カナダ東部の小さな町で叔母と暮らすモードは、絵を描くことと自由を愛していた。ある日、町の商店で買い物中のモードは、家政婦募集の広告を貼り出した男に興味を持つ。男は町はずれで暮らし、魚の行商を営むエベレット。モードは束縛の厳しい叔母から逃げるため、住み込みの家政婦になろうと決意。彼が1人で暮らす小屋のドアをノックした。子どもの頃から重いリウマチを患い、一族から厄介者扱いされてきたモード。孤児院で育ち、学もなく、生きるのに精一杯だったエベレット。そんなはみ出し者同士の同居生活はトラブル続きだった。しかし、モードがこしらえた熱々のチキンシチューを口にして、エベレットは孤独だった心が温まるのを感じる。やがて2人は互いを認めあい、結婚することに。そんなとき、顧客のサンドラがエベレットに会いに訪れる。ニューヨークから避暑に来ている彼女は、モードが壁に描いたニワトリの絵を見て一目で才能を見抜き、絵の制作を依頼する。サンドラの期待に応えようと、モードは夢中で筆を動かし始めた。壁に、板に、請求書の裏に。そんな彼女を不器用に応援するエベレット。やがてモードの絵は評判を呼び、アメリカのニクソン大統領からも依頼が来るが…。
アシュリング・ウォルシュ