そんな世界の大スターですら驚く世界感が『スーサイド・スクワッド』にはあると言う。ひとつは、『エンド・オブ・ウォッチ』『サボタージュ』『フューリー』といった作品を監督してきたデヴィッド・エアーがメガホンを取っていることだ。「コミックの世界に彼がどういうビジョンを持ち込むのか、とても興味深かった」とウィル・スミスの興味も膨らんだ。たとえば、キャラクターそれぞれのコスチューム──。「ジョーカーにしても、この『スーサイド・スクワッド』のジョーカーはロックスター風なんだ! しかもブラックミュージックをベースにしたキャラクターになっていて、ローマ法王の指輪のようなものを着けていたりする。ほかのキャラクターに関しても、ギャングのような、軍人のような、ストリートのような(決してヒーロー風のコスチュームではない)ファッションをDCコミックのなかに持ち込んでいる。要は、現実の世界にあるような衣装と言えるね。そこに新しいものは一切なくて、擦れていたり古くて使い込まれていたり…デッドショットの銃にしても、ものすごく使い込んでいる感がある。そういう演出、世界感はとても面白いと思った」。福原さんも続ける──。「カタナが着けているマスクにも刀で切られて後が残っていて、もちろん私の顔にも傷(のメイク)があります。カタナのコスチュームに関しては、途中で大きく変更がありました。最初は、首から足先まで黒いスキンタイトのつなぎのようなものでしたが、胸もとのさらしや暴走族のジャケットなど、日本独特の文化を感じさせるアイテムを取り入れた衣装になっています」。カタナだけでなく、ハーレイ・クイン、アマンダ・ウォラー、エンチャントレス。女性キャラクターがものすごく強烈であることもこの映画の魅力のひとつ。女性がDCコミックに触れるきっかけにもなるだろう。また、ヒロインが多いだけでなくさまざまな国籍の俳優たちが揃っている、ワールドワイドであることも魅力的だとウィル・スミスは説明する。「ジョエル・キナマンはスウェーデン出身だし、アドウェール・アキノエ=アグバエはロンドン出身のナイジェリア人、マーゴット・ロビーはオーストラリア人、僕はアメリカ人で、かれんは日本人…レインボーのようなキャスティングなんだ。そして、俳優も彼らが演じるキャラクターもそれぞれ確立している存在であるのに、ひとつの作品として素晴らしくまとまっている。本当に凄いこと。それもデヴィッド・エアー監督の凄さだよ!」。これまでの常識をとことん崩してくれるはちゃめちゃな映画のその“凄さ”、必見!
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