第二次世界大戦末期、後に硫黄島陥落のモニュメントとなった、“摺鉢山にアメリカ国旗を掲げる5人の海兵隊員と1人の海軍兵士の写真”。その写真は、長引く戦争に疲弊したアメリカ国民の士気高揚に利用され、6人の兵士はたちまち英雄扱いされる。しかしながら6人のうち生還を果たした3人の兵士は、祭り上げられるほどに苦悩を深めていく。彼らはただ、名誉とは無縁に戦い、戦死した仲間たちと共に前線に留まりたかっただけだった…。アカデミー賞受賞監督クリント・イーストウッドが、激戦地となった硫黄島の歴史に残る戦いを、日米双方の視点から描いた映画史上初の2部作のうちの1作であり、本作はアメリカの視点から描かれる。もう1作は日本側の視点で描く『硫黄島からの手紙』。この2部作は、スティーヴン・スピルバーグがプロデューサーとして製作に名を連ねている。
クリント・イーストウッド