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命より大事なノート
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ああ、ブログの更新が完全に止まってしまった…。かれこれ数か月?いったい、前はどうやって書いていたっけ?

日中のデスク業務以外の全ての時間を応募作品のDVDを見ることに費やす夏が、今年も過ぎていきました。ブログを書こうにも、弱音やグチや焦りや不安以外に書くネタがないし、この時期に、試験前日に勉強していなくて焦る夢や、単位不足で大学の卒業がピンチで泣きそうになったりする夢を立て続けに見てしまうのは毎年書いているし(今年も同じ夢を相変わらず見る)、まあともかく精神状態が普通ではないので、ブログになかなか手が伸びない…。

かつてはそんなことは考えなかったのだけれど、最近はこのブログをもしかしたら映画祭に応募している作品の関係者の人が読んでいるかもしれないと思ってしまい(自意識過剰ならいいのだけど)、あまりどういう状況で作品を見ているかを知られない方がいいのかもしれないと思うと、ますます書けなくなってしまう。

でも、書けることしか書いてないブログもつまらないので、あまり気にしないで書いてみると…。

やはり年々夏がきつくなる。10月下旬開催の東京国際映画祭で上映する作品を選定する立場に僕が就いた7年前と今とでは、検討作品数が2.5倍くらい増えている。当時500本くらいだったのが、今は1,300本くらいになっている。もちろん、ひとりで1,300本見るわけにはいかないけれど、やはり1本でも多く目を通したい。となると、後は時間との戦いになってくる。

7月と8月は、平日は職場に出勤して会議やら何やらこなさなくてはいけないので、早朝と夜間に数本ずつ見る。帰宅は早くて終電。土日は、朝5時に起きて、午前1時くらいまでノンストップで見る。すると週末で20本は見られる。いや、それでも20本「しか」見られない。焦りがつのる。1日20時間近く集中して、かつ公平な気持ちを維持して映画を見続けるのは、これは僕なりに経験を積んで出来るようになっているつもりだけれど、どこかで自分を破壊しているような気にもなり、それが気持ち良かったりもするのでなかなか始末が悪い。たぶん人としてあまりまともなことでなく、まともでない人に見てもらっては映画に失礼ではないかと考えもするし、なのでこういう舞台裏は書かない方がいいのではないかと思ってしまう次第…。

とまあ、結局は忙し自慢をしているだけではないかということで止めるけれど、とにかく徹底的に映画と向き合う、それこそ1本の映画を作る人の莫大な労力に負けないように、本気で真剣に映画に向き合うことを、僕はやらなくてはいけない。それが僕の夏なのだ。って、カッコつけ過ぎだな。いやでも、本気でそう思わないと、できないのだ。

当たり前のことで、これもいつも書いていることだけど、僕の仕事は作品をたくさん見ることではなく、優れた作品を1本でも多く見つけることなので、そこを勘違いしてはいけない。では優れた作品とは何なのだ、ということを常に問いかけ続ける必要がある。でも、正解の無い(あるいは正解が無数にある)この問いを自分に問いかけ続けてしまうと、本気で崩壊してしまうので、適度に直観に頼りつつ、自分を信じて進めていくしかない。でも、優柔不断で有名な(たぶん)僕は、スッパリした判断を下す能力に著しく欠けているので、エンドレスな夏はたとえ涼しくなってしまってもエンドレスに続くのだった…。

とはいえ、ついにもう9月。こんな今年のモグラ生活も、そろそろ出口が見えてきた、かな。招待が決まった!と思ったら諸般の事情で取り消しになって激しく落ち込んだりする事態がまだ発生しているので、完全に終わりではないけれど、今週でおおよその形は見えてきたみたい。

なので、少しずつ社会復帰を試みながら、ブログもなるべく更新していこうと思います。ということで、またお付き合い頂けましたら、嬉しいです。

(写真は、自分の命より大切な、今年の鑑賞作品のメモを記したノート。気合いと願いを込めて、ゴダールを扉に貼ったのだ。このノートをなくしたら、数百時間が無駄になるので、本気で自分の命より大事…。)
《矢田部吉彦》

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