21世紀のキに、子どもと書いて紀子。いま、この時代に、確かに私という人間が存在した、という意味を込め、パパが付けてくれた名前です。小学生時代のあだ名は「泣き虫のりこ」。落ち込む私をいつも励ましてくれるのがママでした。このままずっと隣にいて安心させてくれる、と当たり前のように思っていました。10歳の誕生日までは…。ママは病気に勝てず天国に行ってしまったのです。ママと過ごす最後の年になってしまった10歳の誕生日。ある約束をしました。それは20歳を迎えるまで私たち姉弟に毎年手紙を贈ること――。翌年訪れた、母がいない11歳の誕生日。本当に手紙が届きました。“11歳ののんちゃんへ、これからのんちゃんが二十歳になるまで、毎年手紙を贈るので楽しみにして下さい”。
〓田康弘