※本サイトはアフィリエイト広告を利用しています

【インタビュー】「女優を辞めようと思った」清野菜名を挫折の淵から救った、運命的出会いとは

運命を変えるものに、人は必ずどこかで出会っている。映画『東京無国籍少女』で映画初主演を飾った女優の清野菜名が辿って来た道のりを俯瞰すると、それがよくわかる。女優に憧れて愛知県から上京してきた一人の少女は、

最新ニュース インタビュー
注目記事
『東京無国籍少女』清野菜名/photo:Hayato Ishii
『東京無国籍少女』清野菜名/photo:Hayato Ishii
  • 『東京無国籍少女』清野菜名/photo:Hayato Ishii
  • 『東京無国籍少女』清野菜名/photo:Hayato Ishii
  • 『東京無国籍少女』 - (C) 2015東映ビデオ
  • 『東京無国籍少女』 - (C) 2015東映ビデオ
  • 『東京無国籍少女』清野菜名/photo:Hayato Ishii
  • 『東京無国籍少女』 - (C) 2015東映ビデオ
  • 『東京無国籍少女』 - (C) 2015東映ビデオ
  • 『東京無国籍少女』 - (C) 2015東映ビデオ
運命を変えるものに、人は必ずどこかで出会っている。映画『東京無国籍少女』で映画初主演を飾った女優の清野菜名が辿って来た道のりを俯瞰すると、それがよくわかる。女優に憧れて愛知県から上京してきた一人の少女は、東京で挫折を経験し、女優になる夢を諦めかけた。しかしそんな清野に手を差し伸べ、助けたのが、華奢な体から繰り出されるキレのあるアクションだった。

運命を変えるものに出会ったのは、上京して間もない頃。「偶然観た映画『バイオハザード』のミラ・ジョヴォヴィッチの姿に衝撃を受けました。ウィルスに感染した犬に追い詰められたミラが、壁を蹴って上る姿を見て“ヤバ! 私もやりたい”って思った」と清野さんは昨日のことのように興奮と共に遭遇の瞬間を振り返る。

事務所の紹介もあって、すぐに映画『VERSUS ヴァーサス』の主演俳優としても知られる坂口拓のアクション養成所の扉を叩き、1年間通い詰めてスキルを磨いた。準備は万端。ところが思うように仕事が来ない。「昔から変な自信があった」という楽観主義も影を潜め「自信も一つずつ潰されていきました。スケジュールは真っ白でバイトばかりの日々。たまにある仕事も、誰かのボディダブル。“私、何をしているんだろ? こんな事をやりたいわけじゃなかったのに…”と落ち込んでいました」。

「この仕事は私には向いてない。辞めよう」。そう思い悩んでいた時期にたまたま受けたのが、園子温監督の映画『TOKYO TRIBE』のオーディションだった。しかしそれも不合格。ところが、スタント枠として再度オーディションを受けた清野さんのアクション演技を見た園監督が「アクションをやっている時の君は輝いている」との言葉と共に、清野さんをヒロインに急遽大抜擢した。この話題作への出演をきっかけに、清野さんは若手女優として一躍注目を浴びる存在に。憧れたアクションが、自らの女優生命を救った。

生まれ変わった清野さんに用意された初主演映画『東京無国籍少女』(押井守監督)も、アクションがキー。クライマックスに衝撃と秘密が待ち受ける幻想的実写映画といえる本作のハイライト、ロシア兵とのバトルはまさに独擅場だ。練習期間として用意されたのはたった3日とあまりにも少な過ぎたが「売れない辛い時期を経験していたので、どんなに苦しいことがあっても、当時を思い出すと何でも乗り越えられる気がする」というマインドで体当たりした。

最も苦戦したのは、銃を持っての殺陣。「戦いながら片手でマガジンチェンジをするときに、銃が重すぎてダラッと下がってしまって、押井監督から“それじゃロシア兵を倒すようには見えない”と言われてしまいました」と打ち明けるが、その一言がアクション魂に火をつけた。「悔しくて銃を家に持って帰りました。銃を自分の肩と部屋の壁に挟んで意識しないようにテレビを見ながらマガジンチェンジを交換する練習もしたし、銃の重みを感じて自分の足で家に帰るという行為も自分の中での馴染むポイントになった」と自主練の成果を感じている。

撮影現場では、納得のいくまで押井監督とディスカッションを重ねたという。そこには「事前に渡された台本はプロット程度のもので、セリフも少なく表情で見せる演技が中心になるので、納得して理解しないと出来ない役だと思ったから」という理由もあるが、一番は主演という意識が関係している。「経験の浅い新人という部分で負い目があって、監督と話し合いが出来ない事も多かったけれど、この作品では主演という立場も大きくて、初めて監督ととことん話し合いました。完成した映画は納得しながら出来た分、目にも自信が宿っているように見えた」と胸を張る。

女優としての目標を聞くと「ハリウッド進出」と即答する。すでにヴィジョンは確立済で「ミラの姿に影響を受けてアクションを始めたので、ハリウッドに進出した際にはミラと共演して同じ仲間として戦う役どころのアクション映画を撮りたいです。もちろん監督はポール・W・S・アンダーソンで」。運命を変えるものに、人は必ずどこかで出会っている。それを極めようと努力すれば、おのずとチャンスは訪れる。
《photo / text:Hayato Ishii》

関連記事

特集

【注目の記事】[PR]

特集

page top