本当に服を10着しか持たない!? 『パリ、恋人たちの影』に見る着回しファッション

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『パリ、恋人たちの影』  (C)2014 SBS PRODUCTIONS - SBS FILMS - CLOSE UP FILMS - ARTE FRANCE CINEMA
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第68回カンヌ国際映画祭の監督週間に正式出品された、名匠フィリップ・ガレル監督の最新作『パリ、恋人たちの影』。パリに生きる等身大の男女の姿がモノクロームで印象的に描かれた本作では、登場人物たちが着回す飾らないファッションが、それぞれの個性を際立たせている。限られた中でも自分の個性や意志を表現する、フランス流のファッションスタイルに注目した。

夫・ピエールの才能を信じ、二人三脚でドキュメンタリー映画を制作する妻・マノン。映画制作に行き詰まりを感じていたある日、ピエールは若い研修員のエリザベットと偶然出会い、恋に落ちる。あるときエリザベットは、ピエールの妻マノンが浮気相手と会っているところを目撃し、彼に告げるが――。

フランス流のファッションといえば、12か国でベストセラーとなった「フランス人は服を10着しか持たない」(ジェニファー・L・スコット著)が知られている。本作でももちろん、パリに暮らす男女がさまざまなシーンに合わせ、手持ちの服を“着回し”ながら、コーディネートに取り入れている。

そんな本作で、映画監督の夢を持つ夫を献身的に支える妻マノンを演じたのは、フランスを代表する女優クロティルド・クローだ。『ピストルと少年』(’90/ジャック・ドワイヨン監督)で映画デビューするや、同作でヨーロッパ映画賞主演女優賞を受賞。95年には将来を期待される若手女優としてシュザンヌ・ビアンケッティ賞を受賞し、その後も、『ひとりぼっちの狩人たち』(’95/ベルトラン・タヴェルニエ監督)、『エリザ』(’95/ジャン・ベッケル監督)、『パトリス・ルコントの大喝采』(’96/パトリス・ルコント監督)、『甘い嘘』(’99/マティアス・ルドゥー監督)、『エディット・ピアフ~愛の讃歌~』(’07/オリヴィエ・ダアン監督)など多数の作品に出演し、力強くも繊細な演技力で存在感を放ってきた。

私生活では、イタリア最後の国王ウンベルト2世の孫であるエマヌエーレ・フィリベルト・ディ・サヴォイアと結婚しており、ヴェネツィア=ピエモンテ公妃でもある超セレブ。プライベートのファッションも大きな注目を集めるクロティルドだが、本作では、いたって普通の、パリのどこにでもいるような女性を、リアルなコーディネートで演じている。夫と、友人と、そして愛人と…シーンごとに見てみると、ファッションを通じて自分の変化を表現するヒロイン、マノンのキャラクターが浮かび上がってくる。

まず、夫・ピエールに愛されたいマノンは、夫の前では大人な女性でありつつも、どこか少女のよう。そんなマノンのファッションは、V字ネックのレトロな柄のドレスワンピースをメインに、エレガントになりすぎないように、ジャケットを羽織ってカジュアルらしさをプラス。しっかりと脚を見せるアンクルストラップサンダルは、可愛らしさのアクセントに。大人の女性の魅力と少女らしさがミックスしたスタイルを披露する。

一方、愛人と過ごすときはひと味違う。信じていた愛を見失い、別の男性に愛情を見出そうとするマノン。迷いながらも、誰かに必要とされている実感を得たマノンはどこか自立しているようにも見える。そんなマノンのファッションは、飾り気のないラフなダークトーンのカットソーにジャケット、ジーンズというメンズライクなコーディネート。内面を見つめようとしてくれる愛人の前だからこそ、見せられるスタイルといえるかもしれない。

また、夫と愛人の間で揺れながらも、家では夫のために尽くすマノンが、部屋でくつろぐときのルームウェアは、背中に大きな花柄がデザインされたオシャレなガウン。アップにまとめた髪が、ラフなスタイルの中にも女性らしさを演出する。

そして月日が流れ、マノンと夫・ピエールは、かつて2人がドキュメンタリー映画を撮影していたときの取材相手だった老人の葬儀で再会する。フォーマルな場でも、着回しで対応するマノンはさすが。アップヘアにトレンチコートでまとめ、これまでよりも洗練された都会的な印象すら感じさせる。

すぐにでも取り入れたくなる着回しコーデが随所に見られる本作。まさに「フランス人は10着しか服を持たない」を地で行く(!?)パリの等身大の女性を、ぜひお手本にしてみては?

『パリ、恋人たちの影』は1月21日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国にて順次公開。フィリップ・ガレル監督の35mmフィルムによる特集上映同時開催。
《text:cinemacafe.net》

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