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【シネマ羅針盤】ブラピ制作会社がアカデミー賞で再び快挙! 若き才能にチャンス与えるハリウッド

第89回アカデミー賞は前代未聞、空前絶後(笑)のハプニングで幕を閉じた。作品に輝いたのは大本命『ラ・ラ・ランド』ではなく、対抗馬の…

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「第89回アカデミー賞」作品賞を獲得した『ムーンライト』チーム(C)Getty Images
「第89回アカデミー賞」作品賞を獲得した『ムーンライト』チーム(C)Getty Images
  • 「第89回アカデミー賞」作品賞を獲得した『ムーンライト』チーム(C)Getty Images
  • 「第89回アカデミー賞」作品賞を獲得した『ムーンライト』チーム(C)Getty Images
  • 第89回アカデミー賞受賞者たち(C)Getty Images
  • 「第89回アカデミー賞」作品賞を獲得した『ムーンライト』チーム(C)Getty Images
  • 「第89回アカデミー賞」デイミアン・チャゼル監督&バリー・ジェンキンス監督(C)Getty Images
  • 「第89回アカデミー賞」バリー・ジェンキンス監督(C)Getty Images
  • 「第89回アカデミー賞」デイミアン・チャゼル監督(C)Getty Images
  • 「第89回アカデミー賞」『ムーンライト』チームを祝福する『ラ・ラ・ランド』チーム(C)Getty Images
第89回アカデミー賞は前代未聞、空前絶後(笑)のハプニングで幕を閉じた。作品に輝いたのは大本命『ラ・ラ・ランド』ではなく、対抗馬の『ムーンライト』。夢を追う尊さを描いた『ラ・ラ・ランド』にとって、受賞の喜びはまさに“夢の瞬間”でしかなかった。

まずは本年度のアカデミー賞をけん引した両雄の受賞結果をまとめておこう。

『ムーンライト』は作品賞、脚色賞、助演男優賞(マハーシャラ・アリ)の3部門で栄冠。一方、史上最多タイとなる13部門14ノミネートに挙がっていた『ラ・ラ・ランド』は、監督賞(デイミアン・チャゼル)、主演女優賞(エマ・ストーン)、撮影賞、美術賞、作曲賞、歌曲賞の合計6部門に輝き、本年度の最多部門受賞を果たした。

■ブラッド・ピットの制作会社がまた作品賞!

『ムーンライト』 (C)2016 A24 Distribution, LLC
受賞発表後、早速話題になっているのが本作を製作した「プランBエンターテインメント」の快挙だ。映画ファンにはおなじみだが、あのブラッド・ピットが所有する映画制作会社で、過去に『ディパーテッド』(マーティン・スコセッシ監督)、『それでも夜は明ける』(スティーヴ・マックイーン監督)がアカデミー賞作品賞に輝く実績を誇っているのだ。

「脚本がとんでもなく素晴らしく、構成は特筆すべきエレガントさとシンプルさがあった」と語るのは、共同社長でプロデューサーを務めるジェレミー・クライナー。決して派手な要素はないが、バリー・ジェンキンス監督の独特なビジュアル感覚と、手がけた脚本の繊細な心理描写を見抜き、映画化を実現させた功績は非常に大きい。

■“白すぎるオスカー”への反省は?

第89回アカデミー賞受賞者たち(C)Getty Images
アカデミー賞といえば近年、白人俳優ばかりがノミネートされる“白すぎるオスカー”と批判されており、本年度はその対策にも注目が集まった。結果として、演技賞候補20人のうち、アフリカ系の俳優が6人名前を連ねることになった。

そんな流れのなかで、ジェンキンス監督がアフリカ系監督で初の監督賞を受賞し、作品賞は『ラ・ラ・ランド』に…という予想を立てていたが、結果はその逆。先述した『それでも夜は明ける』も作品賞、助演女優賞、脚色賞の3部門と似た受賞結果になっている点を見ると、批判への配慮というよりは、純粋に作品が評価されたと捉えるべきだろう。

■若き才能にチャンス与えるハリウッド

「第89回アカデミー賞」デイミアン・チャゼル監督&バリー・ジェンキンス監督(C)Getty Images
『ムーンライト』のメガホンをとったジェンキンス監督は現在37歳で、本作は長編2作目。また、史上最年少で監督賞に輝いたチャゼル監督は現在32歳で『ラ・ラ・ランド』が長編3作目である。両監督に共通するのは野心と革新性、そして実験精神だ。彼らの躍進はハリウッドの人材の豊富さに加えて、その才能にチャンスを与える業界の懐の深さを象徴している。

一方、本年度はオスカーの常連であるクリント・イーストウッド監督の『ハドソン川の奇跡』、マーティン・スコセッシ監督の『沈黙-サイレンス-』がともに技術系の部門での1ノミネートに留まっており(受賞はせず)、ベテランに厳しい結果になっている。
《text:Ryo Uchida》

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