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『ビルド・ア・ガール』原作者が心を砕いた「自分に喜びを与えてくれる」ものの選び方

青春エンパワーメントムービー『ビルド・ア・ガール』の原作者キャトリン・モランが、自身も脚本に関わった本作について、映画化にあたり特に重要視したことを明かした。

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『ビルド・ア・ガール』キャトリン・モラン (C)MONUMENTAL PICTURES, TANGO PRODUCTIONS, LLC,CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATION, 2019
『ビルド・ア・ガール』キャトリン・モラン (C)MONUMENTAL PICTURES, TANGO PRODUCTIONS, LLC,CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATION, 2019
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  • 『ビルド・ア・ガール』(C)MONUMENTAL PICTURES, TANGO PRODUCTIONS, LLC,CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATION, 2019
  • 『ビルド・ア・ガール』キャトリン・モラン (C)MONUMENTAL PICTURES, TANGO PRODUCTIONS, LLC,CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATION, 2019
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  • 『ビルド・ア・ガール』(C)MONUMENTAL PICTURES, TANGO PRODUCTIONS, LLC,CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATION, 2019
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  • 『ビルド・ア・ガール』(C)MONUMENTAL PICTURES, TANGO PRODUCTIONS, LLC,CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATION, 2019
  • 『ビルド・ア・ガール』(C)MONUMENTAL PICTURES, TANGO PRODUCTIONS, LLC,CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATION, 2019

『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』のビーニー・フェルドスタイン主演で、作家・コラムニストのキャトリン・モランの半自伝的小説を映画化した青春エンパワーメントムービー『ビルド・ア・ガール』。今回、キャトリン自身も脚本に関わった本作について、映画化にあたり特に重要視したことを明かした。


>>『ビルド・ア・ガール』あらすじ&キャストはこちらから

原作者のキャトリンも本作の主人公ジョアンナ(ビーニー・フェルドスタイン)と同じようにイギリスの田舎町で育ち、15歳でイギリスの新聞「オブザーバー」紙の若者レポーター賞を受賞し、1991年に16歳で初の小説「ナルモ年代記」を出版。同年、週刊音楽雑誌「メロディ・メイカー」で歴代最年少のロック評論家として活躍し始めた。17歳で「タイム」紙の週刊コラムニストとなると、チャンネル4の音楽番組「ネイキッド・シティ」の司会者に抜擢され、それ以降、英国記者賞や英国雑誌編集者協会(BSME)賞など多様な賞を毎年のように受賞するなど、まさにイギリスのエンタメ界で第一線を走り続けている。

「マット・デイモンが動物園を買う話を映画にできるなら、私の話だって映画にしていいんじゃない?」


映画では、音楽ライターとして若くして脚光を浴びたジョアンナが活躍し続けていくうちに徐々に自分の心を見失ってしまい、過激な批評を繰り返す“辛口”音楽ライターとなるなど数々の失敗や挫折が連続するも、そこから再び困難に立ち向かい、歩き続けていく姿が描かれている。本作が半分実話、というのはまさにキャトリン自身の体験がそこに反映されており、映画の脚本にも自ら参加。小説とは異なる流れに映画用の脚色を施しながらも、本質的なメッセージを損なわず、思春期の少女の心の旅を描いていくため、執筆には2年もかけたという。

「原作小説の『How to Build a Girl』(原題)を書こうと思ったのは、30代に自分の人生を振り返った時でした」とキャトリン。「私はイギリスのウォルバーハンプトンの公団住宅に住む労働者階級の子で、狂ったヒッピーたちに福祉手当をもらいながら育てられ、何のコネもないのに16歳で音楽ジャーナリストとなり、世界中を飛び回ってロック・スターに会う仕事を手に入れた」、それなら「ちょっと待って。マット・デイモンが動物園を買う話を映画にできる(『幸せへのキセキ』)なら、私の話だって映画にしていいんじゃない? 私にとっては面白い話だから、映画を作ってみよう」と思い立ったという。

