コンクラーベ(法王選挙)のためにバチカンを訪れたベルゴリオは、運命の日を前に自身の半生を振り返る――。1938年、ホルヘ・マリオ・ベルゴリオは、イタリア移民の子としてブエノスアイレスに生まれる。大学で化学を学んでいた彼は、20歳のとき神に仕えることが自分の道と確信し、イエズス会に入会、神学を学び始めた。だが次第に軍の圧力が強まり、恐怖政治の足音が近づいて来る。この苦難の時代こそが後にローマ法王となる彼の信仰と勇気をより強いものにしていく…。
ダニエーレ・ルケッティ