【玄理BLOG】中野量太監督『湯を沸かすほどの熱い愛』

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先日、友人で映画解説者の中井圭くんが主催する『映画の天才』 (という名の関係者試写会があるの。)で観てきました。
前作『チチを取りに』も大好きだった中野量太監督『湯を沸かすほどの熱い愛』



この映画、ずるいです。寝技で十文字固めされる感じで心を持っていかれます。全然格闘技詳しくないからイメージで言ってますけど。
でも『ずるい』って言葉を使うのをためらう程...どーーーんっと真正面からぶつかってくるやつでもあります。
湯を沸かすほど熱い愛、で。


ストーリーは母娘二人暮らし、『主人が失踪したので休業します』と張り紙された銭湯が舞台となって始まります。

もしかしたら序盤は宮沢りえさん演じる母・双葉の強すぎる性格と広すぎる愛に戸惑うかもしれない。
なんならちょっとやだな…ってくらい。笑
例えば娘を演じる杉崎花ちゃんは学校でいじめられてるんですね。で、どんどんイジメの内容もエスカレートしていく。当然学校に行きたくない、となるわけですが母は絶対にそれを認めない。布団をひっぺがしひっつかんででも学校に行かせようとするんです。大部分の人が心の中で言うんじゃないかと思います、『もういいじゃん…』って。なんでそこまで?とも思いました。


で、ちょいちょいそういう違和感がつのっていくんですけど
後半、母・双葉やこの家族の生い立ちが明らかにされて伏線が回収されていくうちに
こうどーーーんっと心に一個ずつ爆弾が落とされていくというか
前半丁寧に心に埋め込まれた地雷が爆破する感じというか。
もちろん号泣でした。
なんならこの映画を観た日から涙腺が弱くなってます。まだ緩みっぱなしです。

良い映画はこころをふにゃっとさせますよね。



そしていつも映画って、多少なりとも監督の人となりが出ちゃうものなんだなあと思いながら観ているのですが、
でもここまで出すぎちゃうのも凄い。そういう取り組み方・映画との向き合い方をする中野量太監督は信頼できると思った次第。
単なる泣ける映画、ウェルメイドな映画ではないというか….
どちらかというと不完全なテンポで進んでいく、そのテンポすら愛おしい。




そして気づいたのですが、わたし、題名が豪快な筆字でばんっと出る作品が好みみたいです。
その題字が出る瞬間も見逃さないでほしい!炎の奥に何か見える、かも。


『湯を沸かすほどの熱い愛』は10月29日より全国公開です。ぜひ劇場で....
母から生まれた人たちは観てください。


ちなみにいま劇場公開中の鶴橋康夫監督『後妻業の女』も題字ばーーん系です。
こんな邦画もっと増えたら素敵よね、と拍手したい作品です。薗井由香役でちょこっと出演していますのでそちらも宜しくお願いします。


玄理
《text:Hyunri》

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