1961年8月、イェール大学で、ミルグラム博士(ピーター・サースガード)の実験が開始された。実験者とともに、2人の被験者が実験室に入ってくる。1人は先生、1人は学習者となり、先生役の人物は問題を出題、別室にいる学習者役はそれに答える。答えを間違えると学習者には電気ショックが与えられ、間違えるごとに電圧は上げられる。くじ引きで、先生と学習者の役割は分けられたが、被験者の1人は実験の協力者で、常に学習者に なるように操作されていた。マジックミラー越しに静かに実験の様子を見つめる、この実験を計画したスタンレー・ミルグラム。この実験は、ナチスによるホロコースト(大量虐殺)がどのように起こったのか?普通の人々が権威にどこまで服従するのか?を科学的に実証することが目的だった。実験が進んでいくと、学習者の答えは不正解が続き、電気ショックの強さも上がっていく。学習者はしだいに呻き声をあげるも、被験者の電気ショックの手は止まらない。
マイケル・アルメレイダ