「自分がやりたいことをリストアップしていた時に気付いたことがあって、それは一般的に女性のキャラクターは映画の中でちょっとした拷問を受ける傾向があるということ。私が一番やりたくなかったのは、女の子が間違いを犯して、泣きながらゴミ箱に放り投げられて、『私は学ばなければならない。旅に出るわ』と言うような映画を作ることでした」と明かし、「主人公の女の子に、本当の意味での悪いことが起こらないようにしたかった。彼女には少し傲慢なところがあって、いくつか間違いを犯し、そこから学んでいく」ことを描きたかったと語る。

女の子が実際に人生の中で抱えている困難について取り上げることが、彼女たちにとって大きな助けになると私は思います。困難を笑い飛ばし、自分を笑い飛ばすことで、自分が抱えている重荷を軽くする方法を教えてあげるのです」と続けつつ、「10代がどれだけ危険で、ダークになることか私は知っています。それをすべて映画にぶち込むから、一緒に見ましょう。最後には何もかも万事解決するからと言ってくれる作品が必要なんですよ」と力を込める。

10代の女性のセクシュアリティを
楽しく、面白く、重荷にならないものに


さらにキャトリンは、「私がこの映画でやりたかったもう一つの重要なことは、10代の女性のセクシュアリティを楽しく、面白く、重荷にならないものとして表現することでした」と続ける。

「繰り返しになるけど、彼女はこの件で魂の旅を経験する必要はないんです。重大な教訓を学ぶ必要もない。10代の男の子がセックスするのは見たことがあるけど、10代の女の子がマスターベーションをしたり、何のしがらみもなく男の子とセックスしたりする映画は見たことがありません。でも、10歳の女の子が公園でブランコや滑り台で遊ぶのと同じように、セックスは端的に楽しいことのはずです。セックスとは基本的にそういうものでしょ」と、本作に込めた思いを語り、「多くの10代の女の子がこの作品を見て、『初めて映画で自分自身の姿を見て、自分が普通だと思えた』と感じるはずです。『史上最も輝かしいバージョンの普通』がそこにはあるのです」。

自分に喜びを与えてくれるもの
それは「人生を支えてくれる」


「この映画は一見すると、素晴らしい才能とスタイルをもった女の子がしばらくの間ロック音楽の世界で過ごして、いくつかの冒険をして教訓を学んでいく笑える映画かもしれません。でも、実際には現代社会で起こっていることをすごく巧妙に寓話化しています」とキャトリン。「10代のロック評論家だった頃の私は、大衆文化について全国誌に書くという、かなり珍しい力を持っていました。でも、そこで私が選んだのは、あることについて『これは素晴らしい』と言うのではなく、別のものを指して『これはひどい。このバンドは死ぬべきだ。こいつらは最悪だ。この音楽はゴミだ』と書くことでした。それから30年経って、今では世界中の10代の女の子や男の子のほとんどが当時の私と同じ力を持っています。ソーシャルメディアのおかげでね」。

「彼らがソーシャルメディアでしているのは、何かを指さして嫌いだと言ったり、ゴミだと言ったり、荒らしたり、破壊したりすること。それよりはるかに有益な選択肢は、優れたものを見つけて『これは素晴らしい。ここに未来がある。自分に喜びを与えてくれる』と言うことですよ。嫌いなものについて何かを言う必要はありません。自分に喜びを与えてくれるものだけに関心を払うことを学べば、残りの人生を支えてくれるはずです」とキャトリン。

「どこかの時点で、冷笑主義の殻を破って、再び何かを信じるようにならなければなりません。実は、それが密かにこの映画の本質的なテーマになっています。若いのに冷笑主義者を気取ってオンラインで生きていると、最後には命取りになるということ。その殻を破って『これが自分の好きなものなんだ』と言わなければならないんですよ」。

『ビルド・ア・ガール』は10月22日(金)より新宿武蔵野館ほか全国にて公開。

《シネマカフェ編集部》

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