【美的アジア】「EXO」D.Oが熱演! 抑えた感情の中で“働くこと”を真摯に見つめる…『明日へ』

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『明日へ』
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「一方的な解雇通達を下された非正規職員の女性達が、解雇撤回を求めて立ち上がる姿」を、女性監督が女性ならではの視点で描いた作品であり、K-POPグループ「EXO」のD.O(ディオ)が本名ド・ギョンスの名でスクリーンデビューを果たしているという注目の映画『明日へ』が公開中です。

入社5年で念願の正社員への昇格が決まった大手スーパーマーケット「ザ・マート」のレジ係のソニ。残業や嫌味な上司にも絶え、出稼ぎで家を空けている夫に代わり、高校生の息子と幼い娘を育てるために懸命に働く毎日を過ごしていたが、ある日何の知らせもなくスーパーから「解雇通告」が下されてしまいます。突然「職を失う」という現実に、1人では何もできないソニは、「ザ・マート」で働く女性達とともに労働組合を発足し、スーパーを相手に撤回運動を始める…という実話を基にした作品です。

撤回運動に参加した女性達の中にはマタニティハラスメントを受けて前の仕事を辞めやってきた者、ワーキングプアから抜け出せず、生きるためにザ・マートを辞めるわけにはいかない者など、多くの事情を抱えた女性達の姿が描かれています。実際、韓国での職業事情や女性の立場は過酷な現状。これは日本でも共通する点でもあり、他人事とは思えません。

そんなソニ達が社会に立ち向かう一方で、家族にも影響が…。ソニの息子テヨン(ド・ギョンス)は、母が組合で家を空ける姿を見つめながら、給食費や修学旅行費が払えない家の事情に静かに諦めと憤りを感じている様子。本作では淡々としたテヨンを生きる姿が印象的なド・ギョンスですが、自ら修学旅行費を用意するためにアルバイトをし、給料を受けとる場面で、母が「なぜ働く環境を奪われないよう社会と戦うのか」ということに気づきます。ここのシーン、ド・ギョンスファンの方に特に注目して欲しい場面です。

ド・ギョンスの演じる姿は、決して派手ではなく、むしろ「静か」で「淡々」と言った表現がぴったり。ですが、「静かさ」の中に1人の高校生が、仕事のあり方や、母は強しといった思いをきちんと汲み取り成長していく姿をしっかりと演じているのです。

『明日へ』は、弱い立場の者がそれでも懸命に声を出し戦う姿を描きながら、社会問題を訴えた作品。ディオが歌うエンデグィング曲「叫び」も、この映画のテーマを最後まで訴えかけていて胸に迫り、最後まで必見&必聴な作品です。
《text:Tomomi Kimura》

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