『ファインディング・ドリー』が“おもしろい”理由とは?ディズニー/ピクサー流のストーリーの作り方

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『ファインディング・ドリー』共同監督のアンガス・マクレーンと、ストーリー・スーパーバイザーのマックス・ブレイス /撮影:Kaori Suzuki
  • 『ファインディング・ドリー』共同監督のアンガス・マクレーンと、ストーリー・スーパーバイザーのマックス・ブレイス /撮影:Kaori Suzuki
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  • 『ファインディング・ドリー』(C)2016 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
  • 『ファインディング・ドリー』の“サムネール・テンプレート”について共同監督のアンガス・マクレーンと、ストーリー・スーパーバイザーのマックス・ブレイス /撮影:Kaori Suzuki
  • 『ファインディング・ドリー』の“サムネール・テンプレート”/撮影:Kaori Suzuki
  • 『ファインディング・ドリー』の“サムネール・テンプレート”について共同監督のアンガス・マクレーンと、ストーリー・スーパーバイザーのマックス・ブレイス /撮影:Kaori Suzuki
  • 『ファインディング・ドリー』共同監督のアンガス・マクレーンと、ストーリー・スーパーバイザーのマックス・ブレイス /撮影:Kaori Suzuki
  • 『ファインディング・ドリー』共同監督のアンガス・マクレーンと、ストーリー・スーパーバイザーのマックス・ブレイス /撮影:Kaori Suzuki
ディズニー/ピクサーの映画を観た後に飛び出す「おもしろかった!」という言葉。公開作が続々と大ヒットを飛ばしている同スタジオにとっては、もはや「おもしろい」のが当たり前といった前提すら感じさせるが、そのクオリティは年々勢いを増すばかりであり、その“おもしろさ”が並大抵のものじゃないことは、夏休みの公開を毎年楽しみにしている子どもたちだけでなく、大人の映画ファンの間でも広く認識されている。

日本でも興行的に大成功を収めた『ファインディング・ニモ』。魚たちをめぐる愉快なストーリーが、子どもたちをはじめ多くの観客を魅了したのはもちろんだが、そこには主人公のニモの成長や、父親であるマーリンの“親ごころ”が描かれており、楽しいだけではなく、人々の心を揺さぶる感動的なテーマがそこにはあった。そして、待望の続編として公開中の『ファインディング・ドリー』においても、観客を魅了するストーリーと感動的なテーマは健在。その“おもしろさ”は、2016年度洋画オープニングNo.1という記録を打ち出し、現在もなおより多くの観客の心を掴んでいる。

シネマカフェのディズニー/ピクサー現地取材第3弾では、そんな並大抵じゃない“おもしろさ”の秘密、ディズニー/ピクサー流のストーリーの作り方を、『ファインディング・ドリー』でアンドリュー・スタントンとともに共同監督を務めたアンガス・マクレーンと、ストーリー・スーパーバイザーのマックス・ブレイスのインタビューを通してご紹介する。

本作で晴れて長編アニメーション作品の監督デビューを果たすアンガスは、ピクサー・アニメーション・スタジオに1997年アニメーターとして入社後、『トイ・ストーリー2』をはじめ、『モンスターズ・インク』『Mr.インクレディブル』『ウォーリー』『トイ・ストーリー3』など多くの作品に参加。ピクサーにとって初のTV特番アニメーションとなった「トイ・ストーリー・オブ・テラー!」の監督として、国際アニメーションフィルム協会(ASIFA)ハリウッド支部からアニー賞優秀監督賞を受賞している。

一方、マックス・ブレイスは、大学卒業直後の1996年7月にピクサー・アニメーション・スタジオに入社し、ストーリー・アーティストとして最初に『バグズ・ライフ』に参加。その後、『トイ・ストーリー2』『モンスターズ・インク』『カーズ』『ファインディング・ニモ』『Mr. インクレディブル』『ウォーリー』『メリダとおそろしの森』などにおいても才能を発揮し、ストーリー作成にあたって、監督とアーティストたちとのビジョンの共有に一役買う存在だ。『ファインディング・ドリー』への参加は、『メリダとおそろしの森』の完成パーティーのときにアンドリューから誘われ、「もちろん! ぜひ!」と答えたことから実現したとのこと。

ディズニー/ピクサーのストーリー作りでは、監督や脚本家をはじめとする複数人のスタッフたちが意見を出しながらストーリーを構築していく“ブレイントラスト”と呼ばれる方法がとられている。一人の脚本家が書き上げる脚本を基に、監督をはじめとするスタッフが映画として仕上げていく、そういった一般的な映画作りのイメージとは異なり、ディズニー/ピクサーでは、民主的な空気の中で発揮されるチームワークによって物語が作られていくのだ。

今回アンガスとマックスが解説してくれたのは、物語も後半に近づき、両親を探すために水族館の中を巡るドリーとハンクが、「タッチプール」と呼ばれる、子どもたちが海の生きものに触れることができるコーナーで、“恐ろしい目に”遭ってしまうというシーン。実際にどのような制作過程を経てストーリーが構築されていくのか、デモストレーションとともに披露された。

「僕が息子を連れて水族館に行ったときに、息子とタッチプールに行ったんだ。そこで僕は、『魚の身になってみたらどうだろう? もしドリーがタッチプールの中に閉じ込められたら?』と考えたんだよ」。まずはマックスが、タッチプールのアイデアの発端を話し始めた。「僕たちは、何事に取りかかるときもまずはリサーチから始めるので、いくつかの水族館に行って、タッチプールの中にどういう生き物がいるのか、子どもたちがどうやってその生き物たちと触れ合っているのかなど、たくさんの写真を撮ってきたんだ。それをストーリー・チームのメンバーに見せ、そこで生まれるギャグや、中にいるキャラクターたちがどういった状況に置かれているのかなど、ブレインストーミングを通してアイデアをどんどん出し合ったんだ」。

そして、そこで飛び出したギャグの1つが、「ヒトデの腕がちぎれる」というものだったと語るマックス。さらに、「ほかのキャラクターについてもいろいろとアイデアを出し合ったよ。人間に触られるのが大好きで、『気持ちいい~!』って叫ぶバットレイとかね(笑)」とマックスは続ける。ところどころで大人が笑えるギャグを挟んでいくのも、ディズニー/ピクサー流だ。「最終的に、ヒトデの腕がちぎれるのはちょっとこの作品にはブラック過ぎると思って、採用しなかったよ(笑)」と、ユーモラスにアンガスが合いの手を入れる。「それから、ドリーたちがどうやってここに巻き込まれるのかということを考えていったんだ。ハンクはドリーのパートナーになっているけれど、2匹がここから出られなくなったとしたらどうするか? 彼らはどうやってここから出るのか? ハンクは自分の体の色を変えてカモフラージュ出来るので、お客さんの背中にくっついて運ばれていくというのはどうか?」と、マックスは当初のアイデアを次々と明かしていく。

これらの様々なアイデアは脚本家に渡され、実際にストーリーとして形作られることになる。次に、書き上げられた脚本を基に、監督と絵コンテを作成するアーティストたちが各シーンの読み合わせを行い、そのシーンでは何を感じ取りたいのかが話し合われる。そして、アーティストたちは脚本に記された様々なアイデアを基に、構図や演技、照明、セット、編集など、あらゆる要素をビジュアル化した“サムネール・テンプレート”を作成する。ここで、最初に仕上がったタッチプール・シーンのサムネール・テンプレートが、マックスによって披露された。

《text:cinemacafe.net》

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