【MOVIEブログ】2015東京国際映画祭 Day1

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【MOVIEブログ】2015東京国際映画祭 Day1
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晴れた! イベントごとは晴れたら8割成功、と思っているのだけれど、朝の青空ほど嬉しいことはない!昨夜はやはりかなり遅くなってしまい、7時就寝9時起床。かつて開幕時に2夜連続で完徹した時代のことを思えば、2時間寝られるのは御の字!

外に出ると実に爽やかな気候で、気分も上々。まずドンキホーテに寄って白Tシャツを買って、映画祭事務局へ。スタバのコーヒーがぶ飲みして、本日の動きのおさらい。

10時半に、コンペ『スリー・オブ・アス』の前説へ。本映画祭の初司会。遂に自分も開幕! もっとも、前説的にひとことしゃべるだけなので、司会ということではないのだけど。『スリー・オブ・アス』は11月4日がフランス本国の公開日で、ケイロン監督は国内プロモーションに忙殺されており、どうしても来日が叶わなかった。本当に残念なのだけど、本人も本気で悔しがっているようで、思いのこもったビデオメッセージを送ってくれたのでした。僕が前説してビデオメッセージを流すと、会場から笑い声も。よかった。そのまま本編上映へ。あの上映前の雰囲気だと、結構映画もウケるのではないかな。なんといっても、この映画祭の最初の上映。うまくいきますように!

席に戻り、支給されるお弁当のおにぎりを食べながら、カーペット関連の資料の修正をパソコンに向かってパタパタ。

12時半からの予定は、コンペ審査員のランチの場に赴き、ご挨拶をすること。

映画祭の何がユーウツって、この審査員への挨拶ほどユーウツなことはない! 毎年のことだけど、会場に向かう足取りが重くなる。勇気を出して会場に入り、自己紹介。そして、コンペの作品選定基準や、選定についての考え方を説明。それから、賞の種類と、審査員にお願いしたいことを説明する。ナンサン・シーと大森一樹とトラン・アン・ユンとベント・ハーメルとスザンネ・ビアと、ブライアン・シンガーから、じっと見つめられる。逃げ出したい。

ユーウツの理由のひとつは、まあ、たんに緊張するから。やはり根がただの映画ファンなので、偉い映画監督を前にすると固まる。これはもうどうしようもない。ふたつめは、長きに渡って付き合ってきた16本のコンペ作品を、手放さなければならないから。自分の子どものように大事な16本を、養子に出さなければならない気分。お願いだから、大事に扱って下さいね…。

英語での説明はとても早口になってしまい、審査員のみなさん、若干キョトンとしていたけど、大丈夫かな。伝わったかな。でもブライアン・シンガー監督は穏やかに話を聞いてくれて、まずは安堵。トラン・アン・ユン監督はニコニコしてるし、ナンサン・シーさんも感じがいい。なによりも、怖そうだったスザンネ・ビア監督が笑顔だったので、助かった。ハハハ。大森監督とは何度かご一緒しているし、ハーメル監督は昨年がっつりお付き合いしたので大丈夫。審査員フォビア、今年で解消できるかな?

そそくさと会場を後にして、席に戻り、ブログをここまで書く。

続けて、カーペット関連の変更事項の調整が数件。

13時半から、「WOWOW賞」の選考員のみなさまにご挨拶。WOWOWの視聴者の中から厳選された選考員が決める「WOWOW賞」。第一回の昨年は、『草原の実験』に賞を与えるといういきなりの素晴らしいチョイスで、日本の映画ファンの趣味の良さを証明している。さて、今年はどうだろう。ざっと面会しただけど、昨年に比べて年齢層が少し若いかな? なるほど、WOWOWさん、そういう狙いで来ましたか。結果が楽しみだ!

14時から、カーペット上の動きの打ち合わせ。この期に及んで変更が発生し(あと1時間でスタートするというのに)情報共有すべくすり合わせる。

15時からカーペットのイベントがスタート。僕はそれを横目で見ながら劇場へ。コンペ『ルクリ』の上映後Q&A司会。コンペで最も難しい作品のQ&Aが一番最初に来てしまうということで、いきなりの緊張案件。ヴェイコ・オウンプー監督にもまだ会ってないし…。先日エストニアの国営放送のトーク番組に監督が出演し、僕もインタビューを受けた縁でその番組をネットで見たのだけど、監督は放送事故かと心配になるくらい答える前の沈黙が長い。

