映画より映画的? 「シガー・ロス」がスクリーンでも愛される理由とは…

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「シガーロス」の楽曲「Hoppiolla」を起用した、フランス発の感動作『グレート デイズ!-夢に挑んだ父と子-』/(C) 2014 NORD-OUEST FILMS PATHE RHONE-ALPES CINEMA
  • 「シガーロス」の楽曲「Hoppiolla」を起用した、フランス発の感動作『グレート デイズ!-夢に挑んだ父と子-』/(C) 2014 NORD-OUEST FILMS PATHE RHONE-ALPES CINEMA
  • 「シガーロス」の楽曲「Hoppiolla」を起用した、フランス発の感動作『グレート デイズ!-夢に挑んだ父と子-』/(C) 2014 NORD-OUEST FILMS PATHE RHONE-ALPES CINEMA
  • 「シガーロス」の楽曲「Hoppiolla」を起用した、フランス発の感動作『グレート デイズ!-夢に挑んだ父と子-』/(C) 2014 NORD-OUEST FILMS PATHE RHONE-ALPES CINEMA
  • 「シガーロス」の楽曲「Hoppiolla」を起用した、フランス発の感動作『グレート デイズ!-夢に挑んだ父と子-』/(C) 2014 NORD-OUEST FILMS PATHE RHONE-ALPES CINEMA
  • 「シガーロス」の楽曲「Hoppiolla」を起用した、フランス発の感動作『グレート デイズ!-夢に挑んだ父と子-』/(C) 2014 NORD-OUEST FILMS PATHE RHONE-ALPES CINEMA
  • 「シガーロス」の楽曲「Hoppiolla」を起用した、フランス発の感動作『グレート デイズ!-夢に挑んだ父と子-』/(C) 2014 NORD-OUEST FILMS PATHE RHONE-ALPES CINEMA
今年のフランス映画祭2014でオープニングを飾った映画『グレート デイズ!-夢に挑んだ父と子-』

物語は、車いすの青年と失業中の父親が2人でトライアスロンの最高峰“アイアンマンレース”に挑戦し、家族の再出発を目指す――というもの。

8月29日の初日鑑賞者のアンケートによれば、本作の満足度はなんと97.5%。WEBやTwitterには「ものすごくあったかくて、ものすごく力強い映画」、「あたたかい涙ってこういう涙だって、久々に感じました」、「素直に泣いた快作だ」などという感想が書き込まれ、本作が持つポジティブなパワーが反響を呼んでいる。

とりわけ目立つのは、本作の予告編やクライマックスシーンに使用されている挿入歌についての書き込みだ。その楽曲は、アイスランド出身の世界的ポストロックバンド「シガー・ロス」4枚目のアルバム「Takk…」に収録されている「Hoppipolla」。父子2人で挑んだ、スイム3.8km、バイク180km、ラン42.195kmという過酷な“アイアンマンレース”のゴール目前、感情の高まりとともに絶妙のタイミングで「Hoppipolla」が流れ、映画に深い余韻を与えている。



「シガー・ロス」は、ビョークや「ムーム」と並ぶアイスランドの代表的なアート系ポストロックバンド。「レディオヘッド」のトム・ヨークもファンを公言しており、彼らの音楽は、荘厳で深遠、繊細にして激情を湛えた幻想的な重層音と、フロントマンのヨンシー・バーギッソンの透き通ったエンジェリック・ヴォイスが、聴く者を幻想的な覚醒感と甘美な陶酔感で包み込み、唯一無二の音世界を醸成させている。

彼らは、1997年のアルバム・デビューから現在まで、アルバム6作品が本国のアイスランド・チャートで1位に輝き、2002年の「( )」はグラミー賞ノミネートのほか、数々の賞を受賞するなど、瞬く間に世界で大ブレイク。2013年には、3人編成になってからは初の、7枚目となるスタジオ・アルバム「Kveikur」をリリースし、いまなお世界中でファンの心を掴み続けている。

また、世界各地のリスナーやメディアに高く支持されている一方で、その楽曲の数々は各国の映像作家たちの感性をも刺激し、多くの映像作品に使用されている。『春にして君を想う』(’91)で知られる、アイスランド人映画作家フリドリック・トール・フリドリクソン監督作『Angels of the Universe』(’00)のスコアを始め、本国ではドキュメンタリー映画『Hlemmur』(’02)のサントラも制作。

2001年には、『あの頃ペニーレインと』などで知られるキャメロン・クロウ監督の熱烈な要望に応じてトム・クルーズ主演『バニラ・スカイ』に楽曲3曲を提供し、次作のマット・デイモン主演『幸せへのキセキ』(’12)では、ヨンシーがサントラを制作したことも記憶に新しい。

そのほかにも、ウェス・アンダーソン監督作『ライフ・アクアティック』(’04)、スサンネ・ビア監督作『アフター・ウェディング』(’06)、ダニー・ボイル監督作『127時間』(’10)などにも、こぞって彼らの楽曲が使用されている。

さらに、「シガー・ロス」が2012年に発表した6枚目のアルバム「ヴァルタリ~遠い鼓動」では、そのリリースを記念したミュージックビデオ・プロジェクト「シガー・ロスの世にも奇妙な映像実験」(The Valtari Mystery Film Experiment)」が敢行された。このプロジェクトは、シガー・ロスが自ら選んだ映像作家にそれぞれ予算1万ドルを渡し、同アルバムから選曲し、感じ取ったままを自由に映像作品として制作するという意欲的な試み。イタリアの女性フォトグラファーで『ランナウェイズ』('10)で長編映画を初監督したフローリア・シジスモンディ、イスラエルの映画監督アルマ・ハレル、『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』('02)のジョン・キャメロン・ミッチェル監督などが参加、エル・ファニングやジョン・ホークス、全裸にもなったシャイア・ラブーフなどの出演が話題となった。

これまで他のどのアーティストも生み出しえないワン&オンリーの音楽世界を作り上げ、映像作品にも精力的にも参加し続ける「シガー・ロス」。元「CUT」副編集長で映画ライターの門間雄介氏は、「シガーロスの楽曲には、悲しみも歓びも、優しさも美しさもすべてある。そのドラマ性、スケール感は、時として映画を上回るほど。サウンドトラックとして愛される理由はそこにあると思います」と分析している。

今年でバンド結成20周年を迎え、ますます飛翔し続ける彼らの楽曲が相乗効果をもたらす“映像作品”は、それだけでも一見の価値はありそうだ。

『グレート デイズ!-夢に挑んだ父と子-』は全国にて公開中。
《text:cinemacafe.net》

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