぱりこの仕事が好きだったのだ。
自分で異動を希望しておきながら何を今さら…と思いつつも
襲いくる寂しさに潰されそうになる。
会社にいると何だか切ない気分になったのですぐに家に帰る。
もう来週には出産するお腹パンパンの嫁と対面。
この妊婦姿ほど幸せを感じられるものはない。
異動に関する率直な心境を吐露。
国際部では海外赴任の可能性もあるので、そのことを示唆したら
「私は大丈夫、どこでも息子と一緒についていくから」と言ってくれた。
ありがとうの返事は涙で言葉にならなかった。
本当にありがとう。

3/27
櫻井さんがNHKの「あさイチ」に生出演。
立ち会いで番組スタジオにお邪魔しつつ、
番組を(本当は良くないことなのだが)一視聴者として見てしまい、
櫻井さんが終末医療の現場を取材した内容の素晴らしさに涙する。
(どうも涙もろくなっている)
『神様のカルテ2』には観た人の心を救える力がある。
最後の作品が『神様のカルテ2』で本当に良かった。
宣伝担当チームに異動を報告。
最後のチームがこのメンバーで良かった。

3/28
社内でかつての上司に呼び止められ、
「国際部に異動だってな、あそこはこれから面白くなるぞ、がんばれよ」
とはっぱをかけられる。
この言葉に勇気づけられ、ここ数日のモヤモヤが雲散霧消する。
かつての上司に感謝。

4/1
エイプリルフール。
嫁の出産日が近づく。
友人に「産まれた!」とエイプリルフールを仕掛けようかと思ったが、
さすがに洒落にならないかと思い、断筆。

4/2
これまで仕事でお世話になった方々へメールで異動の報告。
担当作品数は33本だったのだが、
さすがにその間お世話になった方々は凄まじい数で、
でもこれもさすがに報告しないわけにはいかないので、
一念発起して片っ端からメールアドレスを打ち込んでいく。
本当に一日がかりだった。
総勢583名。
いやはや、みなさん、お世話になりました。
583名のうち50人くらいは転職したのか辞めたのかメールが跳ね返ってくる。
そして、60人くらいから返信アリ。
懐かしい方々も多く、そんな人達からの返信は本当に嬉しい。
ありがたい言葉も多々頂く。
中でも印象的だったのは
「異動こそが最大の人材開発」
というもので、確かに異動すると付き合う方々が変わるので
人間の幅も広がるだろうなと、これにも深く納得し
ますます異動に前向きになる。
15年間の宣伝生活はまんざらではなかった。
僕にとってはそんな人たちが財産です。
いつかこういった人達をモチーフにして
何か小説のようなものでも書けたらなと思います。

4/4
息子が生まれる。
朝から雨が降って
昼に太陽が出て
夕方に雹が降って
夜になって風が吹いて
星が見えたら
生まれた。
息子は白い羊水に包まれてこの世界に出てきた。
まだ目は見えないみたいだけれど、
彼の目にこの世界はどう映っているんだろう。
それでも一生懸命「僕はここにいるよ、僕はここにいるよ」と
かぼそい産声で訴えて、それがまた無性に可愛くて
小さいお猿さんは一気に僕の愛しい存在になっていた。
体内から羊水を抜かれて呼吸を始めた息子は、
確かに生き始めていた。

何て愛しいんだろう。

初めてこの腕に抱いた。
こんにちはと話しかけてみた。
じっとお顔を見て、これがパパだよと。
涙が溢れた。
人生で初めて流す涙だった。
ハローワールド。ようこそ世界へ。
息子よ、よく生まれてきてくれたね。ありがとう。
そして、こんな可愛い息子を無事に産んでくれた嫁にも感謝。
本当に本当にありがとう。
僕の息子が生まれた。
こんなに嬉しいことはない。
僕がこの世界に産み落とされたことの次に嬉しいニュースだ。
僕の家族。
一緒に色んな世界を見ていこう。

