故郷を捨てた男・深山晄(大杉漣)は、中学時代の同級生・道臣(吉田栄作)の死をきっかけに、数十年ぶりに北九州に帰ってくる。晄の胸には様々な故郷の記憶と、道臣との懐かしい日々が蘇る。晄は久しぶりに“昭和館”に後輩の淳子(藤吉久美子)を訪ねる。2人は道臣の思い出話と、北九州の街の未来について語りあい、ときを忘れる。また、晄は故郷に置き去りにしてきた年老いた母が1人暮らす実家に向かう。突然帰ってきた息子を温かく迎え入れる母。互いに抱いていたわだかまりは消え、2人は親子の会話を久しぶりに楽しむ…。
三村順一