【MOVIEブログ】東京国際映画祭 Day5

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ボグダノビッチ監督/『シーズ・ファニー・ザット・ウェイ』Q&A
  • ボグダノビッチ監督/『シーズ・ファニー・ザット・ウェイ』Q&A
27日、月曜日。またまた晴れ!昨夜一瞬雨が降って心配になったけど、よかった。今朝も8時に必死に起き上がり、9時前には映画祭事務局へ。

懸念事項の推移を見守り、いったん見えてきた「落としどころ」を確認しつつ、溜りに溜まったデスク業務を処理すべくパソコンに向き合うと、あっという間に1時間半経過。

12時に、少し武者震いしながら劇場に向かい、『壊れた心』の2回目の一般上映へ。今回の上映は小さめのスクリーン。打ち合わせ場所に行くと、やはりクリストファー・ドイルが踊っている。全くこの人といったら!昼だよ、昼。上映終わってQ&A開始。劇場に入ると、段取りなんてあるわけがなく、クリスは例の謎のティッシュのパフォーマンスで会場を駆けまわる!

しかし、あれですね。人間って慣れますね。完全に慣れた。一昨日の『壊れた心』の巨大なスクリーン7でのハチャメチャ騒ぎと、昨夜の『神様なんてくそくらえ』の異次元空気のQ&Aを経た今では、もうちょっとやそっとでは何とも思わない自分に、逆に驚くくらい。人はこうやって経験から学んでいくものなのだ!クリスが最終的に良き人だというのが分かってしまったからというのもあるけれど、いなし方が分かったというか、ペースの合わせ方を掴んだというか、まあともかく今日はリラックスして楽しむことが出来てよかったな。

『壊れた心』のチームも前回よりはリラックスして、質問にもまともに回答し、なんだかいい感じ。ずるいなあ。今日は会場の一体感もあって、相変わらず映画に対する観客の反応がよく分からないのだけど、少なくとも上映とQ&Aを一緒にした総合パフォーマンスに対する満足度は高かったのではないかな?少なくとも、僕は楽しかった!

Q&A終わり、これで帰国してしまうクリスとハグ。元気でね。

席に戻り、懸案事項(その2)を処理すべく、必死にパソコンに向かう。んー、間に合わん。

14時から、コンペのひとりの監督に対し、映画祭の公式媒体用のインタビュー(される方じゃなくて、する方)をひとつ。

15時25分から、『1001グラム』の記者会見司会。今日からベント・ハーメル監督に加え、主演のアーネ・ダール・トルプさんが来日してジョイン。ハーメル監督と他の監督との違いについて女優の視点から語ってもらい、面白い。映画を見れば明らかではあるけれど、ハーメルの世界の住人になるためには、ハーメルの美意識に完全に溶け込むことが不可欠となる。全てを正確にこなすことが、ハーメル世界へのパスポートなのだ(というのは僕の解釈)。

そして、今年の映画祭の最高の緊張物件のひとつ、『シーズ・ファニー・ザット・ウェイ』の上映司会へ。

夏のDVDモグラ期(=作品選定のために地下深くもぐって作品を見続ける時期のこと)に本作を見て、あまりの面白さに狂喜して、まだ日本公開が決まってないというので映画祭への出品をオファーしたら、なんと快諾をもらって小躍りしたものの、まさかボグダノビッチの来日が決まるとは思わなかった…。

そして、迎えた上映当日。満席のスクリーン7(TOHOシネマズ六本木最大のスクリーン)が、揺れた!

場内のウケ方はハンパでなかったようで、一歩足を中に踏み入れると、熱気がひしめいている。僕は久しぶりに骨の髄まで緊張し、ボグダノビッチ監督を呼び込むと、監督は客席からゆっくりと階段を下りてきて、僕の横にゆっくりと座った。それが、初対面。

まあ、ともかく久しぶりに緊張した。いつもならペロっと出てくる最初の質問が、全く自分の口から出てこない。スムーズな進行より、発言できる人をひとりでも増やした方がいいということを言い訳に、すぐに客席にマイクを渡してしまった。いや、聞きたいことはたくさんあったのだ。でも、どうやって始めていいか、本当に分からなかった!

