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【インタビュー】チャーリー・コックス、ヒーローを演じることの喜び「デアデビル」

心優しき盲目の弁護士と、悪を成敗する覆面ヒーロー。そんな二つの顔を持つ主人公マット・マードックが、ニューヨークの街ヘルズ・キッチンで戦いの日々に身を投じる「デアデビル」。そのシーズン2配信に合わせ、主演のチャーリー・コックスが来日を果たした。…

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チャーリー・コックス「デアデビル」/photo:Nahoko Suzuki
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  • 「デアデビル シーズン2」-(C)Netflix. All Rights Reserved.
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心優しき盲目の弁護士と、悪を成敗する覆面ヒーロー。そんな二つの顔を持つ主人公マット・マードックが、ニューヨークの街ヘルズ・キッチンで戦いの日々に身を投じる「デアデビル」。そのシーズン2配信に合わせ、主演のチャーリー・コックスが来日を果たした。

マットの孤独な戦い、そして裏社会を牛耳る男ウィルソン・フィスクとの対決が描かれたシーズン1。続くシーズン2では、無慈悲なアンチヒーロー、パニッシャーことフランク・キャッスルの登場でマットの葛藤がより色濃くなる。

「戦うのは正しいことなのか? 本当に人々のためになっているのか? シーズン1のマットは常に問い続けていた。そんな中、フィスクとの戦いに勝ち、一度は自分が正しいと確信できたのだけど、フランクの登場でマットはまたしても自問自答し始める。“悪者は殺せばいい”というフランクの考えを、デアデビルとしての自分が後押ししまったのではないか? とね。けれども、マットにデアデビルを辞める選択肢はないんだ。彼はすでに一線を越えてしまっているからね。デアデビルは“正しい”存在なのかどうか。それは、今後も白黒つけられない問題であり続けると思う」。

また、シーズン2には、元恋人の暗殺者・エレクトラも登場。マットの正体を知る彼女の存在が物語に大きな影響を及ぼすが、その一方、弁護士事務所の仲間であるカレン・ペイジとマットのもどかしいロマンスも気になるところ。はっきりしてよ、マット! と、思わず言いたくなる展開も待ち受けている。

「僕が面白いと思うのは、どちらの女性といるときにもマットがありのままでいることだね。ただ、相手によって見せる面が違う。カレンといるときのマットは、自分がそうありたいと思うマット。親切で、献身的で、よりよい世界を作りたいと願い、その願いを法的にも正しい形で実現しようとする彼を、カレンは引き出してくれるんだ。一方のエレクトラは、マットがデアデビルであることを受け入れてくれる唯一の人間。デアデビルである自分を愛するべきだと、彼女は教えてくれるんだ。葛藤してきたマットにとって、それほど安心できることはないよね。でも、マットの中の闇を理解しているからこそ、エレクトラは彼に法律や他人を無視させようとする。よくないことにね。シーズン2では、気持ちを引き裂かれ、混乱するマットが見られるよ」。

「僕個人の意見としては、マットの真の相手はカレンであるべきだね。問題は、彼の秘密を知ったとき、カレンがどうするか…だけど」と、意味深に付け加えるチャーリー。シーズン2を観終えてから、この言葉を思い返してみると面白いかもしれない。それにしても、マットの葛藤に理解を示し、女性問題にも真摯に向き合う(?)チャーリーは、話せば話すほど紳士。その穏やかな優しさは、弁護士として弱きを救うマットはもちろん、彼がこれまで演じてきたキャラクターにもしばしば反映されてきた。「ボードウォーク・エンパイア」ではギャングの妻と心を通わせ合うオーウェン・スレイターを、『博士と彼女のセオリー』ではホーキング博士夫妻の運命に関わるジョナサン・ジョーンズを演じている。

「どの役を演じるときも、役の特徴と自分の共通点、もしくは共通していない点をまずは確認する。とは言え、人は誰しも人生の様々な局面で、様々な特徴を見せるものだと思うんだ。そして、その特徴を見せる度合いによって、その人自身の特徴というものが決まる。それを踏まえて考えるとして、確かに僕とマットの特徴には通ずるものがあると思う。僕は彼ほどクールじゃないけどね(笑)。それに、マットは僕よりも自意識が過剰ではないと思う。僕よりも彼の方が、自分が自分であることに居心地のよさを感じているんじゃないかな。『ボードウォーク・エンパイア』のオーウェンも、ある意味ちょっとマットに似ているところがあるね。オーウェンの方がもう少し冷静で、マットの方が感情的だとは思うけど。『博士と彼女のセオリー』のジョナサンは彼らよりもっとオープンな性格だけど、確かに僕が演じてきた役は、自分のカードを人には見せず、自分だけが知っているようなタイプの人間が多いかもしれない。それを穏やかさと言ってもらえているのかな(笑)? いままで役と自分の関係を考えることなんてあまりなかったけど、ちょっと面白いね」。

出身地のイギリスから活動の場を広げ、ついにはアメコミヒーローに抜擢。「SNSをやっていない分、実感する機会は少ないのかもしれないけど…」と前置きしつつも、自身を取り巻く環境の変化は感じているようだ。アメコミファンはもちろん、マットをセクシーに、チャーミングに演じたことで女性ファンもより増えた。

「街で声をかけてもらえるのはすごく嬉しいね。みんな、僕に尊敬と情熱をもって接してくれるんだ。俳優の仕事を始めてもう10年以上になるけど、自分の仕事に対していい反応をもらえるのはやっぱり嬉しい。報われた気持ちになるし、感激させられるよ。もちろん、反応してくれるのが男性であっても、女性であってもね(笑)」。

シーズン2後の展開が気になる中、デアデビルをはじめ、ジェシカ・ジョーンズ、ルーク・ケイジ、アイアン・フィストといったヒーローが総登場する「ザ・ディフェンダーズ(原題)」も制作予定。今後も、チャーリーの演じるマットに会うことはできそうだ。

「ヒーローを演じるのはやっぱり最高。それが、長い時間をかけて変化していくヒーローなら尚更だよ。最初の頃のマットは決してヒーローではなかったけど、彼は少しずつヒーローになっていく。そのことでちょっと傲慢になったり、誇りを感じ過ぎてしまったりして謙虚な気持ちに立ち戻らなくてはいけないこともあるけれど、失敗しながら成長していく彼を演じるのが楽しいんだ。マットの大きな勝利は、自分自身に打ち勝ち、抱える問題を乗り越えた時にこそ訪れる。それは、彼が人の声に耳を傾け、優しい心で接しようとする人間的なヒーローだからなんだ。そんな彼が自分自身と葛藤する姿を演じるのが、僕にとっては一番の喜びなんだよ」。
《text:Hikaru Watanabe/photo:Nahoko Suzuki》

映画&海外ドラマライター 渡邉ひかる

ビデオ業界誌編集を経て、フリーランスの映画&海外ドラマライターに。映画誌、ファッション誌、テレビ誌などで執筆中。毎日が映画&海外ドラマ漬け。人見知りなのにインタビュー好き。

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