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『gifted/ギフテッド』満席続出の大ヒット!まさかの“毒親”がキーワード!?

『(500)日のサマー』のマーク・ウェブ監督が超大作から離れ、『リトル・ミス・サンシャイン』『JUNO/ジュノ』『グランド・ブダペスト・ホテル』など名だたる傑作を生み出してきたFOXサーチライト・ピクチャーズと再び組んだ

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『gifted/ギフテッド』 (C)2017 Twentieth Century Fox
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『(500)日のサマー』のマーク・ウェブ監督が超大作から離れ、『リトル・ミス・サンシャイン』『JUNO/ジュノ』『グランド・ブダペスト・ホテル』など名だたる傑作を生み出してきたFOXサーチライト・ピクチャーズと再び組んだ『gifted/ギフテッド』が好調だ。

11月23日より全国63スクリーンで公開され、公開13日目で早くも大台の1億円を突破。一部の劇場では、“年越し”のロングランも視野に入れているそうで、2億円突破も見えているという。

>>あらすじ&キャストはこちらから

“キャプテン・アメリカ”としてあまりにも有名なクリス・エヴァンスがハートウォーミングなドラマに出演していること、そして「現代最高の子役」の呼び声も高いマッケナ・グレイスの好演はもちろんなのだが、そのヒットの裏にはもう1つ、いまの日本人にとっても身近なキーワードがあった。

全米では、56館の限定公開から1,000館以上に拡大公開され、その週には309万ドルの興収を上げて興収ランキング6位にランクイン、その後、5週連続でトップテン入りを果たした本作(※BOXOfficeMojo調べ)。

『gifted/ギフテッド』 (C)2017 Twentieth Century Fox
そして日本では、映画サイト「Filmarks」や「ぴあ」の初日満足度で1位を獲得しており、2週目の12月2日(土)~3日(日)の週末も全国で満席となる回が続出。特にメイン館である都内のTOHOシネマズ シャンテは、1週目対比動員125%、興収131%と、前週を大きく上回る盛況ぶり。公開13日目の12月5日には動員79,882人、興収1億0288万円を記録。12月10日(日)には累計動員101,152人と10万人を突破、累計興収は1億3158万5520円となっている。

シンプルなのに複雑な家族愛の物語と天才子役に涙!


物語は、母を亡くした7歳の姪っ子メアリー(マッケナ)と、その叔父の独身男フランク(クリス)が、片目の愛猫フレッドや周囲の人々に支えられながら家族の絆を紡いでいくという、“よくある”ストーリー。だが、飛び抜けた数学の才能(=ギフテッド)を持つメアリーの教育方針をめぐり、“特別扱いせずに育てたい”フランクは、“その才能を存分に伸ばしてやりたい”祖母、つまり自分自身の母親と対立することになる。

叔父と姪っ子、実の親子ではないもののフランクとメアリーを結ぶ深い愛は、マッケナ(と猫!)のキュートさと天才的演技もあって、ときに温かな笑いで劇場を包み込む一方、フランクの身を引き裂かれるような決断やメアリーの健気さには涙、涙。

『gifted/ギフテッド』 (C)2017 Twentieth Century Fox
SNS上では、「劇場みんながシンクロして泣いてた…」「大好き。愛さずにはいられない。今年の最も魂が震えた一本。」「期待値は高かったけどそれを軽々飛び越えるくらい良い作品だった!」など絶賛の声が相次ぎ、特に瑞々しくも堂々とした演技力を見せるマッケナについて、「メアリー役のマッケナ・グレイスの天才少女でありつつ、子どもらしさもある演技が素晴らしかった」「マッケナちゃんの演技すばらしい! 彼女が笑うと明るくなるし落ち込むと悲しくなるし泣くと泣いてしまう」「クリス・エヴァンスが良いのはもう納得なんだけど、それ以上にマッケナちゃんが可愛くて可愛くて。この子こそgifted だよって思わせる達者っぷり」と、彼女に対する称賛の声も後を絶たない。

こうした小規模公開の最近の大ヒット作といえば、2015年の『セッション』。全国16スクリーンでスタートしたが、TOHOシネマズ新宿だけで興収1億円をたたき出し、ロングランとなった。また、昨年12月公開の『ドント・ブリーズ』は34スクリーンが年明けに52に増え、公開1か月半(50日目)で興収4億円超え。さらに、現在公開中でゴールデン・グローブ賞にもノミネートされた『ゲット・アウト』(全国33スクリーン)は公開21日目に1億円を突破している。

いずれも鬼教師や盲目の最強じいさん、“何かがおかしい”白人家族など、ショッキングで“毒”をはらんだキャラクターが登場するスリラーばかり。本作のように、笑いと涙を誘う、それこそFOXサーチライト・ピクチャーズが最も得意とするヒューマンドラマが満席続出とは、もしかして久々の事態? いやいや、実は本作にも、ひそかに“毒”は隠れていたのだ。

『gifted/ギフテッド』 (C)2017 Twentieth Century Fox

ドラマや映画で話題の「毒親」がここにも…


注目は、『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』『アバウト・タイム 愛おしい時間について』などで知られる名女優リンゼイ・ダンカンが演じる、フランクの母で、メアリーの祖母であるエブリンの存在だ。

それまで2人と離れて暮らしていたエブリンは、メアリーの“ギフテッド”を知るや駆けつけてくる。フランクの姉で、亡くなってしまったメアリーの母ダイアンもまた天才的な数学者だったのだが、孫にも娘と同じ才能が受け継がれていることを知り、母同様に英才教育を与えようとしたのだ。

そんな祖母と叔父(つまり実母と息子)が、メアリーの親権をめぐって、なんと裁判で争うことになる。法廷では、メアリーが“ごく普通”の生活を送ることは亡くなったダイアンの願いだったことのみならず、エブリンのがんじがらめの管理教育ぶりも明かされ、フランクの意外な過去についても触れられる。

『gifted/ギフテッド』 (C)2017 Twentieth Century Fox
こうした裁判で次々に明かされる事実は、「毒親」という言葉を思い起こさせる。「毒親」とは、暴力や暴言、ネグレクト(育児放棄)、またはその逆の過干渉などによって、子どもにまるで“毒のような”悪影響を及ぼす親のこと。親としては「子どものためを思って」「子どもの幸せを願って」、愛ゆえにそうしているために、まるで自覚がないことが特徴的だ。

現在フジテレビで放送中の「明日の約束」にも、主人公のスクールカウンセラー(井上真央)の母(手塚聡美)、謎の死を遂げた高校生の母(仲間由紀恵)という2人の「毒親」が登場しており、その言動は毎回話題を呼んでいる。

さらに、マーゴット・ロビーがフィギュアスケート史上最もスキャンダラスな選手トーニャ・ハーディングを演じ、ゴールデン・グローブ賞主要3部門にノミネートされるなど注目を集める『I, Tonya』(原題)でも、トーニャの母親(アリソン・ジャネイ)がまた相当な「毒親」だったことが描かれるようで、彼女がライバルを襲撃するまでに追い詰められてしまったのは、もしかして…。

とはいえ、本作『gifted/ギフテッド』では、かなりの泥試合となりながらも、マーク・ウェブ監督ならではの手腕で、「子どもにとって本当の幸せとは何か?」を考えさせてくれ、フランクとメアリーの関係の素晴らしさ、愛する者への思いやり、優しさ、そして命の尊さまでも示してくれる。そのまま“インスタ”にアップできそうな、繊細で豊かな映像美も相まって、意外にも(?)心がぽかぽかとしながら劇場を後にできるのだ。
《シネマカフェ編集部》

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