4/9
『神様のカルテ2』のイベント。
いわゆる大ヒット舞台挨拶だけど
観客満足度が高かったことを感謝するイベントにしたいと思い
観に来てもらったお客さんと櫻井さん、宮崎さんを絡める内容に。
これが思いのほか盛り上がり、お客さんもスタッフも大ウケ。
特に書店員代表で来て頂いた書店員さんが本当にユニークな方で、
これには櫻井さん、宮崎さんも大喜び。
舞台挨拶が終わった後にはお二人とも楽しかった~と言ってくれる。
そして、櫻井さん、宮崎さんに息子の出産と異動の件を報告。
「息子が無事生まれました」
「今日が僕の最後のイベントでした」
「神様のカルテ2が最後で良かったです」
お二人からお祝いと労いの言葉を頂く。
特に櫻井さんには『神様のカルテ2』『映画 謎解きはディナーのあとで』
そして『神様のカルテ2』と多くの作品でお世話になり
年下だけど本当に人間として尊敬できる方だったので感慨もひとしお。
息子が大きくなったらパパはこんなすごい人とお仕事してたんだよ
と自慢するつもり。
イベント自体の翌日の露出も素晴らしいものだった。
まさに有終の美。
あぁ、本当に良かった。

それから会社に戻って、お世話になった宣伝部で最後のご挨拶。
最近涙もろくなっていたので自分でも泣いちゃうかも…と思っていたんだけど
『座頭市THE LAST』でお世話になったプロデューサーが
わざわざ会社に来てくれて色々話させて頂いたら
気分が落ち着いて自分らしい挨拶が出来た。
本当に色々とみんなに伝えたいことはあったんだけど
会社に使われるのではなく、
会社を使えるような働き方をしていきましょう、
ということだけはきっちりと言わせてもらった。
上の人達は苦い顔してたみたいだけど。
そして、立つ鳥跡を濁さず。
机をきっちり整理して引き渡し。
定時に切り上げ、息子の待つ病院へ直行。
パパは今日頑張ってきたよと息子に報告。
ガラス越しだったけど、微笑んでくれたような気がして
一気に色んなものが吹っ飛び
喜びの彼方へ。

4/10
息子の人生のスタートに立ち会いたいと思い
育児休暇を取ることにする。
本当は東宝初の男性社員の育児休職にしたかったのだが
宣伝部時代にたまっていた振替休暇と積立休暇を組み合わせて
1か月の育児休暇にすることにする。
(5/7に復帰します)
巷で言われるイクメンというやつなのかもしれないが
実はこの言葉があまり好きではない。
育児はブームではないだろうと。
この業界にいると家族を顧みずに仕事に打ち込む人達も大勢いて
それはそれですごいことだとは思うんだけど
自分は何か違うなと思っていて、
自分はやっぱり自分の家族を大切にしたいなと。
そんな折に結婚して息子を授かり自分の家族を持つことになった。
そして、その時の担当作品が『神様のカルテ2』だった。
作品のテーマの1つが仕事を取るか? 家族を取るか?
何という巡り会わせ。
運命としか思えなかった。
作品の中の主人公同様に悩みつつも
実は既に僕の中で答えは出ていた。
ここまで読んでもらえれば分かると思うけど
僕は家族を取る。
もし仮に『神様のカルテ2』の大ヒットイベントと
嫁の出産が重なるようなことがあったら
僕は迷うことなく出産を選んだと思う。
(櫻井さん、すみません)
でも、実際は絶妙にズレてくれたから
自分の日頃の行いに感謝したいと思う。
しかも、イベントの翌日が嫁の退院日だった。
こういうところは自分は本当に運がいい。
持っている。

というわけで、現在育児真っ最中です。
会社の後輩から聞いたのですが、
椎名林檎の言葉で
「育児ほどクリエイティブなことはない」
というのがあるらしく、今それを心から実感しています。
日に日に変わっていく息子を育てるのは
確かにこれ以上ないほどクリエイティブなことで、
かつこれ以上ないほどの喜びに溢れるものです。
正直毎日泣いています。
自分の目の前で一生懸命に生きて動いている息子を見る事に
勝る喜びがあるんだったら教えてほしいです。
僕には到底思い浮かびません。

40歳にして結婚、異動、出産と人生が劇的に変わりました。
これだけドラスティックに変わるとむしろもう笑っちゃうくらいで
自分でも楽しくて仕方がないです。
これは映画以上かも。

Life is wonderful.



【2014/4/23】
《text:Yusuke Kikuchi》

関連記事

特集

【注目の記事】[PR]

特集

page top