生物多様性の宝庫であることから「ダーウィンの箱庭」と呼ばれるヴィクトリア湖。今から半世紀ほど前、大食で肉食の外来魚ナイルパーチが放たれてから、湖畔の町は一変。ナイルパーチの一大魚産業が誕生し、周辺地域の経済は潤う。しかし一方で、新しい経済が生み落とす貧困、売春、エイズ、ストリートチルドレン、ドラッグ、湖の環境悪化…ドミノ倒しのように連鎖する悪夢のような悲劇が生み出されていった。監督のフーベルト・ザウパーは、オーストリア出身のドキュメンタリー作家。本作は2004年ヴェネツィア国際映画祭での受賞を皮切りに世界中の映画祭で多数のグランプリを獲得、2006年アカデミー賞では長編ドキュメンタリー賞にノミネートされた。
フーベルト・ザウパー