【MOVIEブログ】『雪の轍』『マッドマックス 怒りのデス・ロード』

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『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(C) 2015 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED
  • 『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(C) 2015 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED
  • 『雪の轍(わだち)』 - (C) 2014 Zeyno Film Memento Films Production Bredok Film Production Arte France Cinema NBC Film
2015年上半期のしめくくりに“静”と“動”の極端に振り切った2本の傑作をご紹介します。

マッドなアクションに胸を躍らせ、真っ当な会話劇に胸をえぐられました。

『マッドマックス 怒りのデス・ロード』の凄さはあらゆるメディアや感想ツイートによって拡散されていますので、言うまでもなく全映画ファン必見の1本です。去年のカンヌ映画祭でパルムドールを獲得したトルコ映画『雪の轍』にも驚きました。こんなにも残酷で執拗な台詞の応酬は見たことがありません。


『マッドマックス 怒りのデス・ロード』
緊張感と興奮が止まらない。白塗りの男たちと改造車が止まらない。シャーリーズ・セロンの立ち振る舞いが忘れられない。銀のスプレーの死に化粧が忘れられない。台詞が少なくて良い。太鼓とギターの爆音にアガる。棒高跳びの選手を思い出す。強烈な砂嵐が出現する映画に傑作多し。男も女も車もキャラが濃すぎる規格外のカーアクション。鑑賞後も数々のマッドな映像がフラッシュバックするほどの衝撃、大スクリーンで観るべき怪作だ。


『雪の轍』
ひたすら続く淡々とした会話劇に前半は少し退屈したが、段々と目が離せなくなり、しまいに胸をえぐられた。プライドと偽善、正論と本音のぶつかり合い。この容赦ない言葉の応酬は、私たち一人ひとりの記憶にも重なり、身につまされる。人間は孤独で傲慢な生き物だ。そして、人と人が分かり合うことがいかに困難なことか。カッパドキアの神秘的で壮大なロケーションと永遠に続くかと思うほど執拗な対話が繰り広げられるホテルの一室の閉塞感。自然と人間の対比を強調する映像も鮮烈で長尺を感じさせない。


最近観た中で、良かった映画をもう2本。

『ラン・オールナイト』で、リーアム・ニーソン&ジャウム・コレット=セラ監督タッグへの信頼感がさらにアップしました。『アンノウン』、『フライト・ゲーム』も面白いですが、今回はより正統派なアクション映画。マフィアのボスと殺し屋、父と息子。男たちの感情を乗せたカメラがNYの街を縦横無尽に駆け巡ります。『グローリー/明日への行進』はキング牧師の生き様を描く社会派ドラマの一面はもちろん、“自由への行進”をとらえるダイナミックな映像の力に惹かれました。

今年の前半を振り返ると洋画は豊作だった気がします。邦画は見逃している作品も多いですが。それでは、うっとうしい梅雨と暑い夏は映画館へ通って乗り切りましょう。
《text:Shinpei Oguchi》

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