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【MOVIEブログ】帰国後の時差ボケ日記

カンヌから帰国するとすぐにバタバタの毎日が…。

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カンヌから帰国するとすぐにバタバタの毎日が…。

【5月27日(火)】
帰国日。8時に成田着。11時に家に着き、即洗濯。合間に近所のラーメン屋さんに行き、久しぶりの日本の味を堪能して替え玉までしてしまった…。いいのだ、ダイエットは6月からにしよう。

午後になり、出勤しようかと思ったものの、体が鉛のように重く、抗い難い眠気でふらついてきた!ので、2時間ほど昼寝。自宅で急ぎの用の電話を3本ほどかけて、メールを少しだけ書いて、よろよろしながら落語のお稽古へ。

今日から新しい期の最初の稽古なのだ。帰国日で出勤しないのに落語の稽古には行く、というのが許されるのかどうか分からないけれど、まあいいのだ。プライオリティーの問題。

新しい演目を帰国便の中で必死に覚えていたのだけど、当然まだまだダメ。取り組んでいるのは「饅頭こわい」で、落語で最も有名な演目のひとつにして、立川談志が著作の中で前座に覚えさせる噺のひとつとして挙げていたので、それに倣ってみた次第。物語の流れよりは、ノリとテンポと勢いが大事な話なので(僕の解釈だけど)、セリフを覚えた上でいかにリズムに乗るかがポイント。難しい!立川談修師匠が、厳しく丁寧に指導してくれるので、時差ボケも忘れる。幸せ。

お稽古終わると、やっぱり雲の上を歩いているかのようにフラフラするので、そのまま帰宅。ちょっと鼻の奥がヒリヒリする…、と思ったら鼻水がドバドバ流れてきた。風邪?海外出張から帰国して風邪をひくなんて、僕の行動パターンの中にはあり得ないので、無視することにして、0時就寝。

【5月28日(水)】
夜中に目覚め、そのまま寝られず、明け方寝る、という典型的な時差ボケ症状が早くも炸裂。そして、鼻水が止まらない。これはヤバイ…。

久しぶりにスーツを着て、重い体を引きずるようにして昼にようやく出勤し、机のまわりを片づけて、通常業務に戻らねばと体制を整えた瞬間に、17時になってしまった。結局何もできないまま、カナダ大使館へ。

「カナダ大使館主催 ドキュメンタリー映画シリーズ カナディアン・ストーリーズ」と題して、月に1本カナダのドキュメンタリー映画を上映する企画が、カナダ大使館内のオスカー・ピーターソン・ホールで始まっており、本日が実質の第1回。上映するのが、2011年の東京国際映画祭で紹介した『ドラマーズ・ドリーム』で、その縁もあって、上映前の作品紹介役に僕がご指名を頂いたのでした。

帰国翌日で体は楽ではないのだけど、今年のカンヌはカナダの年だったこともあり、今日この場で話せるのはとてもタイムリー。なんといっても、今年のカンヌには、エゴヤン、クロネンバーグ、そしてグザヴィエ・ドランの3本がカナダからコンペ入りして、しかもドランはカンヌの堂々たる主役となったわけで、その熱狂をカナダ大使館にて報告できることがとても嬉しい。

約20分間しゃべって、退館。家に直行し、至急見なければいけない仕事のDVDを見始めたものの、プチっとスウィッチが切れるかのように意識が切れ、ダウン。

【5月29日(木)】
またもや寝たり覚めたりを繰り返して、本日は10時にカジュアルな服装で出勤。しかし、昨日本番がひとつ終わったことで気が緩んでいたのか、職場についてから、今夜レセプション・パーティーがあることに気付いた!今日から始まる「EUフィルムデーズ」のレセプションで、さすがにジーパンでしかもジャケット無しではまずいだろう…。しばし悩んだ末、やはり社会人としてちゃんとしようと思い、自宅に戻ってスーツに着替え、また職場へ。大バカ者だ…。

18時前に職場を出て、レセプション会場のフィルムセンターに行ってみると、これから作品上映だとのこと。レセプションは20時からだった…。スーツは忘れるは、時間は間違えるはで、時差ボケでは済まされない深刻なボケ状態の自分を呪いながら職場に戻り、少し仕事してから再びフィルムセンターへ。今度こそパーティーに参加して、幾人かの方にご挨拶。

ウーロン茶だけで我慢し、帰宅して、明日の準備を少しして、眠気に抵抗できずにベッドへ。

【5月30日(金)】
明け方から目が覚めたきり眠れず、昼が眠い!どうにも眠い!風邪は大したことなさそうでよかったけど、ボケボケだ…。

そんな状態で、午後から重要なミーティングが4連発。とても不愉快な懸案事項もひとつ。いや、ふたつ。

カンヌでのミーティングのまとめや、溜りに溜まったメールの返信など、やってもやっても「やることリスト」が一向に減らないので焦る。結局終電。むむー。

【5月31日(土)】
眠い!重い!昨日の繰り返し。どこかでがっつり休めばいいのだろうけどな…。

9時過ぎに職場に行き、今日のシンポジウムの最後の準備。あれも触れられたらいいな、とか、この話題も振ってみようとか、当日になって色々と浮かんでくるので困る。もっと早くエンジンがかかっていたら、多くの人に迷惑をかけずに済んだはずなのに!

13時にフィルムセンターへ。「EUフィルムデーズ」のシンポジウムの司会進行。パネリストは、チェコのイジー・ストラフ監督と、ブルガリアのペタル・ポプズラテフ監督と女優のイルメナ・チチコヴァさん、の3名。テーマは「ヨーロッパ映画の現在」としたけれど、今年が89年からちょうど25年であることから、旧共産圏のこの2国の映画の状況が89年を境にどう変わっていったか、を中心に聞くことにする。

東欧とはいっても、チェコとブルガリアはかなり距離が離れているし、言語も当然違うし、ふたりの監督の世代も違うということで、共通のテーマを展開するのがなかなか簡単ではないのだけれど、その分、共通項が見つかったときや、話が噛みあった時の喜びが大きい。何よりも、映画という共通のテーマがそもそもあるわけだから、進行するのがそんなに難しいことであるはずがないのだ。

テーマが大き過ぎて、結局はその表面をなでるくらいのことしか出来なかったけれど、「ベルリンの壁崩壊後25年の旧共産圏の映画の今」という切り口はとても興味深いものだと思うので、もっと掘り下げたかった!どこかで誰か続きをやってくれないものかな。

1時間半近いシンポジウムを終えて、職場へ。カンヌ直後の仕事を引き受けてしまうのは、準備に時間がかけられないことと、自分が時差ボケでヘロヘロなこととで、依頼主に迷惑をかけてしまっていけないかなあ、と自問しつつ、とりあえず無事に済んでひと安心。

そのまま職場で夜までDVDを見て、22時半に退散。明日の日曜はたくさん寝るぞ!
《矢田部吉彦》

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