【インタビュー】早見あかり×竹内太郎 悩んで・ぶつけて…2人の“演じる”コト

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早見あかり×竹内太郎『百瀬、こっちを向いて。』/PHOTO:Naoki Kurozu
  • 早見あかり×竹内太郎『百瀬、こっちを向いて。』/PHOTO:Naoki Kurozu
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  • 竹内太郎『百瀬、こっちを向いて。』/PHOTO:Naoki Kurozu
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  • 竹内太郎『百瀬、こっちを向いて。』/PHOTO:Naoki Kurozu
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  • 竹内太郎『百瀬、こっちを向いて。』/PHOTO:Naoki Kurozu
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「あまり決めつけずに力を抜いて…あかりんに任せる感じでした(笑)」と竹内太郎が言えば、早見あかりは「任されてたの? 私」と笑いつつ、「太郎ちゃんがいたから頑張れたんだと思う」とうなずく。

映画『百瀬、こっちを向いて。』で2人は、ある事情からカップルのフリをすることになるノボル(竹内さん)と百瀬(早見さん)を演じている。リハーサル・撮影を通じて「カメラが回ってるときも、回ってないときもホントにホントに毎日、ずっと一緒にいた」(早見さん)という2人が本作について語り合った。

原作は、著作が次々と映画化されている人気作家・乙一が“中田永一”名義で発表した青春小説。サエない高校生活を送るノボルは、幼なじみで学校の人気者の先輩・瞬から百瀬を紹介される。瞬は交際中の恋人がいるのだが、百瀬との関係が噂になったため、疑いをそらすためにノボルが百瀬と付き合っているフリをすることになり…。

早見さんにとっては初の主演映画。最初に決まったときは「ビックリしたし、嬉しかった」と語るが、不安もあった。百瀬は瞬に想いを寄せており、傷つくことを分かっていながら、少しでも瞬のそばにいたいがために、ノボルと付き合っているフリをすることに協力し、瞬の本命の彼女の前でも“瞬の後輩の彼女”として健気に笑顔を振りまくが、早見さんは「百瀬の恋愛観が私には全く理解できなかった」という。

「正直、私に演じ切れるのか? という不安やプレッシャーはありました。百瀬は瞬に恋人がいると知ってても好きだけど、私は自分の方を相手が向いてくれないと思ったら好きにならないですね。女の子…というか私は、やっぱり追うよりも追われる方が幸せなんです(笑)。だからこういう状況には絶対にならない! ただ、理解できない自分から遠く離れたキャラクターになるのが“演じる”いうこと。自分で選んだお仕事なので『やらなきゃ!』という思いでした」。

一方の竹内さんは別の悩みに直面!

「役の設定は15歳なんですが、撮影時の僕は22歳。7年も前の年齢の役をいま出来るのか? という不安はありましたね。役柄的にも、普段の僕とは少し離れたキャラクターでしたし。自分が高校生の頃はどんな風だったかな? とふり返りつつ、でもあまり固め過ぎずに臨みました」。

校内ではラブラブなカップルを演じつつ、百瀬の頭にあるのは瞬のことだけで、ノボルには一切興味なし。自由奔放にノボルを振り回し毒舌を吐く百瀬のSっぷりが心地よいが、ここでも早見さんは苦労した。

「結構、乱暴な言葉も言うんだけど、なかなかやりきれなくて…(苦笑)。自分では精一杯、乱暴にしてるつもりなのに『もっとできないの?』と言われてました。映画を観ると、楽しそうにやってるように見えるかもしれませんが、自分の中では一番苦労した部分ですね」。

役柄、そして2人の関係性を深めるために、クランクインの前に約1か月にもわたる、異例とも言える長期のリハーサルが行われた。場所はまさに、このインタビューが行われた映画会社の会議室。早見さんはこの1か月をこうふり返る。

「この期間で頭で考えるよりも、繰り返しやってみて吸収していき百瀬に近づいていきましたね。2人の関係性も話し合ったというよりも、リハーサルで監督から言われたことを互いにやっていく中で出来上がっていった感じでした。最初は『どうやって百瀬に入り込めばいいの?』という思いでしたけど、この1か月があったので、撮影に入る頃にはすんなりと百瀬になっていました。会議室ではなく実際の風景を目の前にして変わってくる部分、見えてくることも当然ありました。でも土台があったから迷いはなかったですね」。
その一方で唯一、あえてリハーサルなしで臨んだシーンがある。それは2人にとってのラストシーンとなる河原を歩く場面。それ以外のシーンとは明らかに違う印象を放つシーンに仕上がった。竹内さんはこのシーンに込めた思いをこう説明する。

「生の気持ちのままでやりたいと僕もあかりんも思っていて、監督に助けていただきながらほぼぶっつけ本番で臨みました。夜明け前なんですが、朝日が昇るまであと1~2時間という中で撮ったんです。あそこで百瀬に『こっち向いてよ』と言うんですが、本当に大事なセリフだからこそすごいプレッシャーでした。どう言おうか考えても答えは出てこないし、流れに身を置いて、その時の気持ちで言うしかないなって。やってみたら、そんなに意識せずに自然にセリフが口をついて出てきました」。

早見さんにとってもこのシーンは他のどのシーンよりも大変で、印象深いシーンとなった。

「本当は晴れていたらよかったんですけど、天気に恵まれずにポツポツと雨が降っていて『最後の大事なシーンなのに、何で晴れてくれないんだよ!』って思ってたんです。でも、最終的に出来上がった映画を観たら、ほかのシーンは太陽の光でふわふわしてすごくキレイなんですけど、あのシーンは2人の気持ちとリンクするかのようにちょっとどんよりとした暗がりのシーンに仕上がっていて、結果的にあれでよかったのかなと感じました」。

映画そのものも、2人にとって忘れられない作品になった。早見さんは「やっぱり自分とは違う百瀬という女の子を演じてみて、自分は女優というお仕事が大好きなんだなと改めて実感できました。いろいろつらいこともあったはずなのに、いまふり返ると楽しいことしか覚えてないんです(笑)。この現場のことは絶対に忘れません」と言葉に力を込める。

竹内さんにとっても本作は本格的に参加した初めての映画作品。「こうしてひとつの作品に最初から最後まで関わるということが初めてで、すごくいい経験をさせていただきました。こうやって作品に携わるということは、責任を伴うんだなと実感しました。正直、僕はこれまで先輩方の苦労が分かってなかったです。この世界で、何本も主演を張っているみなさんは本当にすごいんだと改めて思いました」。

映画は15年後、30歳になったノボル(向井理)が新鋭作家として母校を訪れ、百瀬との思い出を回想することで展開する。15年後、早見さんと竹内さんはこの映画のことを、若く瑞々しく感性で演じたこの役のことをどのように思い出すだろうか――? あの日の雨が、2人にとってずっと忘れられない切なくも優しい雨であることを願いたい。
《photo / text:Naoki Kurozu》

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