※本サイトはアフィリエイト広告を利用しています

【インタビュー】伝説のクライマーを熱演した阿部寛、「自分のテーマとして、この先考えていくことになる」

幾度も映画化が望まれながらも、その規格外のスケールゆえに実現が叶わなかった夢枕獏著「神々の山嶺(いただき)」。まさしくエヴェレストの登頂のごとく映像化を成し遂げることが…

最新ニュース インタビュー
注目記事
阿部寛『エヴェレスト 神々の山嶺』/photo:Takashi Tokita
阿部寛『エヴェレスト 神々の山嶺』/photo:Takashi Tokita
  • 阿部寛『エヴェレスト 神々の山嶺』/photo:Takashi Tokita
  • 阿部寛『エヴェレスト 神々の山嶺』/photo:Takashi Tokita
  • 阿部寛『エヴェレスト 神々の山嶺』/photo:Takashi Tokita
  • 『エヴェレスト 神々の山嶺』(C)2016「エヴェレスト 神々の山嶺」製作委員会
  • 『エヴェレスト 神々の山嶺』(C)2016「エヴェレスト 神々の山嶺」製作委員会
  • 『エヴェレスト 神々の山嶺』(C)2016「エヴェレスト 神々の山嶺」製作委員会
幾度も映画化が望まれながらも、その規格外のスケールゆえに実現が叶わなかった夢枕獏著「神々の山嶺(いただき)」。まさしくエヴェレストの登頂のごとく映像化を成し遂げることが困難極まる同原作を、『愛を乞うひと』(’98)の名匠・平山秀幸監督が見事に映画化した。その注目の一作で、消息不明だった伝説のクライマー・羽生丈二役に、硬軟織り交ぜた演技力で人々を惹きつけてやまない阿部寛が挑戦。阿部は、高度5,200メートルのエヴェレストでの撮影を経て、「今後、考えなくてはいけない自分のテーマが生まれた」と語る。

撮影は、2015年の3月に始まった。伝説のクライマー・羽生役を演じ上げるため、阿部は日本で事前にトレーニングを行ったが、出演が決まった当初は撮影が待ち遠しかったと述懐する。「エヴェレストに行けるということは、実際に本当の舞台に行けるということで、それが俳優にとって一番うれしいことなんです。何十人というスタッフたちと一緒に撮影できること、大自然を相手に最高の舞台で芝居ができるってことが本当に楽しみでしたね」。

実際に現地ネパール・エヴェレストに飛び、カトマンズでの撮影も行いながら、高度5,200M付近も含め、40日間ほどのロケ撮影を行った。大自然のパワーは事前に訓練していたとはいえ、「相当辛かった撮影だったことは間違いないです」と阿部は言う。「実は皆には黙っていたけれど、標高5,000メートルを超えると酸素が少なく、毎晩寝ていて頭が痛くなった。酸素の血中濃度など体調管理は万全の態勢で行ったけれど大変でした。役者の代わりはいなので降りるようなことがあれば、その間撮れない。責任重大でした。結果的に無事に終わったけれど、いつ何があってもおかしくない自然の脅威。日本で低酸素運動で6,000は経験したけれど、長丁場での経験はない。不安でしたが、大丈夫でよかったです」。

劇中では、羽生のような登山家を“山屋”と表現している。山屋は山で生計を立てている生業としての意味だけでなく、山に強烈に魅せられ、登らずにいられない者のことも指しているように思う。天才的なクライマーの羽生も山がすべての男だが、役柄を通じて山屋の心境をどう理解したか尋ねると、「彼ら山のプロたちに『なぜ山に登るのか?』と質問しても、はっきりした答えは返ってこない。だけど、彼らと一緒に行動していると、山に対するもの凄い情熱がよく分かるんですよね。向こうに見える岩肌を見つめて、『あそこ登りたいなあ』と言っている。ゴロゴロしている岩を見て、そこをどうやって登るか、頭の中で考えてワクワクしているんですよ。『僕らにとって、ここはディズニーランドですよ』と(笑)。当然、死というものが常に背中合わせなのも間違いないんだけれども、『友達みんな山で死んじゃった』なんていう話を、変な意味じゃなくて、爽やかに語るわけです。やっぱり山に対する情熱。自分イコール山であるという、極めて強い思いが彼らにはあるということだけはわかりました」。

この作品は、観る者に“強く生きるということ”というテーマを含め、さまざまなメッセージを投げかける。出演した阿部自身も、今後の人生に影響を与えるほどのテーマを受け取ったという。 「『なぜ山に登るのか?』に、僕自身の想像が届く人物ではない。そういうことを超越した存在として、細かいことは考えずに、羽生という男の強さを演じようと思いました。命懸けで山に登る、その情熱を貫いて、夢を追い続ける男たちの姿にぜひ感動してもらいたいです。『下町ロケット』もそうだったけれども、夢を追う人たちの姿を通して、決して理屈ではない情熱の強さに、自分が生きる活力や勇気を貰う。そういう作品として観ていただきたいなと思います」。
《photo/text:Takashi Tokita》

関連記事

特集

【注目の記事】[PR]

特集

page top