グローバルな大手建設会社のエリート社員、アイヴァン・ロック(トム・ハーディ)にとって、その夜は久々に家族と憩いのひとときを過ごすはずだった。アイヴァンは妻カトリーナ(ルース・ウィルソン)、ふたりの息子エディ(トム・ホランド)とショーン(ビル・ミルナー)を愛しているが、長らく家庭より仕事を優先させ、今の誇らしいキャリアを築き上げてきたのだ。ところが思いがけない1本の電話がかかってきて、アイヴァンは愛車のBMWに乗り込んだまま、しばし深刻な面持ちで考えをめぐらせる。そして工事現場から自宅ではなく、遠く離れたロンドンへと連なるハイウェイにハンドルを切った。それは家族との約束も、今取り組んでいる巨大プロジェクトも、すべてをほっぽり出すという人生最大の決断にほかならなかった。そして壮絶な破滅と新たな希望のどちらが待ち受けているのかもわからない“結末”に向かって、運命のハイウェイを疾走していくのだった……。
スティーヴン・ナイト