しかし、心配は杞憂に終わった! 難解な(というか、色々な解釈が出来る)内容を、必死に説明しようとしてくれた。『ルクリ』には「正しい理解」というものが存在しないので、質問するのも難しいし、答えるのも難しい。でも、監督は懸命に言葉を探して、理解の助けになるようなバックグラウンドや自分の考えの経緯を話そうとしてくれる。オウンプー監督、もっと気難しくてとっつきにくい人かと思ったら、とてもいい人だった! んー、初日からこれは嬉しい。

Q&A中に、僕の解釈についてどう思うかも尋ねてみる。当たらずとも遠からず、というところで(何と言っても正解はないのだ)実に面白い。監督は、この映画は観客を混乱させてしまうので、何だか恐縮するのだよ、と話していたけれど、もっと唯我独尊の芸術家かと思っていた僕はびっくり。オウンプー監督の人物像に興味が沸く一方なので、2回目の上映が楽しみ。本日のトークの内容は、いまはまだ書かないようにしよう。

Q&Aが15時50分に終り、僕は映画祭の開幕イベントであるカーペットへダッシュ。順路の中間あたりに立って、ゲストに挨拶したり、作品名を確認してフォトセッションの担当者に伝えたり、近くで見るヘレン・ミレンに感動したり。数々の映画人が目の前を通っていくのは本当に豪華で、何年やっても(もう13年くらいやっている)慣れるということがない。興奮するというよりは、シュールな気分。

そんな数々の映画人を尻目に(いや、言葉が悪いですね)、本日の僕のハイライトとなったのは、柳家喬太郎師匠へのご挨拶と立ち話!『スプリング、ハズ、カム』の吉野竜平監督が、僕の落語好きを知っており、主演の喬太郎師匠に紹介して下さったのだ。それだけでも光栄なのに、続けざまに吉野監督から「写真撮りましょうか?」とのご提案。公の場で、僕が映画人やPERFUMEのみなさんと嬉々として写真を撮るのは職業倫理に抵触するけれど、落語の師匠とであれば許されるはず? との訳の分からない自己正当化を0.5秒で整え、監督にパチリと撮って頂いた。見ると、とてもいい写真で、さすが吉野監督。本当にありがとうございます。一生の記念になります…。

感涙にむせびつつ、喬太郎師匠と少し立ち話。先日、数か月ぶりの休みに寄席に行って師匠の「ハワイの雪」を聴いて癒されました、とご報告してしまう。師匠はとても丁寧に話して下さって、何と幸せなことだろう! そんな喬太郎師匠が主演される『スプリング、ハズ、カム』、ほんわかと心が温まる素敵な作品なので、みなさんともこの幸せを共有したい! 是非映画祭で、あるいは劇場公開時にご覧くださいませ!

それにしても、何とも高カロリーなイベントだ。カーペットを歩いた人の数は500人近く。僕が知っている限りはほぼ無事故。この規模のイベントを何とか予定の時間内に終了できたのは、縁の下を支えてくれる無数のスタッフの努力のおかげ。呑気に写真など撮っている場合では本当にないので、僕は絶対に会期中にバチが当たるはず。ともかく、まずはスタッフの苦労を讃えつつ、ご来場下さったみなさまに感謝の念を送りたいと思う次第であります。

ということで、カーペット終了はほぼ19時。4時間もやっていたことになり、僕は途中からの参加とはいえ、さすがに疲れた!

ゲストが劇場に入り、オープニングセレモニーが終わると、オープニング作品の『ザ・ウォーク』の上映が始まるので、僕らはいったん事務局へ。一心不乱にチキンカツ弁当を食べ、襲ってくる眠気と闘ったり、みなが体験したエピソードに笑い転げたりしながらブログをここまで書いて、そろそろ上映が終わる時間となったので、オープニングレセプション会場へ。

国内外の色々な方々にご挨拶して、来日来場のお礼をしつつ、お返しに励まされたりして、とても有意義な2時間。これでビールでも飲めたらさらにいいのだけど、それはいつも通り自重して、ウーロン茶片手に人から人へ。まだまだ話し足りないものの、実際はかなりモウロウとして来ているようで、そろそろ潮時か…。会も23時過ぎにお開きとなり、僕もまた事務局へ。

お弁当をもうひとつ食べて、ぼんやりして、メールを少し書くフリをして、そろそろ限界。ブログ書いて、2時半。映画祭はオープニング日の業務量が多いので、初日が終わるとみんな何となく達成感に包まれてしまうけれど、実際には明日からが本格スタートなわけで、少しでもちゃんと寝て、切り替えて臨むべし。

明日は明日ということで、本日はお疲れ様でした!
《矢田部吉彦》

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