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リリー・フランキー、亀梨和也らと三島由紀夫の異色SFで宇宙人に!「信じてしまいそうで怖い」

『シェル・コレクター』で15年ぶりの映画主演を果たしたリリー・フランキーが、『紙の月』の吉田大八監督のもと、三島由紀夫の異色SF小説「美しい星」の映画化に主演。亀梨和也、橋本愛、中嶋朋子

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『シェル・コレクター』で15年ぶりの映画主演を果たしたリリー・フランキーが、『紙の月』の吉田大八監督のもと、三島由紀夫の異色SF小説「美しい星」の映画化に主演。亀梨和也、橋本愛、中嶋朋子と“宇宙人”家族を演じることが分かった。

本作は、“ミシマ文学”の中でも異色作とされている1962年発表のSF小説。核戦争勃発の恐怖に脅える冷戦下を背景に、「自分たちは地球人ではない。宇宙人だ」と突然目覚めたとある家族が、「我々の手で人類を救わねば!」と使命に燃えて奮闘するさまを風刺たっぷりに描いた。戦争や大規模災害など、世界に終末の匂いが色濃く漂う度に版を重ね、2011年の東日本大震災以降も部数を伸ばし、現在54刷45万部のロングセラーとなっている。

今回、『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』『クヒオ大佐』から『紙の月』まで、少々思い込みの激しい人々の誠実さと可笑しみを描きつづけてきた吉田監督が、自ら脚本も担当。学生時代に読んで以来、映画化を切望してきた原作の舞台を現代に移して大胆に脚色し、突如、宇宙人に覚醒したある家族が地球を守ろうと奮闘する話を作り上げた。

そんな本作で、リリーさんが演じるのは、一家の父である“火星人”大杉重一郎。原作では「ごく短期間教鞭をとった以外は、大学卒業以来働いたことのない資産家で高等遊民」という設定だった中年男は、“当たらない”ことで有名なテレビのお天気キャスターに。家族にそれほど大きな問題もなく、若くて可愛い愛人もいて、ヘラヘラといい加減に生きてきたが、突如、情熱と使命感に燃える火星人に覚醒する。

また、現在ドラマ「怪盗 山猫」で主演を務めている亀梨さんが演じるのは、長男・一雄。「モラトリアムを生きるシニカルな学生」という設定から、本作では大学卒業後も定職につかず、暗い野心をたぎらせるフリーターとなり、知性を司る水星人に覚醒。

さらに、『シェル・コレクター』でリリーさんと共演している橋本さんは、「純潔に固執する潔癖症の女学生」という設定だった長女・暁子に。自分の美しさが最大のコンプレックスという圧倒的な正統派美人の女子大生に扮し、美を象徴する金星人に覚醒する。

そして、山田洋次監督『家族はつらいよ』が控える中嶋さんが演じるのは、「大人しい献身的な専業主婦で木星人」という設定だった母・伊余子。なぜか彼女だけ覚醒せず地球人のままで、退屈と倦怠をもてあまし、怪しい“魔法の水”ビジネスにはまり込んでいくイマドキの主婦となる。

地球という“美しい星”を舞台に繰り広げられる、大真面目に世界救済を模索する勘違い家族の珍道中。愛すべき彼らの大奮闘を期待して待っていて。

<以下、キャスト&監督コメント>
■吉田大八監督 
原作の精神を尊重しつつ、人類生き残りに有り金まるごと賭けて悔いなし、そんな宇宙レベルのエンターティンメントを目指します。物語の中心、大杉家のメンバーとして最高の4人が集まってくれたので、これからいったいどんな反応が起きて何が生まれるのか、想像するだけで恐怖のあまりワクワクします。公開までそのワクワクを時々思い出していただければ幸いです。あと、空で待ってる“スターマン”にちょっとだけ捧げます。

■リリー・フランキー
吉田監督作品は全部見ていて、大好きでした。そんな監督に主役のオファーをいただいて、嬉しさと驚きと、爽やかな印象のある気象予報士役が自分で良いのかな? と不安もあります。とはいえ「予報が外れてもアリなキャラクター」なら何とかなるかもしれません。そして何より、吉田監督がどのように映画を撮られるのか、その現場を見ることができるのが最大の楽しみです。学生のころから三島由紀夫のファンでしたが、脚本を読んでみたら原作とは異なる面白さが加わっていて、ワクワクしました。重一郎という役と自分は、思い込みの激しさが似ていると思います。UFOについて真剣に考えたことはありませんが、何かのきっかけで思い込んでしまうような存在な気はします。当然、宇宙人を演じるのは初めてですが、演技をするうちに、宇宙人を信じてしまいそうで怖いです(笑)。

■亀梨和也
脚本を読んで、いまの時代の問題意識が描かれており、僕自身もまさに実感しているものでした。役柄に関しては、年齢を重ねていく中で生まれていく責任感や何かを背負わないといけないという一雄の葛藤や焦りなどに共感しました。きっと僕だけではなく同世代の共通点なのかもしれません。無限の可能性を感じていた10代から年を重ねていく中で、自分の限界を広げてくれるものは自分の中だけではなく、仕事など巡りあわせによってどこにでもあるものだと感じています。今回は一雄という役に巡り合い、役を通して自分の可能性を広げていくことができたらと思います。そんな等身大(同世代)の役を演じることになりましたが同時に水星人でもありますので、しっかりとした水星人になれるように、もっともっと水星について勉強してみたいと思います(笑)!!

■橋本愛
吉田監督とは以前ご一緒させていただきましたが、今回は初めましての気持ちで臨みたいと思います。宇宙とか宇宙人とか非現実的なモチーフはあれど、そこからはあまりに現実的な人間臭さを感じました。頭の良い脚本と大胆で鋭利なテーマにくらっときていますが、美の昇華を一心に目指したいと思います。

■中嶋朋子
監督の『パーマネント野ばら』が好き過ぎます。いつか会えたら、話せたら!と思いつつ、その機会を得たらロクに話も出来なかったーー完全なるファンです。さらには、三島作品の「美しい星」!!! ですよ。まさか、この作品と関わりを持てる人生になろうとは! なんでしょう、大興奮です。あ、でも、私の役目は、地球人だからなぁ、地に足つけないとですね、かなり浮き足立ってますけど、私。“宇宙人”として考えると、合点がいくことって、世の中には結構ある。ちょっと「通じなそう」ってくらい、飄々としてる人。なにをされても、どうしてだか許せちゃう人。逆に、なにをされても腹が立つ人。いやがおうなく、目を奪われる人etc…。そっか、私の周りにいるあの人たちは“宇宙人”だったのだーーって。なんかほっとする。わかり合えないことが前提になると、なぜだか、俄然わかり合える気がしてくる、不思議だけど。ていうか、このキャストの方々は、“宇宙人”ですね。合点がいきます。私は地球人なので、その辺よーくわかります。

『美しい星』は2017年5月、全国にて公開予定。
《シネマカフェ編集部》

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