




激戦となった今年のコンペティション部門だったが、パルムドール(最高賞)の栄冠はクエンティン・タランティーノ監督、ブラッド・ピット主演の『イングロリアス・バスターズ』に輝いた。ナチス占領下のフランスに投入された、ユダヤ人8人による特殊部隊の活躍を描いた本作。ブラピはこの“ならず者部隊”を率いる中佐役を熱演し見事、主演男優賞を獲得。やや消化不良に終わった、オスカーを含む昨年度の賞レースの借りを新作できっちりと返した。なお、「離婚か?」とまで伝えられていたアンジーも、夫の晴れの舞台にしっかりと駆けつけ、揃ってレッドカーペットを歩き“最強の夫婦”の絆を見せ付けた。

ヒース・レジャー亡き後、ジョニー・デップ、ジュード・ロウ、コリン・ファレルらがその代役を務めたテリー・ギリアム監督の『Dr.パルナッサスのイマジナリウム』(原題)がコンペ外で上映。ジョニーやジュード、コリン、そして天国のヒースに向け観客は総立ちで拍手を贈り、今年のカンヌのハイライトとなった。ちなみに今年のカンヌでは、出演作品は違えど、ジョニーとブラピというハリウッドの2大スターが珍しく揃って映画祭に出席し、連日の豪華なレッドカーペットとなった。

コンペティション部門に出品されたイザベル・コイシェ監督作品『マップ・オブ・ザ・サウンズ・オブ・トウキョウ』(原題)に主演した菊地凛子が、『バベル』以来2度目となるカンヌの地に登場! 自身がモデルを務めるシャネルに身を包んでレッドカーペットを歩き、ファッション関係者からも絶賛を浴びた。クロージングで上映された『ココ・シャネルとイゴール・ストラヴィンスキー』(原題)など、今年はココ・シャネルにスポットを当てた作品が数多く製作されているが、菊地さんは見事にシャネルを着こなし、映画祭に花を添えた。

今年のカンヌのレッドカーペットで一番の喝采を浴びたのは…ペネロペ・クルス! ペドロ・アルモドバル監督の“ミューズ”として『ブロークン・エンブレイシーズ』(原題)を携えて登場し、カンヌっ子たちを魅了した。コンペ外作品『NE TE RETOURNE PAS』(原題)に出演するモニカ・ベルッチも負けじとセクシーなドレスで登場して喝采を浴びたが、やはりオスカーの風格か? この場外戦はペネロペに軍配!
Jon Didier / © A.M.P.A.S.

兵役後、初の映画出演となるウォンビンが、ポン・ジュノ監督作『母なる証明』で過去の作品とは違った一面を見せ、絶賛を浴びた。一昨年の『シークレット・サンシャイン』、昨年の『良い奴、悪い奴、変な奴』(原題)とすっかりカンヌ常連のソン・ガンホは今年は『コウモリ』で登場。際どい描写が論議を呼んだ!。監督週間に出品の『Like You Know It All』(原題)など、韓流映画がカンヌの新たな台風の目に!

柳楽優弥が史上最年少で主演男優賞を受賞した『誰も知らない』以来、5年ぶり3回目となるカンヌで、是枝裕和監督が最新作『空気人形』で批評家たちを唸らせた。監督のみならず出演陣にも高評価が与えられたようで、韓国から本作に参加したペ・ドゥナをはじめ共演のARATA、オダギリジョーらに各国の監督からオファーも?
© 業田良家/小学館/2009『空気人形』製作委員会/写真:瀧本幹也

今年のカンヌで“衝撃作”と言えばこちら、日本でもファンの多いラース・フォントリアー監督による『ANTICHRIST』(原題)。子を失ったシャルロット・ゲンズブールとウィレム・デフォー演じる夫婦が、人里離れた森で暮らし始める、という本作だが、大胆シーンの連続に劇場は騒然。予告編の段階でかなり評判となっていたが、うわさに違わぬ凄まじい内容だった模様。そんな周囲の喧騒にもシャルロット自身は平然としたもの。大女優の風格を感じさせた。
©AFLO

過去に何度も映画祭をにぎわせた巨匠たちがズラリと顔を揃えた今年のコンペティション。ウッドストックの祭典を題材にしたアン・リーに、久々の新作を引っさげてカンヌに姿を現したギャスパー・ノエ、ケン・ローチ、ミハエル・ハネケ、ジョニー・トーなど東西の実力派映像作家たちの自信作に喝采が贈られ、近年にない高いレベルでコンペが争われた。

監督週間のオープニングを飾ったのはフランシス・F・コッポラ監督、ヴィンセント・ギャロ主演の『テトロ』(原題)。さらにユアン・マクレガーとジム・キャリーがゲイのカップルを演じた『アイ・ラブ・ユー・フィリップ・モリス』(原題)、日仏共同製作の『ユキとニナ』(諏訪敦彦&イポリット・ジラルド監督)など、「監督週間」出品作に熱い視線が注がれた。

イザベル・ユペールを委員長に女優4人に監督3人で構成された審査委員団の中で注目を浴びたのは、昨年の審査委員長ショーン・ペンとの離婚が報じられたロビン・ライト・ペン。昨年のショーンは会見中もタバコをふかすなど悪童ぶりを見せつけたが、彼女の方は、何か吹っ切れたのかはつらつとした表情を見せた。だが、良作が揃ったこともあって、審査の方はかなり票が分かれて、紛糾した模様…。
Bryan Crowe / © A.M.P.A.S.









※こちらの10大ニュースは、シネマカフェ編集部が映画祭開催前に勝手に予測したものです。
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