自分の片目は義眼であると言い、“生き別れた眼球”を探すため、カメラ片手に魔都TOKYOを彷徨う麻耶。高層ビル群が墓標のごとく立ち並び、夢とも現実ともつかない、不条理かつ淫靡なラビリンス。そこに現れるのは、浮遊するがごとく眼球を求め続ける麻耶の姿を記録する脳外科医と、麻耶の眼球を狙う黒ずくめの怪しい眼球コレクター。三人が一つの線として結ばれた時、血の惨劇が幕を開ける…。愛液と鮮血をまき散らしながら迷いもがく麻耶が、己の網膜に焼き付けたものとは一体何だったのか!?
佐藤寿保