ボグダノビッチは少し足腰が弱っているようで、そして語り口もゆっくりになっているけれど、頭のキレはシャープそのもの。威厳があって怖そうだけど、ユーモラスでもある。バカなことを言ったら承知しないよ、という目で見るけれど、突き放すことはなくて包容力がある。そんな感じだ。会場も一体になって、ボグダノビッチと同じ空間にいることを祝福している。それもこれも、『シーズ・ファニー・ザット・ウェイ』があまりにも素晴らしい出来だから!

『シーズ・ファニー・ザット・ウェイ』に出演しているオーウェン・ウィルソンの起用の理由から始まり、オードリー・ヘップバーンやマリリン・モンローとの思い出、そして何故今コメディーを撮るのか、ということを含めて語ってくれた、極めて貴重な40分。会場にいた人には、一生の記念になったはず!

会場は今期一番の熱に包まれ、その熱は純粋な映画愛の炎がもたらす熱であり、間違いなく、今年の東京国際映画祭のハイライトは、この瞬間にあった。歴史的瞬間だったと言ったとしても、会場にいた誰一人として大げさであると否定しないだろう。本当に、本当に貴重な時間だった!

ふうー。僕の映画祭のヤマ場はひとつ越えたかな。心地よい疲れにフラフラしながら、職場に戻って一息。弁当食べて、パソコン業務を少し。

19時から、「日本映画・スプラッシュ」の『滝を見に行く』のQ&A司会へ。沖田修一監督は、コンペに出品された『キツツキと雨』以来のトウキョウ参加で、低予算で有名俳優はゼロながら、シチュエーションで勝負したクリーンヒット。沖田さんが物事に対して「面白い」と思うポイントが興味深い。やはりとてもセンスの良い方だ。

19時45分から、『1001グラム』。ベント・ハーメル監督は「ベスト大人の監督賞」を授与することに決定!紳士で、頭が良く、威張らない。本当にこの3拍子を高いレベルで備えた監督だ。僕は今回一般上映2回と会見1回の計3回も質疑応答に立ち会ったために、かなりこの映画に詳しくなったけれど、他の人にもこの3回を全てまとめて聞いてもらえる機会を作りたいなあ。本日は時間が足りなかった!

22時から、「日本映画スプラッシュ」の『解放区』の上映前打ち合わせへ。僕は当初司会をする予定だったのだけれど、事情によって交替することになったのだけれど、太田信吾監督には挨拶をしておきたかったので、打ち合わせに顔を出した次第。

太田監督は役者としても活動していて、なんと今は海外公演中で、ドイツから本日のQ&Aだけのために今朝帰ってきて、そして明朝またドイツに戻るという。本作は見た後に監督に話しを聞きたくなるタイプの作品なので、やはり観客としては、そして映画祭としては、監督に多少の負担をかけても来てもらいたいというのが偽らざる本音なのだけど、それでもやはり申し訳ないものは申し訳ない!太田監督、ありがとうございます!

『解放区』ほど、インディペンデントでしか描けないものを描こうというスピリットに溢れている映画は滅多になく、今年の「日本映画スプラッシュ」をかき乱す存在になってほしい!

そして、23時から『マイティ・エンジェル』のQ&A。強度においては今期1番、と僕が感じたり書いたりしてきたのと同じ思いを抱いたお客さんもいらっしゃったようで、こんな映画は滅多に見ることができない。素晴らしい…

とここまで書いたら、目は開けていたものの、完全に寝ぼけて文章を書いていたようで、支離滅裂な内容になっていた。面白いのでそのまま載せてもいいのだけど、それも何なので、やめて引き上げることにします。どうして連日4時になってしまうのだろう?

映画祭、折り返したのかな?おかげさまで眠いこと以外は、体調は万全。後半戦もがんばっていこう!
《矢田部吉彦》

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