15年もの長きにわたり、公私ともにドキュメンタリー製作をつづけてきたカップルの映画監督、純哉と七海は、創作上の意見の食い違いから交際を終わらせた。七海は東京に残り、純哉は新しい創作のヒントを求めてパリに渡った。七海の提案で、2人は自分たちを素材として、「別れたカップルのその後を追いかける」ドキュメンタリーの制作に踏み切る。新しい出会いを探しながら、愛とは、創作とは、人生とは何か、を追いかける七海と純哉。往復書簡のように、美しくもせつない映像レターが東京とパリを行き来する。
辻仁成